7月の日記(後半)

31日(月)

命の洗濯、とでも言うのだろうか。きょうは楽しい1日を過ごすことがで
きた。朝こそ、厩舎の全休日取材(ほとんど収穫はなかったが)に行った
が、その後から、本日限りで函館を去る同業者2人とともに、ゴルフのシ
ョートコースでゴルフ初体験。ショートコースで、しかもハーフだけだっ
たが、カンカン照りの日差しの下、健康的な時間を過ごした。さらに、そ
のコースの目の前にある(同経営者の)温泉に入る。汗を洗い流して、し
ばし浮世を忘れるという感じの時間を過ごした。午後に入って再び競馬場
に移動して記者席での仕事をしたが、何となく充実している気分。心と身
体のリフレッシュ、完了したかな。あとはあの温泉、アタマにも効くとい
いんだけど…。

30日(日)

予想コーナーの、狙いを絞った予想と裏腹に、カッと来ると止まらない性
格が災いし、この土日で前半分の出張費用を使い果たしてしまった。夜は
市営の安い温泉でちょっとだけいい気分になって、あとはファミレスとい
う、実に悲しい生活である。幸か不幸か、今週から日刊紙系列の記者も減
るだけに、おとなしく過ごすしかないだろう。もっとも、そんな生活をし
ているようでは、この日記のネタにも困ることになるんだろうが。それに
しても、予想コーナーで書いたカフェブランとマイネルジャパンの単勝、
どちらも「つかない」という理由だけで買っていない。あまりこういうこ
とを続けていると、信じている方に対しての裏切り行為にもなるので、い
い加減改めねば…。とりあえず、明日は厩舎の全休日。自分は記者室での
仕事(血統もの、新種牡馬ものなど)をこなす。平穏な1週間の始まり…
になると思うのだが、さて?

29日(土)

朝の羽田空港が混んでること混んでること…。夏休みそのものという感じ
で、飛行機に乗るのもひと苦労だった。混んでいるのも無理はなく、多く
の調教師は同乗しているわ、競馬新聞持った若者はたくさん乗っているわ
で、なるほど、まだまだ競馬熱も高いと感じた次第。で、熱が冷めないの
は自分もいっしょで、こちらはカーッとなると下がらない熱である。出張
費を全部持ったまま(ホテルへのチェックインは夜なので)、競馬場に直
行したため、資金があり過ぎたのだ。結局のところ、メーンの前にあまり
にも資金を使っていることに気づき、見送ったところズバリ的中が48倍
なのだからたまらない。向こう2週間の北海道滞在は、極めて緊縮財政を
強いられることになりそうだ…。

28日(金)

世の中、奇遇なことがあるものだ。きょうは休み。知人に会うため、昼過
ぎに浜松町に行き、ものの5分の用件を済ませると、空腹を覚えて駅ビル
の中華料理店に入って、ランチメニューを注文した。中国茶などを飲みな
がら競馬エイトに目を通して、ふと振り返ると、明らかに見覚えのある、
長身痩躯の男性がいる。もしや…と思って、再度振り返ったが、やはり間
違いはない。「こんにちは…」という恐る恐るのあいさつに「あぁ、どう
もぉ。どうぞ、一緒に食べましょうよ」と同席を呼びかけてくれたのは、
あのマイネル軍団の総帥・岡田繁幸さんであった。「奇遇だよねえ」とい
う言葉は、こちらこそ、という感じ。こちらが会員であることを覚えてい
て、現4歳馬が未勝利であることを知ると、しきりに謝ってくださる。続
けて現3歳、2歳の出資馬に対する期待の言葉をかけてくれ、こちらへの
気遣い(もっとも、気遣いというよりも、ホントに期待している口ぶりだ
と受け取っているが)までしてくれて、勘定までもっていただいた。何と
もありがたい限りだが、食事中の会話は、主に先日のセレクトセールで落
札した「フランクアーギュメントの2000」の話題。「当歳であれだけ
の可能性を感じさせてくれる馬はいないんですよ」「昨日も見てきたし、
動きもビデオに撮って見ているんですが、素晴らしい馬ですよ」「当歳馬
だから、今後変わっていくわけですが、多少悪く変わっても、それほどの
影響を受けないと思わされるんです」「過去のセリでの高馬とは、背景が
違います。あの馬をそれらと併記されることは、心外なんですよ」などな
ど。熱い時間を過ごさせていただいた。もっとも、目先の函館3歳Sにつ
いては「ボクは行かないんですよ…」とのこと。明後日もお目にかかれる
と思っていたが、残念である。念のために言っておきますが、ボクの函館
3歳Sの本命馬はマイネルの馬ですけど、社長に会って情報を入手したと
か、そういうことはありませんよ!

27日(木)

好きな仕事をやれていることは、一度しかない自分の人生において何より
の幸せだと思う。しかし、好きな仕事であっても、つらいことはある。よ
くあることは、マスコミ嫌いな関係者の取材にあたることだ。特に機嫌が
悪い時に当たろうものなら、いわれのない罵詈雑言を浴びせられたりする
ことなどもある。中には、明らかなウソを平気でつく調教師などもいたり
して、時には誤報につながることさえあるのだから、楽しいことばかりで
はない。しかし、それと同じくらい、あるいは、それ以上につらいことも
ある。きょうは、そんなことがあった。決して、ネガティブな意味のもの
ではない。我々の仕事は、取材した内容を原稿にすることである。それが
うまくできない時だ。きょうは、人物ものの取材で、ベテラン坂井千明J
にアポを取った。来年春には50歳になる大ベテランが、調教終了時刻の
ギリギリまで騎乗している姿勢だけでも素晴らしいことなのだが、自分の
仕事が終わるのが遅いことをわざわざ伝えてくれて、それを待っての取材
では、何と1時間近くも話し込んでくれた。さらにその内容は、まさしく
職人気質という言葉が当てはまる騎乗スタンスの数々。自分にとっても、
改めて騎手という職業を見直させられる、貴重な機会だった。しかし、で
ある。これだけの貴重な談話も、限られたスペースに収めなければならな
い。できる限りのことをしたつもりではあるから、それなりのことは伝え
られるだろうが、それでも限界がある。残念なことこの上ない。取材がう
まくいって、それを原稿に書き切れないつらさ。お分かりいただけるだろ
うか…。質の悪い消化不良という感じである。んー、悔しいなぁ。

26日(水)

雨にたたられた1日だった。何度も言っていることだが、朝の取材は雨に
降られるとフットワーク、メモともに困る。ただでも頭数が少なくて、少
しでも多くの馬の出否を確かめねばならないというのに…。で、成果らし
い成果もゼロ。悲しくなるよ。
ところで、記者室では仕事も終わりが近づいてくると、あちこちからパソ
コンから聞き慣れた音楽が流れてくる。言わずもがなのファンファーレや
ら、牧場のほのぼのした音楽やら。そう、競馬記者の間でもダビスタが流
行なのである…。早く強い馬を作らなきゃ。

25日(火)

関屋記念の1週前取材である。しかし、不思議なくらい出走馬が少ない。
恐らく、オープン馬は片手で数えられる程度で、馬連の発売さえ危ぶまれ
る頭数となりそうだ。もっとも、実際にそうなるかというと、なかなかそ
んなに少ない頭数にはならない。特別、重賞の登録は、前週の日曜日夕方
5時が締め切りである。で、大半の厩舎は午後2時過ぎまでに投票を済ま
せるわけだが、その途中経過が競馬場で発表されるわけだ。調教師席の近
くなどで、目立つように「○○○特別は、○時現在○頭の登録しかありま
せん」といった感じで、さらなる出馬投票を呼びかけるのだ。まして重賞
ともなれば、8着に入るだけでも大きな金額になる。馬連が発売されるく
らいの頭数が揃うのは当然なのだ。だが、実際のところ、そんな感じで急
に投票した馬が好走する例はほとんどない。やはり1週前の段階から確実
に出走の意志を見せている馬の方が、態勢が整っているものである。とな
ると、来週の勝ち馬は5頭くらいの中から出るのかな。もっとも、それら
が人気になるのは確かなんだけど。

24日(月)

昨日、調子に乗って遊んでしまっただけに、もしもカゼがぶり返してきた
らシャレにならんな、と思っていたが、何とか大丈夫そうである。まだ、
少しノドが痛むが、我慢できる範囲内だ(余談だが、今年の夏カゼはノド
に来るらしい。ただ、カゼというより、扁桃腺炎かもしれない。我が社に
もノドから出血した被害者がいたことが判明している。ご注意を)。今週
も美浦勤務。週末から函館〜札幌の夢の…もとい、出張が待っている。く
れぐれも体に気をつけて、万全の態勢で行かねば!←気合十分

23日(日)

予想コーナーでは、何と無欲の予想で万馬券が当たってしまい、またプラ
ス計上。例年なら不振の夏場に、予想外の好調が続いている。しかし、実
際の生活は、そうそううまくはいかない。きょうは大人しくしていようか
と考えていた矢先に、旧友から電話があって横浜に来ているとの報告。昼
ご飯をともにして、さて帰ろうかと思ったところで、携帯が鳴った。悪友
記者の一人である、TスポのY河である。あろうことか、自分が8Rの万
馬券を取っていい気分だったところに、「あ、ボクはそのレース1000
円取りましたよ」という不愉快極まりない電話。ヤツも横浜の住人で、た
またま休みだったことから、ウインズ横浜にいたのであった。PATにし
か金がない旨を伝えると「すぐ返してもらえるのが間違いないわけですか
ら、貸しますよ」などという悪魔のささやきをよこしたため、不覚にもそ
のままウインズへフラフラ。結果は全く無用だった負債を抱えるハメにな
ってしまっただけであった。あんにゃろー。ヘンな電話するんじゃねえ!
もっとも、彼に言わせれば「万馬券取ったんだから、帰ればいいじゃない
か」とボクに言って欲しかったらしい。つまり、ヤツも勝ち分を吐き出し
たということだ。うむ。いい気味だ。

22日(土)

全体的な気分などは、前日よりもだいぶいいのだが、とにかくぶり返すと
厄介なのが夏カゼだけに、じっと我慢の1日。無理せず、家でPATを楽
しんでいたら、福島の最終でビックリの好配当を手にしてしまった。まあ
治療費といえばそういうことになるのだが、無理せずに大人しくしていた
ことへのご褒美として受け取ろう。明日は、起きてから考える。ほとんど
大丈夫と思えばウインズへ。少しでも違和感があれば、二匹目のドジョウ
を狙うPAT作戦である。どちらにしても、用事はないということだ。

21日(金)

引き続き療養中である。前日の朝には、体調も回復気配にあると感じられ
たため、取材も無難にこなしていたのだが、夕方に会社に戻ったあたりか
ら体調がおかしくなり、結果は即座に退社。翌日夕方となった今にいたる
まで、休みっぱなしである。おそらく、明日あたり、また少し良くなるか
もしれないが、運良く今週末は休み。絶対に無理せず、家で休むことにし
た。ぶり返したら、来週も仕事にならんからなぁ…。

19日(水)

今までにも体調を崩したことはあるが、今回は明らかにおのれの自己管理
能力欠如による(ものと思われる)夏カゼだけに、反省するよりほかにな
い。体調そのものは、前日と何ら変わりなく、フラフラしながらの仕事。
何とも情けない限りだが、周りの方々の協力で睡眠も多く取り、回復に向
かうことと思う。きょうもゆっくり休みます。

17日(月)

1週間前にさかのぼるが、七夕賞をロングカイウンが制した。鞍上は菊沢
隆徳Jである。周知のことだが、菊沢Jは先週の月曜からアイルランドに
出かけた。海外遠征、というものになるわけだが、菊沢Jの場合、いわゆ
る海外での騎乗だけを目的としたものではない。武豊、蛯名の両騎手とは
やや趣が異なる。ただ、そうした真意が多くの人には伝わっておらず「な
んだ、ユタカやエビナの真似か?」といったような感じのことを言われた
こともあったようだ。アイルランドといえば、生産はもとより、育成の技
術のすばらしさでも知られる。騎手としてだけの人生ではなく、ホースマ
ンとしての人生を考えた上で、騎手としての収穫もある若いうちに、この
選択をしたということなのだ。その出発前の七夕賞。前走に続いて、勝利
に導くことができたことを、とても喜んでいた。「こんなにうまくいって
いいのかなぁ」。お祝いのメッセージを入れた留守電を聞いて、わざわざ
かけ直してくれた律義な菊沢J。特に、前日の土曜日の開催が台風で危ぶ
まれていたため、出発すらおぼつかない状況だったことも踏まえて、自分
の功を誇らずに「こんなにうまくいって…」という控えめな言葉が出てく
る人である。そんな菊沢さんから、メールが届いた。エイダン・オプライ
エン厩舎での仕事は、思った以上にハードだが、毎日いろいろな良血馬に
騎乗し、5、6頭が固まって芝の坂を上る実戦さながらの追い切りなどを
こなしながら、生活を楽しんでいるという。帰国後に、どんなお話を聞か
せてもらえるか、今から楽しみに待っていたい。

16日(日)

出張の疲れを取るべく、昼近くまでぐっすり…のつもりだったが、朝から
下らないセールスの電話にたたき起こされ、不愉快極まりない寝覚め。日
曜日の朝にセールスの電話って、アリなのか? と怒りを抑え切れない。
結局、そのまま目覚めてしまい、地元の友人に連絡。ウインズに出かけ、
ちょいと儲けが出た(予想と違ってすみません)ので、ご飯を食べて、そ
のまま家電屋へ。よく調べなかった自分が悪いのだが、パソコンのゲーム
を買ったものの、何とCD−ROMドライブがついていないとできないゲ
ームだった。ノートだけの自分にとって、単なるひまつぶしのつもりで買
ったゲームだったのに、えらいムダ遣いをした感じである。とりとめもな
い1日、ということでした。明日から美浦。頑張って仕事しましょう。

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