2月の日記(前半)

15日(火)

周りを見回すと、フェブラリーSの取材にいそしむ記者がいる。その
中で、G1の盛り上がりに背を向けて、中山記念、阪急杯、アーリン
トンCの3重賞をターゲットに動く。言葉にすればそれまでだが、3
つの重賞を視野に入れて行動することは、なかなか大変で、まず出否
の確認、続いて追い切りの予定、さらに騎乗予定の騎手は誰か、など
の質問をして回るわけだ。その合間を縫って、さらに次の週を見越し
た質問(前の週に使ったオープン馬の動向など)をしていく。まあ、
とにかく体が3つくらいほしい忙しさだった。どうやら明日も大変な
ことになりそうである。仕事が忙しいのは、この世の中でグチっては
いられない。いちおう、普段からバカばっかり言ってるので、たまに
は、仕事もしているんだぞ、というところをアピールしたわけです。

14日(月)

基本的に月曜日というのは、出張に行く準備を整える日であって、そ
んなに仕事量が多い日ではないのだが、きょうはやたらとやることが
多く、疲れた。普通ならばだいたいの準備も2時間くらいで終わるわ
けで、極論すればそのくらいの時間を見込んで出社してもいいのだが
それでは社会人として認められるはずもない。たまたまきょうは家を
早めに出て、事務の女性より早く会社にいたのだが、それでも美浦に
出発するまでやたら忙しかった。まあ、こんなことを書いても仕方な
いのだが、他に何があったわけでもないもので。目的がないわけでも
ないんスけどね。うふふん。あ、そういやバレンタインデーだった。
義理だけいただいております。これ以上、太らない程度に、ね。

13日(日)

たまには、こんな競馬があってもいいじゃないか。そんなことを思う
ダイヤモンドSだった。ユーセイトップランの勝利には、馬券抜きに
感動した。馬もそうだが、後藤Jの乗り方も、一歩間違えば非難ごう
ごうとなるところ。しかし、しんがり追走で直線伸びずという負け方
を喫する馬が多い中で、ああいう見せ場を作ってくれれば、負けても
納得ができるというのがボクのスタンス。騎手にも期するところがあ
ったのだろうと思う。音無厩舎にとっても、そして応援しているファ
ンにとっても、本当にうれしい勝利だったことだろう。天国のエガオ
ヲミセテが後押しした、などという陳腐な表現は使うべきでないのか
もしれないと思うけれど、個人的にはどう考えてもいい。ほんとに、
ほんとに、よかったね。
しかし…である。きょうは休みのため、珍しくメーンも目の前でパド
ックを見ていた。隣りには大学の先輩で、フリーのターフライターを
しているI先輩がいたのだが、パドックの感想としてボクは
「パドッ
ク見て買いたい馬って、ジョーヤマトくらいしかいないんスよねえ」

と述べたのである。まさか、あのような結果になろうとは思いもよら
なかった。日ごろからいろんな愉快なハズし方をしているが、今回は
久しぶりにクリーンヒットというか、クリティカルダメージだ…。
ところで、こんな日曜日に休みをもらうのは、冠婚葬祭以外では、ほ
とんど記憶にない。一般席に陣取って、心行くまで競馬を楽しんだの
は、実にいいリフレッシュである。何がいいといって、気兼ねなく声
を出せることなのだ。やはり、記者席は仕事場。G1ともなると各々
に思い入れがあって、誰とはなく声も出るものだが、平場や特別あた
りで大声を出すとなると、よほどの大勝負をしている場合と相場が決
まっている。というか、一種の不文律だ。まあ、平場、特別から大勝
負している人はあまりいないし、大勝負していないのに声を出す人は
いないのである。しかし、自分は声を出したい人なのだ。きょうは、
それが心行くまでできた。たとえ820円の配当を2500円買って
いても、記者席では声は出せない。きょうは大声で「ヨシトミ〜!」
の絶叫。交わせなかったが、あれはあれで幸せな気分である。もっと
も、メーンの時に「後藤!」と5回くらい叫んだ後に
「あ、それだけ
はやめて〜!」
と情けないくらい大声で悲鳴を上げたのも、一般席な
らではなのだが…。パドックでこの1頭、と挙げたことに気づいたの
は、この瞬間だったんです。ハイ。
長くなっているが、夜は演劇を見に行ってきた。もう8年くらい前に
友人が劇団にいて見に行ったことがあるが、それ以来のこと。千秋楽
の舞台だったこともあるが、大変な混雑だった。内容は伏せるが、た
まにはああいうのも面白いと思う。いい舞台があれば、どなたでもい
いので、教えて下さいませ。

12日(土)

きょうは、珍しく我が雑誌の記者が他におらず(くず記者は4週連続
栗東出張になるため、ご褒美休暇。T記者はお嬢さんの結納。S記者
は定休日)、ひとりでの勤務。といっても、土曜日はあまり多くの仕
事がないと思っていたが、当たり前のように火事原稿の詳報があり、
さらに岡部Jが2600勝を達成。落馬、競走中止、除外も多発して
なかなか大変な1日であった。とはいえ、トップページにも書いたが
無事に競馬を楽しめることの幸せさを感じた1日でもある。多くの馬
が命を落としたわけだが、特に親しみがあったエガオヲミセテの分も
明日はユーセイトップランに頑張ってほしい。ささやかな願いだ。

11日(金)

山元トレセンの火事が報じられた。あまりにショックな出来事で、ボ
ーッとしている。多くの亡くなった馬たちの関係者に心から哀悼の意
を表したいと思うが、中でもエガオヲミセテは、我が雑誌のOカメラ
マンや、ウチのHPに来てくれるごっどすぴいどさんが音無厩舎の方
と仲がいいこともあり、栗東に行く時には親しくさせていただいてい
た縁がある。ついこの間も、馬房の真ん前で「ニコニコ」(エガオヲ
ミセテの愛称)と間近に接してきたばかり。この程度の付き合いしか
ない自分でも、大きな衝撃に打ちひしがれているわけだから、実際に
携わった方々の悲しみを思うと、痛ましいとしか言いようがない。こ
のような事故が二度と起きないよう、祈るばかりであるとともに、亡
くなった馬たちのご冥福を心から祈りたい。合掌。

10日(木)

前日にほとんど速い追い切りが行われなかったため、きょうはとても
忙しかった。まあ、同じ時間に集中しなかった分だけ、まだマシだっ
たかもしれないが、結局今週は、栗東の顔なじみの方々にほとんど会
いに行けなかったことが心残りである。次週は美浦勤務。なんだかず
いぶんと久しぶりのような気がするなぁ。忘れられていなきゃいいん
だけど。

9日(水)

前夜の願いもむなしく、夜中から降り積もった雪のせいで調教開始時
刻は3時間遅れの午前10時。しかし、それが判明したのは、完全に
出勤の支度を整えた午前7時の直前で、もう1度寝るにも寝られない
という時間である。げんなりしながら再び10時に出勤したが、仕事
している最中も降るわ降るわ。前半は、ほとんど馬がいないありさま
である。下はその雪に包まれた栗東トレセンのようす。

調教開始時刻の寸前だというのに、荒れた馬場を嫌って馬もまばら。
ちなみに左に写っているのは、フランスでこっぴどい目に遭われたT
京C日スポーツのN記者です。


スタンドからみたコースのようす。C、DWコースは閉鎖されて、手
前のEコースと奥に見えるBコースだけが開放されていました。

仕事は何とか終わらせたけれど、とにかく行きたい厩舎に行くのも厳
しい状況。まあ、雨が降るよりはマシなのだが(ノートが濡れない)
やはり晴れているにこしたことはない。明日はさすがに大丈夫だと思
うんだけどなぁ。やれやれ。疲れた。

8日(火)〜意味もなく長いので、ヒマ人以外は読まないように…〜

このところ、闘病日誌とも言うべき状態になっているが、きょうは薬
も多少効いているせいか、あまりひどくはなかった。ただ、きょうは
天気がひどく、朝イチで晴れていた時に「天気予報なんて、ダメじゃ
〜ん」などと笑っていたら、おもむろに曇り出して、しまいにゃ雨が
みぞれ交じりの雪になるなど、大荒れ。風もやたら強く、大変な濡れ
ネズミになってしまった。これじゃあ、今度はカゼひいちまうよ。

などと言いながら、夜は関東の記者7人で夕飯を食べ、さらに若手4
名がカラオケへと進軍した。多少ながら、歌には自信がなくもない。
スポーツNのT記者、我が雑誌のくず記者、そしてフランス・イスパ
ーン賞編で登場し、昨秋の京都でも登場したジャンケンとカラオケが
下手なNスポーツのT記者というメンバーである。2人のT記者は紛
らわしいので、年上である
スポーツNのT記者はTさん、年下である
NスポーツのT記者はTと呼び捨てにすることにした。呼び捨ての理
由はこの後のできごとでお分かりいただけるだろう。
さて、世にも名高いバクチ好きの記者連である。当然、カラオケ代を
賭けた得点争いになった。5曲勝負。普通の勝負ではつまらないとい
うことで、1.女性シンガーの曲、2.12月以降の新譜から1曲、
3.得点が倍になる自信の曲を1曲、4.曲名しりとりで1曲、あと
は自由に1曲の計5曲で勝負した。クールで知られ、東京競馬記者ク
ラブでもひときわ異彩を放つ
Tさんは、実に上手である。カラオケは
好きだが、新曲収集に熱心でないくず記者は、早々に新譜ルールを歌
い損ねて勝負圏外に去り、
Tのヤツもしょせんは相手にならないので
Tさんと自分の一騎打ちとなった。たまたま、倍ゲームの自信の曲で
わずかに競り勝ち、自分が優勝。まあ、1着2着は関係なく、3着が
帰りのタクシー代、4着がカラオケ代を負担することになった。ここ
で終われば、何事もなかったのである…。
まだ歌い足りない、そんな意識が誰からともなく感じられ、とりあえ
ず、カラオケ代はビリのくず記者が払うことで決まり、ランダムに曲
が出てくるゲームで得点を競い合うことになった。1曲ごとに1回り
したら、全員が出した1000円をトップが総取りするルール。知っ
ている曲が出るのと出ないのとでは、大いに得点に差がつく。レパー
トリーの広さにもそれなりの自信はあったが、弱い部分もあった自分
だが、勝者の余裕が、下らないゲームをすることになってしまった。
というか、自分が提案してしまったのだから、どうにもなるまい。
結果は言うに及ばず。4戦して全敗し、さらに30分の時間延長を申
し出た挙げ句、また2敗を喫したのであった。ビリのはずのくず記者
が、知っている曲によく当たり、6戦4勝。あと2名が1勝ずつ。こ
のオレ様だけが、なぜか全敗の憂き目に遭った。だって、1曲も知っ
てる歌が出ないんだもん。しかも、自分の順番の直前に限って、よく
知ってる歌や、いま熱心に練習している歌が出る。そのたびにTのヤ
ロウが大喜びするから許せねえ。その許せねえという態度を表面に出
しちまうので、ますますTが喜んでしまい、楽しくストレスを解消す
るはずのカラオケが、とんだストレス蓄積の場と化してしまった。
「あれ? 勝ったんじゃなかったんですか?」「いいじゃないすか。
カラオケ代は出してないんでしょ?」「どうしたんですか? なんか
悔しそうですね」
。以上がTから自分に対して浴びせられたセリフで
ある。確かに、前回のカラオケ対決で楽勝してからというもの、こと
あるごとに屈辱的な罵詈雑言を浴びせてきただけに、これだけの反抗
も致し方ないところだ。それにしても、最後の1曲でも歌えない歌が
回って来て、無念のギブアップをした後に、念のため次のランダム曲
を確認したところ、やはり大好きな「カブトムシ」(aiko)が控
えていた。残り数分となっていたので、帰り支度をするみんなを尻目
に悲しい声でカブトムシを歌っている自分。せめてのストレス解消に
と思ってやっていたところで、なぜか曲が切れた。
「ほら、いつまで
もダラダラ歌うのはやめて」
。Tがリモコンを手にしていた。……。
T、忘れんなよ。絶対に仕返ししてやるからな〜!

注:相当イヤミに聞こえますが、本人同士は意外に楽しんでいます。ご心配なく

7日(月)

前夜、極端に悪化した口内炎(舌炎)が一向に良化しないため、つい
に病院行き。意外にも地元に新規開業の歯科兼口腔外科があり、そこ
で診断を受けた。原因の特定はできないとのことだったが、口内炎の
大敵は疲れ。とにかく栄養を摂ることに専念し、たくさん寝て、暴飲
暴食を避け、摂生した生活を送るべしとのことだった。なるほど、日
ごろから口内炎になるための生活を送っていたような気がする。栗東
に来たわけだが、今週は少しおとなしくしているとしよう。

6日(日)

まるで馬券が当たらず、やさぐれた状態でありながら、大学時代の同
級生の結婚式の二次会に参加してきた。美人で知れた女性だっただけ
に、新郎がうらやましい限りである。それはそれとして、久しぶりに
大学時代の先輩、後輩に会えたのは楽しかった。中には競馬が好きな
人たちもいて「よくテレビに映ってるよな」などと言われたりすると
テレるものである。もっとびっくりしたのは、新郎の友人がいきなり
「いつも読んでいます」と来てくれたこと。なんだか、悪いことはで
きない人間に自分はなってしまったような気がした。

5日(土)

前日、薬局で買ったビタミン剤が効を奏して、やや良化の兆しを見せ
ていた口内炎だが、やはり1日経ったら元の木阿弥だった。非常にイ
ライラさせられてしまう。月曜日は必ず医者に行くとしよう。さらに
馬券はこっぴどい目に遭うし…。こんな日は、なかったことにする。
あー、最低だ。明日はいい1日でありますように。

4日(金)

きょうはどうにも歯車がかみ合わない1日だった。休みなのだが、大
学時代の後輩と会うため、12時に新宿に待ち合わせ。これに合わせ
て、口内炎の治療をするために早めに皮膚科に行った。待ち合い室の
客は5人。空いているのでホッとしていたが、待てども待てども順番
が来ない。よくよく見ていると、後から後から来る人たちが次々と呼
ばれていく。どうやら先に診察券を提出していたらしいのだが、もう
50分くらいは待たされていた。さすがにしびれを切らして残りの待
ち人数を聞いたら、さらに4人もいるとのこと。さすがに待ちあわせ
に遅れそうなので、納得の行かないままキャンセル。少し遅れそうだ
と連絡を入れて新宿に向かう途中、逆に連絡が入った。乗車した電車
の人身事故で、まるで電車が動かないとのこと。結局、先に着いたは
いいが、1時間も待ちぼうけを食らってしまった。しかも、新宿に行
く途中の山手線では、近くの席が空いたので座ろうとしたところ、遠
くで立っていたオヤジが矢のような勢いで飛んで来て、割り込むよう
に座りやがったのである。まあ、座りたいなら座らせてやろうと寛大
な心持ちで許してやったのだが、1駅もしないうちにオヤジの携帯が
大音量で着信し、3駅くらい商談を大声でやりやがった。今の日本は
たくさんの立派な大人たちが作り上げたものだが、今のダメな日本は
ああいうオヤジが作り上げているのだろうと思う。こんなことで1日
は不愉快に過ぎていったが、まあ、馬券購入の前日ということを思う
と、かえって不幸を使い果たしたということで、プラスに考えよう。

3日(木)

二日酔いに悩まされつつも、仕事は何とか終わらせて、帰京。しかし
帰京する前に、TCK女王盃があることに気づき、すぐさま電話投票
を持っている知人に電話した。クロックワークとブゼンキャンドルの
秋華賞組はダート適性が高いとみて、そこにヤマノリアルとマジック
リボンをからめた馬券を依頼。結果はものの見事にヤマノリアルとマ
ジックリボンで決まり、4頭ボックスのただ1頭の抜け目で決まると
いうものとなった。何というか、こう、オレらしいね。うん。

2日(水)

朝から小雪がチラチラと舞っていたが、すぐに止んでくれた。とはい
え、手がかじかむのは前日と同じ。やれやれ。取材は何とか無事に済
ませ、夜はお出かけ。前夜もリンクしているぐっちゃんさんと出かけ
たが、この日もリンクしているロンさんや、ロンさんの仲良しの方々
とご一緒させていただいた…が…。お腹が空いているところに、もと
もと弱い酒を流し込んでしまい、居酒屋で豪快に寝てしまう醜態をさ
らすハメに…。「もう少し特訓せなアカンな」。フラフラしている頭
の中に、K厩舎のH調教助手の声が聞こえた。ハイ。もう少し頑張り
たいと思います…。

1日(火)

前夜からの雪がうっすらと降り積もり、栗東はキレイな雪化粧。など
というと聞こえはいいが、寒い! 寒すぎる! 栗東が寒いのは何も
今に始まったことじゃないが、それにしたって寒い〜。しばらく歩い
てから取材すると、メモするペンの動きがミョーなことになる…。自
分の字が読めないまま、とある4歳1勝馬の取材に行ったが、自分の
字を読み間違えて「そんな馬おらんで〜」とニヤニヤされてしまうハ
メに…。まいったなぁ。

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