8月の日記(後半)

31日(木)

気づくと8月もきょうでおしまい。アッという間に9月である。この9月は
シドニー五輪があるわけだが、きょうは我が雑誌の人物モノコラムの取材で
シドニーに電話をかけて取材をした。JRAに所属する馬術競技の布施勝選
手への取材だ。詳しくは次週号をお読みいただきたい(とさりげなく宣伝)
が、非常に好意的に取材を受けていただき、ありがたい限りだった。馬術と
いうだけでなく、日本における馬文化の普及という点にまで考えている方で
うまく記事にできたとは言えないと思うが、ひとりでも多くの人に馬への親
しみを持ってもらいたい、という気持ちが伝わってきた。「馬は遠い存在で

はないということを、知ってほしいですね」。なかなか機会はないけれど、
自分もどこかで乗馬などをすることができれば…と思った次第だ。

30日(水)

ベイスターズの好調(29日まで6連勝〜♪)に触発されるように、悪かっ
た体調も回復傾向にある。現金なものだ、といいたいところだが、月曜日に
かかりつけの漢方医の先生に診てもらったことが大きい。浪人生時代の恩人
の講師の先生に紹介していただいた漢方医の先生は、実に人柄が穏やかで、
物腰の低い方だが、初めて問診されたときのことは今でも忘れられない。自
分の顔を見るなり「あなた、顔のバランスが悪いですね」と言われたのだ。
な、何というご挨拶…と思ったが、言わんとすることは、そういうことでは
ない。「正中線」という顔の骨格がズレていたのだそうで、つまるところ、
虫歯の多さを指摘されたのである。その時は、胃腸の不振で相談に行ったわ
けだが、まずは健康な歯を、とのアドバイスだった。ちなみに、今回も腸を
中心にした不調で、体調を崩す機会が増えたことから数年ぶりに相談に行っ
たのだが、結論は「運動不足」だった…。毎日5分、運動をするよう言い渡
され、風呂に入る前にせっせと腕立て伏せをしている毎日である…。

29日(火)

まだまだ残暑厳しい美浦トレセン。少しずつ有力馬の帰厩も目立ち始め、秋
競馬が近づいていることを感じさせる。とはいえ、今週取材している京成杯
オータムHも夏場の延長、というようなメンバーになりそうだ。しかし、こ
れと正反対なのが阪神の開幕週に行われるセントウルS。マイネルラヴにブ
ラックホークの2頭のG1馬に、ビハインドザマスクが挑戦する。他にも楽
しみな馬がズラリと並んでおり、好メンバーと言えるだろう。この暑い時期
にピッチを上げなくてはならない点は、決して楽ではないだろうが、スプリ
ンターズSの時期が変わってしまった以上、この時期の始動はやむを得ない
ところだ。有力馬はオツリ残しの仕上げも見込めるだけに、どんな競馬にな
るか、注目したいと思う。つーか、日記にこんな展望モノを書いているよう
では、HPのやる気を疑われてしまうなあ。そうそうネタってないんです。
ご理解くださいませ…。

28日(月)

ネタが特にないので、まったくどうでもいい話を。昨晩の話になるが、競馬
場の帰りに、地元の駅から家路についていたところ、夜道で向こう側から若
い女性らしき人影が歩いてきたのである。はじめは何とも思わなかったのだ
が、近づいてくると、彼女の顔がまるでお化け屋敷にいる幽霊のように、青
白く光っていたのだ。うつむき加減に歩く彼女…。背筋も凍るシーンだった
と言いたいところだが、気づいてみれば何のことはない。夜道で携帯の画面
を見ていた(メールを打ってたみたい)だけのことである。というわけで、
憎たらしい相手がいたら、夜道で携帯使って脅かしてみましょう。意外に効
果がありそうですよ。つーか、ゆうべはマジで怖かった。黒髪、長髪の若い
女性が、青白く照らし出されて歩いて来てご覧なさい。ホントに怖いって。
ただし、J−フォンなどであまりカラフルに光ってしまうと面白いだけにな
っちまいそうですから、やめましょうね。

27日(日)

前夜に、著しく体調が悪くなったため、心配していた出勤だったが、午前中
に小銭で買った馬券がうまく儲かったせいか、意外に健康体で過ごせた1日
だった。我ながら現金な体質である。さて、そんな夏バテ気味な自分と違っ
てすばらしいレースを見せたのがダイワテキサス。自分はあまりこれまで好
きな馬ではなかったのだが(馬券の相性が悪いと嫌いになるだけ)、関屋記
念のレースが尋常ではなかったこと、陣営が「暑さにはとにかく強い」と驚
き半分に口にしていたことを思って、珍しく単勝を5000円も購入した。
結果的に、これが大きくモノを言ってプラスになったわけだが、前半にあれ
だけモタつきながら、直線で並ぶ間もなく差し切ったあの脚は、8歳馬とは
思えない。それにもまして唸らされたのは、道中で焦ることなく後方待機を
決め込んだ北村宏Jの度胸である。正直言って、ペースが速いのは分かって
いたものの、あの位置取りでは「ダメかな…」と思ったのは確かだ。馬の決
め手があるのは分かっていても、なかなか2年目であのレースができること
はないと思う。我が雑誌の先週号と明日発行の号に対談で登場してもらって
いるが、話す内容もなかなかしっかりしたもの。今後も頑張ってもらいたい
と思うばかりだ。

26日(土)

休みで来る競馬場というのは久しぶりである。しかし、連日の疲れがなかな
か抜けず、どこかボケ〜っとしているような1日だった。本命馬は競走中止
してしまうし、ワイド馬券は3−4着だし、自分も夏バテの気配が出ている
し。いかんなあ。こういうのは。次週の出張は栗東の予定が美浦に変更にな
ったが、慣れた環境で少しはピリッとしなくちゃ。う〜、それにしても暑い
なあ。だらけまくりの1日でありました。

25日(金)

やっと訪れた給料日であるが、函館での遊びのツケ(カード支払い)のこと
を思うと、とてもではないが馬券代を増やせる状況にない。自業自得とはい
え、世の中そう甘いことはないのである。とはいえ、まだ札幌出張を残す現
状において、カツカツの生活を続けていくのも寂しいものだ。どうするか。
答えはひとつ。この土日で増やすのみである。今週は予想コーナーは普通に
予想しているが、個人的には予想コーナーのレースの中からさらに厳選して
転がし馬券を買ってみようかと思っている。さて、次週末の札幌での遊び代
が簡単に手に入るのでありましょうか? 乞うご期待。←誰も期待しねえ

24日(木)

木曜日は、朝取材を終え、会社に戻るのが毎週のパターン。今週は栗東での
取材で、帰りの新幹線で寝られることを当て込み、取材が終わったら昼寝を
せずに一気に原稿を書き上げ、新幹線に乗った。ところが、乗った車両には
派手そうなヤンママが2人の子供(ガキ、と言いたいところですが、品がな
いのでやめました。←言ってるって)を連れて乗っていたのである。イヤな
予感はズバリ的中。予想は当たらなくても、こんな予感はズバズバ的中する
あたり、いかにもオレらしいところだ。案の定、元気なお子様たち(うるせ
えガキども、とは言いません)が、大きな声を上げて、泣くわ騒ぐわのやり
たい放題。しかもヤンママは注意もロクにせず、まったくの野放しである。
快適な睡眠を当て込んで乗った新幹線は、神経がささくれ立つだけの苦痛を
伴う3時間となってしまった。もっとも、この時間(20:00)になって
は、ささくれ立った神経も麻痺する眠さに襲われている。眠いよ〜。

23日(水)

取材は実につつがなく進行した。時間の都合で、この目で確認しそこなった
追い切りについても、取材対象の調教師が懇切丁寧に説明してくれて、何の
問題もなく原稿ができ上がる。取材相手には、話好きな人とそうでない人、
マスコミの仕事を理解してくれる人とそうでない人がいるわけで、今週のよ
うに何の苦労もなく(というとラクし過ぎている印象だが、事実、普段の週
と比較すると、苦労の度合はずいぶんと低いものなのだ)取材ができると、
「毎週こうならいいのになぁ」と感じずにはいられない。
そんな取材の合間を縫って、こっそりと某厩舎を訪問。クラブ法人で出資し
ている3歳馬を見てきた。マル父で、距離が延びて良さそうなタイプ。まだ
入厩間もないが、厩舎での期待は高いそうだ。愛馬は馬房でごろ寝していた
が、秋の京都でのデビューを目指して頑張ってほしいものである。

22日(火)

久しぶりに来た栗東である。というより、この時期の栗東に来たのは初めて
かもしれない。何せ人がいないのだ。ジョッキーはほとんどが小倉滞在。調
教師も北海道や小倉にいる方が多いらしく、スタンドも閑散としたものだ。
自然と取材もはかどり、ポンポンと進む。また、3歳馬の取材というのは、
関係者にしても楽しみの方が大きいため、前向きなセリフが多くてやりやす
い。別にラクしているつもりはないのだが、毎週こんな感じならばいいのに
なぁ、と思ってしまう。もっとも、そんな中から勝ち馬を探さねばならない
わけだから、見る目が問われるのも確かなのだが。

21日(月)

ひと晩寝れば忘れる器用な性質で、何ごともなかったかのように栗東に向か
う新幹線の社内。近くの席にかわいい女の子がいることにウキウキする情け
ない自分が、時にいとしく思えるきょうこの頃である。←壊れたか?
携帯をi−modeに切り替えてどのくらい経過しただろうか。一時ほど、
サイトめぐりをするようなことはなくなり、通信料も7月ほどではないのだ
が、メールの来る回数がやたら増えている。それはそれでいいのだが、当然
返信メールを打つ機会が増えるわけでもある。ここ数日、右手親指のささく
れが切れかかってきた…。言うまでもなく、メールの打ち過ぎである。電車
の中ですごいスピードでボタンを押している女子高生を白い目で見ていたの
は、ほんの2〜3ヶ月前のことなのだが、今や自分も周りに呆れられるスピ
ードでメールを打つようになった。うむぅ…。まあ、これもニホンの文化と
いうことにしておこう。

20日(日)〜愚か者の愚かなる1日〜

夏の大イベント札幌記念は、あまりにも大きな敗北を喫した。日ごろから世
話になる機会も多い二ノ宮厩舎のダイワカーリアンが逃げ切り勝ち。しかし
自分の本命はもう1頭のダイワオーシュウである。馬場と展開。函館記念の
時には恵まれなかったものが、今回はピタリと合った。それを読めなかった
自分の負けである。ダイワオーシュウもよく走ったと思う。ちょっと思い込
みが激し過ぎたようで、自分の悪い癖が出たと反省。まあ、そういう時に的
中すれば、このうえない喜びなわけで、それを求めたのも事実だから、それ
はそれで納得もしている。
とはいえ。悪かったのはその後だ。完膚なきまでに打ちひしがれて、財布の
中身は
「作家が2人しかいません」状態(競馬記者の間ではよく使われる隠
語で、お金持ちの場合は「学者がたくさんいます!」と言う)。見かねた後
輩のくず記者が「父がクルマで来ているから、桑園(競馬場最寄り駅)まで
送りますよ」と申し出てくれた。くず記者の父上にご挨拶し、ありがたく駅
まで送っていただいて、その車を見送って駅で切符を買おうとした、その時
である。
「カバンがねえ…」。普段から持ち歩くバッグの他に、出張用の衣
類などを持ち運ぶバッグを持っていなかったのだ。記者席に忘れてきたので
ある。ただでも少ない作家の夏目先生を手放して、記者席にタクシーで戻る
と、忘れ物に気づいていた記者仲間から「お、バカが帰ってきた」という、
かくも温かい出迎えの言葉が待っていた。大きな手荷物を2つ持ち、改めて
駅に向かう道すがら、自問してみる。「何でボクはこんな人間になってしま
ったんでしょうか?」。自分の胸に手を当てて考えてみたが、答えは出てこ
ない。何やら悲しい思いにさいなまれつつ、新千歳空港に到着。北海道最後
の夕ご飯を食べることにした。自分の心の中では、やはり、北海道といえば
ウニ・イクラ。お得意のウニイクラ丼を頼もうと思ったのだが、空港の銀行
カウンターで学者さんを1人呼び出した(引き出した)ものの、ゼイタクは
敵である。仕方なくラーメンにしようかとも思ったが、空港価格の高めのラ
ーメンを食べるなら、多少のゼイタクをしても大した変わりはない。悩んだ
結果の折衷案(そんな大したもんじゃねえんだが)として、安いウニイクラ
丼を選択した。ウニが生ではなく、蒸しウニだったのである。しかし、この
選択もまた悲しいことになってしまった。生ウニの半分のおいしさもない、
しがないウニだったのだ。安物買いの銭失いとは、まさにこのことだろう。
これで終わればよかったのだが、きょうの帰りの飛行機は、運良く「特割り
のスーパーシート」が取れたのである。特割りのスーパーシートは、昼間の
普通便3万円よりはるかに安い2万2千円。どう考えても安いお買い物であ
り、飛びつくように予約したものだ。ところが、おいしくもないウニイクラ
丼を食べていたため、生まれて初めてのスーパーシートで出てきた機内食に
は、まったく手もつけられなかった。くだらないことではあるが、自分のツ
キが遺憾無く下がっていることを痛感した次第である。
いったいいつまで、自分はこのようなことを繰り返して生きていくのか…。
明日になれば、また新しい1週間の始まりである。3歩歩くと忘れてしまう
ニワトリと同レベルの知能をもって、今度は栗東に行ってきます…。

19日(土)

きのうのきょう、という感じでビックリしたのだが、木幡Jの人身事故につ
いては、ショックを受けた。我々も馴染みのある、競馬場のすぐ近くの路地
が現場のようだ。亡くなられた方のご冥福を祈るとともに、一刻も早い木幡
Jの復帰を信じたいと思う。

18日(金)

無事に札幌に到着した。あまりお金を使い過ぎないように、気をつけたいと
思うばかりである。さて、話は全く異なるが、一昨年の札幌3歳Sで10万
馬券を取らせてくれた、幻のダービー馬(と自分は呼んでいる)マイネルプ
ラチナムが美浦トレセンに帰って来ていた。矢野進師によると、7日に帰厩
したそうで、順調に乗られているとのこと。16日には6Fからの時計をマ
ークするまでになっており、寡黙な木幡Jも「よくなってるよ」とニコニコ
していた。一度、東京の芝を走る姿を見てみたいと思っている馬。復帰戦は
オールカマーか朝日CCになるそうだが、天皇賞で走ってくれないかな、と
密かに願っている。調整過程を見守っていきたい。

17日(木)

明日からの札幌出張に気がはやる1日だが、朝イチから1週前追い切りもあ
って、仕事にいそしんだ…と言いたいところだが、不覚にも記者室のソファ
で豪快に居眠りしてしまい(時間にすると30分少々なのだが、高いびきを
かいていたようだ)、失笑を買う始末。情けない限りである。競馬記者にと
って、睡眠をいかにとるかは、ひとつの選択だ。きちんと早寝する人、昼寝
の時間を多めに割く人、寝ないでも何とかしてしまうタフな人、さまざまで
ある。午後の仕事が終わって、夕飯を食べてすぐ寝れば、だいたいの季節で
問題はない。しかし、自分のように、夕飯を食べた後まで遊んだり、小バク
チしたりすると、当然、睡眠が犠牲となる。午前の取材も、長引けば昼寝の
時間がなくなるわけで、厳しいところ。夏場は朝5時から調教が開始される
ので、さすがに昼寝しないともたない…のだが、きょうはまことに不覚。以
後、気をつけたいと思うばかりだ。眠いので、文章が支離滅裂かもしれない
が、なにとぞご容赦を。おやすみなさい。

16日(水)

トレセンで、久しぶりに田村真来騎手を見かけた。以前よりもだいぶスリム
になった印象で、所属する奥平厩舎の馬も「1頭以外は全然分からないんで
す」とブランクに悩みを隠せない様子だったが、近いうちに調教、実戦へと
帰ってくるはずだ。牧原Jの復帰に続いて、競馬界にとっては明るい話題と
言えるだろう。もう減量の特典もないだけに、楽ではないだろうが、彼女た
ちの活躍は低迷する競馬界の売り上げにも貢献する。客寄せパンダとかそう
いう認識では断じてない。男社会で生きている彼女たちの頑張りを応援しよ
うとするファンがいることは、ごく自然なことだ。ストーカーじみたファン
は別にして、多くのファンを競馬場に呼べる彼女たちの頑張りには、自分も
大きな声援を送りたいと思う。

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