6月の日記(後半)

30日(金)

早いもので、きょうで今年の半分が終わる。あまり時間に追われているという
実感はないが、あっという間に時間が経過しているのは確かだ。時間をムダに
使っていないか、改めて自省したい。
振り返ってみるに、昨年はエルコンドルパサーのフランス遠征などがあり、い
ろいろと波があった1年だったが、今年はじっくりと美浦、栗東に居座っての
上半期だった。これは、国内の競馬から目を離さずに済むメリットがあるもの
の、ともすればルーチンワークにだらけてしまうことにもつながる。そろそろ
北海道出張も出てくるので、その意味では環境の変化も出てくるが、今の環境
に甘えていないか、自問してみるにつけ、あまりいい解答は得られないように
思えてきた。深く反省して、下半期の自分につなげたいと思う。
でも、来週から夏休みなんだよな…。心身ともにリフレッシュして、いい仕事
をしなくては!

29日(木)

武豊Jと蛯名Jに続いて、きょうは菊沢徳Jの海外遠征も発表された。仲のい
いジョッキーだけに、頑張ってほしいと思う。武者修業という意味合いだけで
なく、ホースマンとしての経験を積むことが目的だと、以前から聞いていた。
アイルランドにはこの春に行って、すでに顔を売ってきたし、いろいろと得て
くるものがあるはず。あれこれ土産話を聞かせていただくことを今から楽しみ
に待っていたい。
しかし、こうした国外騎乗の傾向は、日本だけではないようで、香港のトップ
ジョッキーが南アフリカ出身の騎手ばかりだということは耳にしていたが、そ
の香港で実績を積んだバジル・マーカスJが欧州に拠点を移す話だとか、豪州
の若手ダミアン・オリヴァーJもアイルランドにいるようだし、やはり豪州の
名手シェーン・ダイJは、香港での騎乗を始める予定だ。負傷したデットーリ
Jの代役として、米国のベイリーJが指名されたことを見ても、ジョッキーの
世界は文字どおりワールドワイドな活躍が当たり前のことになってきている。
だからどうだと言えるものではないが、ただひとつ言えることは、ファンヘの
情報提供を果たさねばならないマスコミのひとりとして、広く海外に目を向け
ていかねばならない、ということだ。
英語、頑張って覚えたいな…。

28日(水)

まずはじめに。前日の日記に登場した若手調教助手さんと朝イチにバッタリ。
蚊の鳴くような声で「アカン…。ごっつイカレてもうた…」のご挨拶だった。
ご愁傷さまです。
きょうは雨らしい雨も意外に降らず(といっても傘がさせないので、かなりぬ
れるのだが)、取材そのものは比較的うまく流れた。ただ、相変わらず夏場は
不可思議なほどに原稿の量が多く、きょうも自分が最後まで仕事をするハメに
なり、先輩を待たせてしまう始末。何となく仕事をした気にはなるのだが、こ
れが実績かというと、なかなかそうでもない。密度の濃い仕事をしないとな。

さて、まるで話は変わるが、きょうはあまりうれしくない話を耳にした。具体
的に書くことは避けるけれど、非常識な競馬ファンの存在を聞いたのである。
とある良血馬について、自称ファンの人々が、ひとりの厩務員さんにファンで
あると名乗ってしきりと馬の状態や動向を尋ねるという。まだ3歳の若駒で、
いくら良血といっても、どうなるかは分からないのが正直なところだというの
に、そのテの問い合せが多いのだそうだ。確かに、ファンが求める情報を伝達
するのがマスコミの役割であり、その意味では自分の力不足も感じる。だが、
良血3歳馬の動向を全部が全部報じることなど不可能だし、だからといってP
OGなどでファンの方々が持った馬を、直接、厩舎関係者に問い合わせられた
ら、どれだけ迷惑がかかるか、考えられないものだろうか。ネタが枯渇してい
る競馬雑感のページにも書こうと思うが、感じたものが新しいうちに、まずは
書いてみた。少なくとも、このページを訪れている方には、そういう行為をす
る人はいないと信じている。

27日(火)

朝の取材を終えてひと休みし、午後の厩舎取材に行った時のこと。来週の七夕
賞の主役と目される某馬がいるM厩舎の大仲(厩務員、調教助手の休憩所)に
行った。大仲に近づくにつれて、どこか聞き慣れた、心地よい音が聞こえてく
る。「む…。この音は…」。紛れもない、洗牌の音だ。お分かりない方には、
全く伝わらないだろうが、厩務員さん、調教助手さんが計4人で緑色のテーブ
ルを囲み、中国語を発音していた、というわけである。平たく言えば麻雀に興
じていたわけだ(最初から平たく言えばいいんだが)。遊びながらも快く取材
に応じていただき、一通りの話を聞き終えた後、思わず「少し、観戦させても
らってもいいですかね?」と申し出て、若手調教助手の後ろについたが「オレ
はプレッシャーに弱いから、あっちの人の後ろに行ってえな」と言われたため
対面のベテランの後ろに回った。「そないな弱気なこと言っとると、アカンで
え」。ベテランが口にしたその矢先、若手調教助手の捨て牌にベテランが「ロ
〜ン! トイトイ、ペイ、ドラさ〜ん!」。「…マズイところに来ちゃいまし
たかね…?」とつぶやくと、若手調教助手から「はよ、帰れ〜!」の泣き声。
オレのせいじゃないと思うんだが。ともかく、こんなのどかな光景もトレセン
取材のひとコマである。

26日(月)

前夜は天然温泉付きの大阪のホテルに宿泊して、のんびり過ごし、きょうの昼
の栗東入り。昼前の空いてる電車でだらだらと乗って来て、草津駅で下車…し
瞬間に網棚の上の荷物に気づいた。ギリギリのセーフ。自分のバカさ加減にも
いい加減、愛想が尽きてきた感は否めない。出張に行くにあたって、大きなバ
ッグを2つ持って行くことは、かなりの負担であると同時に、このような悲劇
(喜劇?)をも巻き起こす。かといって、大きなバッグ1つに収めるのも、あ
まり好きではない。2つのバッグのうちの1つが、日常(競馬場出勤含む)に
も使用するもので、もう1つが出張限定の使用。つまり、出張限定の方をポン
と家に放り投げれば、残る1つで何事もなく普通に仕事に行けるからである。
いちいち出張から帰るたびに荷物整理なんぞ、やってられんからなあ。という
わけで、実に詮無いグチでありました。
それにしても、こっちは暑い。まだまだ暑くなるんだろうけど、それでも暑い
わい。阪神の出張馬房で治療中のグラスワンダーも、さぞかしストレスがたま
ることだろうな…。

25日(日)

だいたい口で「いいレースだった」と言っても、負け惜しみがどこかにあった
りすることが多い。しかし、きょうだけは馬券のハズレなどどうでもいいとい
う心境だった。我々の仕事は馬場全体を見渡せる高いフロアの記者席でレース
を見守り、ゴールするやダッシュで検量室に向かう。その習性どおりに走って
下に降り、蛯名Jを探したが見当たらない。先輩に肩を叩かれてその指が指す
先を見ると、グラス陣営の面々が馬場からの帰り口に待っている。このことが
何を指すかは、すぐに理解できた。救急車に乗った蛯名Jが戻って来て、尾形
師に報告する。「下に脚はつけるけど…」。心配の表情を浮かべてグラスを待
つ田中助手、佐々木調教厩務員。馬運車は到着すると、そのまま厩舎に直行し
た。我々もその後を追う。馬運車から降りたグラスは、どこの誰が見ても分か
る跛行をしていた。競馬的な素人考えで見れば、もしや命にかかわる骨折では
ないかと感じたほど、痛々しい歩様である。左の前脚は、地面につくと同時に
痛そうに上に持ち上げるのだ。獣医師が訪れ、レントゲン撮影をし、診療所に
戻って診断を受ける。2度のレントゲン撮影の結果などは、26日の新聞に報
じられていることだろうから省くが、もろもろの事態が落ち着いた後、尾形師
が会見に応じた。心中、さぞかしつらかったことと思うが、我々の質問ひとつ
ひとつに、丁寧に答えていただいた。新聞に全文が載ることはないだろうし、
ここは自分が、近日中にその一部始終をHPに書きたいと思う。あれだけのア
クシデントのあとで、これだけの受け答えをしてくれたことに対して、少しで
も形として残しておきたいから。
いずれにしても、テイエムオペラオーが改めて現役最強をアピールした陰で、
旧3強の最後の1頭がターフを去った。多くのドラマを見せてくれたことを、
ひとりの競馬ファンとして感謝したい。種牡馬として、いい産駒を出してくれ
ることを祈ろう。

24日(土)

馬券で多額をやられた腹いせもなくはないのだが、大阪に向かう新幹線に乗る
ため訪れた東京駅の新幹線ホームでのこと。携帯電話で話しながら、駅弁を買
うべく弁当屋に入った。品物を物色していると、若い女性店員が駆けつけてき
て、吐き捨てるように「携帯電話は外で話して下さい!」とひとこと。特に静
かな店でもなかったが、とりあえず電話を切り、店内を見回したが、どこにも
禁止するような貼り紙などは貼っていない。どうやら自主規制のようである。
冗談じゃない。そりゃ、いくら禁止の貼り紙がなくても、病院や電車の中なら
しないよ。あの程度の売店内でまで携帯電話を禁止されたらかなわないって。
まして、新幹線使うビジネスマンですよ。こちらは、一応。相手と話している
内容までは関係ないだろうけど、少なくとも、これから旅に出る客しか来ない
店であることは間違いないんだから、物の言い方ってこともある。とにもかく
にも、出張への出発が非常に不愉快なものになった。電車内と同じ扱いで、ペ
ースメーカーなどへの配慮なのだろうか。そんなに混雑もしていなかったが、
とにかく禁止するならするで、貼り紙ひとつ目立つように貼れば済むことだ。
あー、ムカつく。これから大阪に行って、歌でも歌ってストレス解消じゃ。

23日(金)

日記ページも背景を軽くリニューアルしてみた。見にくいというご意見があれ
ば、また他を試すので、ご一報を。
さて、明日の東京競馬が終わったら、そのまま阪神、そして栗東への出張とな
る。そのために、選挙の不在者投票を済ませてきた。先日もトップページで触
れていたが、国民(成人)の権利であるとともに、ある意味では義務だとも思
う。いいと思えばいいと、悪いと思えばダメだと、その声を政治家に届けるの
は、選挙でしかない。「どーせムダなこと」と諦めてしまっては、何もやって
いないのと同じで、その他の一切について、他人に文句を言うことさえできな
いようなものだ。暴論だとも思うが(放棄するのも権利であるし)、やはり、
今の状況を考え、総理大臣に「寝ててもらいたい」といわれるようでは、ちょ
っと国民がナメられすぎていると思わずにいられない。雨だろうが暑かろうが
投票に行きましょう。

22日(木)

世の中には、恐ろしい人がいるものだ…。それしか言いようがない。編集会議
を早めに終えて、勇躍乗り込んだ大井競馬場。帝王賞の結果は、1着こそ人気
のファストフレンドだったが、2着に人気薄のドラールアラビアンが入り、3
着には輪をかけて人気薄のザフォリアが入った。自分などは、掲示板で予告し
たとおり、オースミジェットからのワイド流しで撃沈(ファストフレンドだけ
じゃなく、ドラールも持っていたんですけど。惜しくも何ともないな…)。そ
れはそれで仕方ないことなのだが、頼まれ馬券が大金に化けてしまったのだ。
買った馬券はファストフレンドとインテリパワーの2頭を軸に、ドラールアラ
ビアン、タイキヘラクレス、ウイングアローへ流す馬連複を計6点、そして、
ドラールアラビアンのワイド総流し、さらに馬連単でファストフレンドを2着
に据えての総流しである。つまり、ファストフレンドからドラールアラビアン
への馬連を本線で仕留め、さらにドラールアラビアンからのワイド総流しにい
たっては、超人気薄のザフォリアが3着に入ったことで、これまた万馬券なの
だ。もしもハナ差の1、2着が入れ替わっていれば、さらにタイヘンな馬券が
ヒットしていたことになる。いやはや、数日前から「ドラールアラビアン!」
と連呼されていたわけだが、それにしても、まさかここまでの破壊力を見せつ
けられるとは…。心底、驚いた。いま、自分が持っている現金を、早くお渡し
したい気持ちでいっぱいです。ふう…。

21日(水)

水曜日といえども、トレセンは全休日明け。追い切りはほとんど行われず、い
つもの火曜日のような感覚だった。今週はどこまでもライフサイクルの狂いを
感じつつ、過ごしていくことになりそうだ。そのうえ、相変わらず夏場シフト
の仕事量(多め)である。前日の締めに書いたように、目を覚まさねばならな
いと思いつつも、どこか集中力が欠けそうな感じが続く。イカンなあ。トレセ
ンは明日、早めに引き上げる。帝王賞が行われる大井競馬場にでも行けば、イ
ヤでも頭が冴えてくるはずだろう。しかし、ボケていた方がいいのかもしれな
いしな…。何とも冴えない日記で恐縮です。←気力の限界

20日(火)

前夜は誘われたパチンコで5連チャンしてしまい、誘ってくれた2名の厩務員
さんと飲みに行った。そのまま眠って、また今朝の仕事。といっても、基本的
に全休日なので、トレセン取材はない。朝とはいえ、普通のサラリーマンと同
じ時間からの仕事だった。慣れないライフサイクルに苦しむことおびただしい
日々である。次週はラジオたんぱ賞と函館スプリントS。関東馬にも有力馬が
多いだけに、明日は寝ぼけてなどいられない。目を覚まさねば!

19日(月)

寝不足〜出張という(自業自得の)暴挙のツケは大きい。何せ、朝、起きる時
から這って立ち上がるというありさまである。まあ、仕事の時だけは、やはり
神経が張り詰めているから体も動くものの、それがひと段落したら大変だ。と
にかく眠い、だるい、重苦しい。月曜日にトレセンにいるというライフサイク
ルの狂いもあるだろうが、なかなか慣れた生活からハズレると修正することは
難しいものだ。調教師、騎手はほとんどが競馬のため、トレセンでの取材は主
に厩務員さんや調教助手さんが相手。開催日ということもあって、閑散とした
スタンドだったが、これはこれでほのぼのとしていいものである。とにかく、
眠いので、きょうは早寝して明日以降に備えるとするか…。

18日(日)

昨日の競馬が中止になってしまったのに、と言われそうだが、きょうはもとも
との予定で休みだった。結果的に3連休のようになってしまったわけだが、そ
のこともあって前夜はほとんど寝ないという暴挙に出てしまい、ライフサイク
ルの乱れが心配されるばかりである。久々に行った横浜のウインズは、相変わ
らず混雑していたが、昔に比べると多少は軽減されたように思う。しかし、何
らサービスが改善された感じは受けられず、ただ単に利用者が減っただけでは
ないかと感じた。階段に座っている人々は通路を遮っても何とも思わず、禁煙
の部屋でも平気で煙草を吸う人はいるし、払戻窓口の少なさからくる混乱も、
まだ多少は見受けられる。こういうところから、少しずつ競馬への興味が薄れ
始めるのでは? と感じてしまった。
さて、競馬開催の日程変更に伴い、なんと日曜のきょう、美浦に入ることにな
った。明日、月曜は開催日。開催日のトレセンに行くことなど、3年半ぶりく
らいのことである。朝は2時間早い。寝不足の身には少々つらいが、何かと目
新しいものもあると思うので、期待していきたいものだ。

17日(土)

競馬が中止になってしまったため、しばらく待機した後、不在者投票に行って
きた。宝塚記念当日が投票日だから、これはどうしようもない(前日から大阪
入りするため)。昼過ぎに区役所に行ってきたのだが、不在者投票の部屋に行
くと意外にも行列ができていて、今回の投票率は上がるのかな、と感じた。さ
すがに、いろいろと政治問題がクローズアップされる機会が増えているだけに
これはいいことだと思う。今のままでいいなら与党に、イヤだと思ったら野党
に入れる。いい加減に考えていると、結局は自分たちの生活に跳ね返ってくる
だけなのだから、選挙でどうすべきか、政治をきちんと考えてみるべきだと思
うばかりだ。
などといいつつ、きょうはヒマだった。そんなに仕事仕事と言っているわけで
はなく、ヒマというものに慣れていないため、何をしていいのか分からないの
である。ムダ金をずいぶん使ってしまった。トホホ…。

16日(金)

毎週金曜日は、基本的に休みである。しかしながら、新聞のコラムや他の予想
などをやる上で便利なので、会社に立ち寄るのがほとんどだ。そんなわけで、
今年も元旦以外、ほとんどすべての日で会社の誰かと顔を合わせ続けている。
確認はしていないが、恐らく元旦以外すべてだろう。で、きょうも会社。さす
がにあまり長い時間いるわけではないが、3時間もいれば、あれこれ調べもの
をしたり、仕事の手伝いをしたりできる。ワーカホリック(仕事中毒)などと
言うほど熱心なわけではないのだが、カネを使わずに過ごせる場所がここにな
っているようで…。何とも情けない感じだなぁ…。

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