3月の日記(前半)

15日(水)

気づくと、3月もきょうで折り返し点。いやはや、早いものである。きょ
うは、グラスワンダーやブラックホークといった馬たちの1週前追い切り
が行われ、トレセンもさすがに活気に満ちてきたかな、というところ。自
分も薬のおかげで花粉症の症状が和らいでおり、無事に仕事ができた。新
規開業された畠山吉調教師へのインタビューも完了。非常に穏やかな人柄
の先生で、原稿には書き切れないくらい、たくさんいいお話を聞かせてい
ただいた。「マスコミの方々にも、たくさん来ていただけるような厩舎に
したいです」。このひと言が、すごくうれしいもの。今まで以上に応援さ
せていただきたい厩舎だと思った1日である。

14日(火)

歯医者の翌日は、薬屋である。2週ぶりにやってきた美浦だが、噂に違わ
ぬ花粉の飛散量であった。なにせ、朝は息ができずに目が覚める、仕事中
は鼻水ズルズルでクシャミ連発、午後は鼻詰まりと目のかゆみで原稿への
集中力が欠ける…といったありさま。しかし、どうも様子がおかしい。ク
シャミだけでなく、咳も出るのだ。カゼをひいたとみていいだろう。ノド
もかゆいだけでなく、痛い。満身創痍、病気のデパートとなってしまった
我が身。いったいこの先、どうなることやら…。

13日(月)

痛みの限界に達し、ついに歯医者に行った。これまで、口内炎や花粉症、
アキレス腱痛などなど虚弱ぶりは口にしてきたが、その口自体が、すでに
病んでいる。全面的に体がイカれているとしか言いようがない。虫歯は、
左上と右下がひどく、右下は親不知なので抜いてしまうとのこと。左上の
治療にとりかかった。麻酔を打って、ガリガリ削る。大嫌いな感覚だ。イ
ヤだイヤだと言い続けて、ここまで悪化させてしまったのだから、自業自
得なのだが。これから、当分の間、休みといっても歯医者への通院が続く
ことになる。イヤだなぁ…。

12日(日)

「本年度ベストボイス賞ですね」
3Rの後、周りの記者の方々にいわれた言葉である。ニシノテイタムの単
複&馬連を買い込んで見ていたレース。このところ、まずまずの当たりが
あっても、大声で叫ぶほどのものはなかった。後方待機から内を突いて進
出し、直線でグイッと伸びてくる。
淳一っ! 淳一っ! 淳っ! あ!ダメッ…
まあ、冒頭のセリフを言われるのも無理からぬところだ。悪いのはボクで
す。皆さん、お騒がせしました。それにしても、立ち上がって声が出たの
は久しぶりだ。最後の泣きそうな「ダメッ」が、周りの笑いを誘う。どう
せそんなキャラだからな。ふん。後のことは、言わずもがな。こういうこ
とがあって、午後に儲かるはずがないのである。とほほ。

11日(土)

人間の精神力とは、なにゆえこうも弱いのだろうか。あ、オレだけか…。
とにかく、土曜日の午前中だけでプラスになって、すっかりいい気になっ
てしまっていた。それはまだいい。メーンでエイダイクインから流して、
レッドチリペッパーが抜けた。それもよくあることだ。だが、なにゆえ、
そこでの我慢がきかないのだろうか。最終レースにあんな多額の金銭をつ
ぎ込んでしまうとは…。体重プラス18kも見ていたのに、そういう時に
なると「かえって、おいしいオッズになるさ」などと心の中の悪魔がささ
やいてしまう。なぜ、そのささやきに乗るのだ、自分。つーか、天使がい
るのかどうかが問題だ。オレの場合。

10日(金)

いろいろと理由があり、昼間に知人と会う予定をキャンセル。理由は何と
も情けない理由なのだが、想定外の出費があって、出るに出られなくなっ
てしまったということにすぎない。時々、こんな自分に泣きたくなる。休
みとはいえ、夕方に会社に立ち寄り、自腹を切ってあった取材費を受け取
って、週末の馬券代に充てる日々。たまにでいいから、大当たりしたいも
んだよ。ま、でも地道に、地道にね。←ウソつけ

9日(木)

今週は、正直言って、通常の仕事はラクだった。というのも、阪神大賞典
専任になったため。例年、あまり多頭数にならないレースだが、今年もテ
イエムオペラオー、ナリタトップロード、ラスカルスズカの参戦で、普通
の馬は出てくる気がしないようだ。長距離適性のある馬を取材して回った
といっても、数はたかがしれている。しかし…疲れた。というのは、我が
雑誌の別冊として作られる「100名馬」の仕事を抱えていたからだ。詳
しくは、発売される頃にお伝えする。とにかくハードな1週間だった…。

8日(水)

朝の仕事はとどこおりなく終了。午後は、ちょっと毛色の違う仕事をこな
しながらなので、ほとんど手の休まる間はなかったが、まあ、充実してい
る時間を過ごしたということにしよう。夜は栗東担当の我が社のOカメラ
マンと食事へ。O厩舎のS調教助手ご夫妻がいっしょ。何度となくご一緒
させていただいているが、今回も楽しい時間を過ごせた。やはり、関西の
ノリというのは、何とも言えない良さがある。
しかし、日比谷線の事故には驚いた。まさか地下鉄であんな事故が起きる
とは、夢にも思わない。亡くなった方には、本当にお気の毒としか言い様
がないが、やはり、どんな乗り物にも、安全が保障されてはいないのだと
感じさせられた。例外中の例外であることは分かっていても、背筋の凍る
思いである。そんな日に、どこぞの首相は「運が悪かった」という名セリ
フを述べていた(別件で、ですけどね)。すごいねえ。

7日(火)

阪神大賞典の取材が中心。成果はある。次週の予想にご期待を。さて、き
ょうの日記に書くことではないが、商用目的らしいことを少々。今週の我
が雑誌は、どうかお読みいただきたいと思うコラムが2つある。大月隆寛
さんの「拍手喝采」と、野平祐二さんの新連載コラム「口笛吹きながら」
である。前者は、地方競馬に造詣の深い大月さんが、危機にある高知競馬
の現状、対策を取材されて、どういう状況にあるかを報告するとともに、
提言めいたことをおっしゃられている。その地域にいない方にとっては、
あまり関心のない問題かもしれないが、日本の競馬が抱える大きな問題の
ひとつを掘り下げたもの。どうかご一読いただきたい。また、2月いっぱ
いで調教師を定年退職された野平さん(野平さんと呼ぶのはヘンだが)の
コラムも、読み応えがある。本当に競馬がギャンブルとしか見られていな
かった時代に、どんなことを考えていたのか。今の時代にデビューするジ
ョッキーには考えもつかないであろうことばかり。もちろん、野平さんひ
とりの功績ではないかもしれないが、競馬はファンあってのもの、という
考え方を持っていたことを、心から尊敬する。極論すれば、立ち読みでも
いいので、読んでいただきたい。←クビになりそうだな

6日(月)

昨日の競馬場の帰りの武蔵野線に続き、何と2日続けて電車の人身事故に
よる足止めを食らった。しかも、2日ともに「今さっき起きたので、復旧
のメドは立っておりません」。ホントにツイていない。しかし、それだけ
人身事故があるということも、この世知辛い世の中の象徴なのかな、など
と少し思ったりする。さて、栗東に到着した。4週ぶりかな? 3月にな
ったとはいえ、まだまだ雪が降る可能性がある栗東。心してかからねばな
るまい。阪神大賞典とスプリングS。取材し甲斐のあるレースばかりだ。
体調に気を付けつつ、頑張るとしますかな。

5日(日)

カゼの症状は、前日より少しはマシになったものの、それにしても楽では
ない。しかし、弥生賞を見ねば競馬の春は始まらない、という感覚がある
うえ、エルコンドルパサーの妹もデビューとあっては、行かないわけにも
いかない。メモリーズオブユーは快勝。オーナー、調教師とも、肩の荷が
下りた、という表情だった。人気になる馬にかかわる関係者は、本当に大
変なことだと思う。ダイワバーミンガムは完敗してしまい、あげく見切っ
てしまったフサイチゼノンが完勝。猛省せねばならないだろう。しかし、
大方の雰囲気ではこのままフサイチゼノンが皐月賞の最有力候補となるこ
とだろうが、まだ自分はそうは思っていない。あとは本番までに、自分な
りの本命馬を見つけるべく、取材して回りたいと思う。

4日(土)

昨年の元旦にこっぴどいインフルエンザに冒されてからというもの、カゼ
には細心の注意を払ってきた。しかし、もはやカゼというより花粉症の季
節となり、多少、うがいの回数が減ったかもしれない。そのスキをついて
カゼにやられてしまった。そういえば、数日前から少し鼻水が気になって
はいたが、きょうになって急に腹痛がある。熱もありそうだ。よりによっ
て、阪神競馬場日帰りの日なんぞに限って、こんなことになろうとは…。
とにかく、きょうはゆっくりと養生することにしよう。

3日(金)

休みである金曜日の日記は、このところ「世相について」みたいになって
いたが、きょうは久しぶりにパチンコ屋なぞに入ってみた。だいぶ昔に、
朝から晩までいて、1度も出ずに○万円以上(とても書けねえ)やられて
以来、真剣勝負のパチンコはやったことがない。時々、時間つぶしに入る
ことはあったが、それさえごぶさただった。きょうも時間つぶしのつもり
だったが、1000円札が2枚あり、何気なくパチスロの席に座る。見た
こともない機種だったが、動体視力には自信があり、目押しを確かめなが
らのプレイ。1000円はアッサリとなくなり、残り1枚でチンタラと遊
んでいたところ、何やら画面が怪しげに光ったので、もしやと思ったとこ
ろ、見事にビッグを引いた。その後も惰性に任せてダラダラと遊び、小1
時間で1万円ほどの浮き。うれしいことだが、何より怖いのは、これに味
をしめて、この何倍もやられてしまうことである。しばらくは、パチンコ
屋がないところに行かねばなるまいのう…。

2日(木)

前日は、仕事の疲れがあるにもかかわらず、麻雀をたしなんでしまい、見
事な夜更かし。わずか2時間睡眠で仕事するのは、久しぶりだった。実に
バカなことである。実のところ、もっといたるところでバクチを楽しんで
いるのだが、さすがに書けんよなぁ、と思うことがしばしば。HPのタイ
トルに偽りがあるわけではないのだ。しかし、それにしても眠い。明日は
お休みなので、心行くまで寝ることにする。おやすみなせえやし。

1日(水)

確かに次週の4歳牝特を予定していた有力馬が、急に回避を表明。代替馬
を探すことになってしまい、そのことに忙殺された1日だった。そんな中
で、トレセンには変化があった。新厩舎、新人騎手の登場である。デビュ
ー1年目のルーキーを意味する黄色いヘルメットをかぶった若手ジョッキ
ーたちがあちこちで取材を受け、昨日まで黄色いヘルメットだった2年目
のジョッキーたちは、真新しい青色のヘルメット(普通の騎手)をかぶっ
ている。記者は、そういった様子を見ながら、1年ごとに年を取っていく
わけだなぁ。

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