3月の日記(後半)

31日(水)

けさは桜花賞の1週前追い切りの取材だったのだが、予定変更が2件も
あり、ちょっとしたパニック。とはいえ、グラス出走、ドーベル回避の
2件が襲い掛かった先週に比べればはるかにマシだが。きょうは、静岡
で儲けた分で購入したお土産を、旧知の厩務員さんのところに持ってい
った。しょせんはアブク銭で買ったものなのだが、やたらと感謝されて
ちょっとテレる。以前、取材した折りに仲良くなったわけだから、当然
その時は、一流馬を担当していた人なのだ。しかし、現在は500万下
の2頭。「こんな時に来てくれると、ホンマうれしいよ」と言う。確か
に、担当厩舎制のある専門紙ではなく、オープン馬を追いかける仕事を
していれば、「馬が走っている時は来るけど、走らなくなると来なくな
る」というのが我々の宿命。たまたま、すごく仲良くなれたからお土産
も持っていったのだが、こちらもできることなら体をいくつも持って、
他の人たちともたくさん話をする時間がほしいと思う。厩務員さんとマ
スコミの関係とは、なかなか難しいものだ。なにげない気持ちで持って
いったお土産から、ちょっと考えてしまう1日でした。

30日(火)

いよいよ春到来。桜花賞の取材である。関西は出走予定馬も多く、取材
も大変といえば大変だが、登録が出ているので、出走馬に漏れがないか
という心配をせずに済むだけでも違う。そういう意味ではGIの方が楽
だという面もあるのだ。で、次から次へと談話を取り、翌日の追い切り
予定を聞き、あっという間に夜。夕ご飯は、大阪の我がG誌カメラマン
O田君と、その知人であるO厩舎のT調教厩務員とちゃんこ鍋屋に行っ
た。T調教厩務員は、昨日の静岡で行動を共にしていたS調教厩務員と
同じ牧場で修業していたそうだ(時期がズレているため、直接の接点は
ないそうだが)。しかし、このT調教厩務員にはビックリ。競馬記者に
なることも考えたというだけあって、すごい知識を持っている。自分も
カルトQに出たくらいの競馬オタクだが、このオタクと互角にマイナー
な競馬の会話ができるのだから驚きだ。サンテステフの代表産駒はサン
テアンドオーだ、とかそういうレベルの会話である。Oカメラマンは、
全く追走できない様子で、あいづちを打つのに精一杯という感じ。ちょ
っと悪いことをしてしまったと思うが、それだけ自分と同じ会話ができ
る人間が珍しかったので、さんざんしゃべってしまった。また栗東に来
る機会があったら、ぜひ一緒に語り尽くしたいと思った次第。しかし、
彼も言っていたが、このレベルの会話をしていると、なぜか変態呼ばわ
りされる。心外なことだ。競馬オタクも日が当たるようにしてくれ。

28日(日)

セイウンスカイの強さに敬意を表しつつ、西のテイエムオペラオーの将
来性にもびっくり。大学時代のサークル(もちろん競馬サークル)で、
OB総会などを兼ねて行われるPOGでこの馬を持っていることもあり
注目していたのだが、4角で手応えが悪化していたにもかかわらず、最
後までグイグイ伸びていた。いかにもオペラハウスの産駒らしい。確か
に昨年のミツルリュウホウのように、ダービーで5着くらいに終わりそ
うな感じもあるが、古馬になって大成する馬だと思う。学生時代に見学
させてもらっていた牧場の生産馬(マコトライデンも生産)で、応援し
ていきたいと思う。同様の理由で、次週のハートマンはさらに応援だ。
さて、これから静岡に向かう。オペラオーのおかげで、最低限の資金は
確保。あとは無事に栗東にたどり着けるかどうかだな。

27日(土)

何せ、きょうは競馬に尽きる。我がダービー馬候補マイネルプラチナム
が素晴らしい脚で若葉Sを快勝。一気に先への夢が膨らんだ。この馬の
ことにイレ込むのは、社内のPOG(ペーパーオーナーゲーム)で所有
していることが確かに大きな理由だが、そのせいもあってデビュー直後
から矢野進師にくっつき、かつ馬券でもいい思いをしてきたからだ。札
幌3歳Sでは、シルシは対抗だったが、小銭の流し馬券を購入。シルシ
以外の馬券を買うのはもう仕分けない気持ちもあったのだが、本命(ウ
メノファイバー)とほぼ互角の認識があっただけに、許されたいと思っ
ていたものだ。さらに、ラフィアンの岡田繁幸氏とは、自分が会員であ
ることもあって、何度か取材させてもらっている。父シルヴァーエンデ
ィングは初年度の種付けの最中に腰を強打して、満足な種付けができな
くなっているのだが、それを「廃用に」という周りの提案を押し切って
年間10頭前後しか仕事をできない種牡馬として繋養してきたのが岡田
さんだ。まして母の父はカブラヤオー。ラフィアンゆかりの血統と言っ
ていい。きょうもレース後に「ダービーと信じてやってきた。良馬場な
ら3馬身はちぎっていた」と強気に言っている。矢野進師も「ホントに
いいバネで走るよ。馬場がどうかと思っていたが、いい脚だったな」と
改めて惚れ直した様子だった。こちらとしてもイレ込みたくなるところ
だが、冷静に考えるとメンバーが低調だった(スティアーズマンを本命
にしておきながらこういうのも何だが)こと、前が止まった(レースの
上がりを見るとよく分かる)ことがあるだけに、過大に評価し過ぎるの
は避けたい。とはいっても。2着ドラゴンブライアンにも言えることだ
が、良馬場でこその馬がこの馬場で走ったことに意味がある。ダービー
まで、とにかく無事に行ってほしい。皐月賞も含め、良馬場で競馬をさ
せたいことも。きょうは、久々にいい声を出してしまった。

26日(金)

きょうはいいことあり、悪いことあり。先にあったのは悪いこと。郵便
局に荷物を取りに行った。前の住所に届いたものだったのだが、あした
が受け取り期限ということもあって、なにげなく郵便局へ。そうしたら
窓口の係員いわく「公的な身分証明書がないとお渡しできません」。こ
ちらが説明を聞いていなかったのか、説明されていなかったのか分から
ないが、持ってないものは仕方ない。そんなにヒマなわけでもないので
手持ちの名刺、クレジットカード、病院の診察券、定期券などを片っ端
から見せ、「公的」の表現に合うよう、たまたま持っていた電話代金の
請求書まで見せたのだが、ダメの一点張り。こっちも売り言葉に買い言
葉というやつで喧嘩腰になったのは反省したいが、向こうの言い分は、
「それらの品々は誰でも作れるものですから」だと。確かに保険証や免
許証は誰でも作れるものではないけれど、クレジットカードや定期券は
ともかく、
名刺や診察券や電話の請求書まで偽造するヤツいるか?特に
電話の請求書には、向こうがこだわる住所と電話番号も入っているんだ
ぜ?結局、意固地になっている窓口係員に業を煮やし、いったん表に出
て代表に電話。しかし、郵便係のヤツも「マニュアルにある対応をして
いる結果ですから…」とほざきおった。ここまでくれば仕方ない。伝家
の宝刀を抜いてしまった。
「私、名刺も見せたんですが、新聞社に勤務
しています。では、そちらの対応は正式なものということで対処させて
いただいてよろしいですね?」
。腰抜けのマニュアル野郎というのは、
情けない限りだ。狼狽して「少々お待ち下さい」と電話を上に回した。
結局、課長さんとやらが出てきて、同伴していた窓口の係員と3者会談
に。もちろん、努めて冷静に話す。課長が物分かりのいい人だったのか
物事を大きくしたくなかったのか分からないが、電話代の請求書が決め
手となって、品物は無事に受け取れた。かなり自分も性格が悪いと後で
自己嫌悪に陥ったが、マニュアル通りの対応をさせるのは何のためか考
えろってえんだ。客のためだろうに。自分が責任を取らさせるのが怖い
から、あれだけの材料を並べられてもマニュアル通りの対応をするんだ
よな。まったく。新聞社と名乗ったのは反則なのかもしれないと思うが
仮に勤務していなくても「新聞に投書しますよ」でも有効だったかもし
れない。で、そのようにかなり性格の悪い自分を落ち着かせるため、夜
ご飯は地元のそば屋に一人でイン。前々からうまいと評判だったが、天
せいろ1200円は絶品だった。俗に「そば屋の天ぷらはうまい」とい
うが、この店もその典型。天ぷら屋の天ぷらももちろんうまいが、そば
と合う天ぷらがうまいということだろう。家に帰ってすっかり郵便局の
怒りは忘れつつ、日記が長くなってしまいました。どうもすみません。

 

25日(木)

今週は、この馬に振り回されました。


グラスワンダーです。もちろん、きょうの段階では次週の出否は決定し
ていませんが、やはり千両役者の出陣は我々マスコミの仕事を左右する
ものになります。ちなみに撮影は昨日24日。きょうは雨が降って大変
でした。傘をさせないだけに、特にメガネ着用の人間にはつらいっす。

とまあ、グチはこのへんにして。次週は栗東出張が決定。いよいよ桜花
賞の取材である。桜、皐月と関西馬が中心となるメンバー構成。皐月は
美浦での取材となるが、これを交互に行けるということは、どちらの取
材もできるということで、ありがたいものである。桜花賞は何としても
当てたい。次週のクリスタルCと同じで、純粋にどの馬が勝つのか興味
をそそられるレースだ。そして、こういうレースでこそ馬券を当てたい
と思う。そのためには、何といっても取材が大事。頑張ってこよう!

24日(水)

今朝は仕事で大変だった。回避が濃厚かとみられていたグラスワンダー
が産經大阪杯に登録を表明。かと思えばその大阪杯の有力馬メジロドー
ベルは脚をぶつけて出否未定になるなど、てんてこ舞いだった。さらに
阪急杯にマイネルラヴも出走予定と判明。何が何だか分からなくなるよ
うな1日だった。それでも何とか原稿を片付け、夜は祝勝会に呼んでい
ただくことができた。三浦J主催のマイディアマンテ祝勝会である。そ
の場で三浦Jから障害について熱く語ってもらえたが、全くの同感だっ
たり、新たな知識を得られたり。長い時間ではなかったが、実に有意義
な時間だったと思う。今度はオープン(重賞?)の勝ち祝いに呼んでい
ただけるとうれしいなあ!

23日(火)

朝はもちろん早起きの予定だったのだが、それより早く目が覚めた。腹
痛を発症である。参った。朝イチの取材は1時間半遅れ。さほどの影響
はなかったのだが、半年に1度くらい、この腹痛が襲ってくる。昨年は
ゴールデンウィークに横浜駅で救急車を呼ぶハメになった。急性腸炎な
のだが、貧血で視界が真っ暗になるだけにタチが悪い。きょうはトイレ
に行くのに視界がなく、消化器を蹴飛ばしていた。一過性のものなので
少し寝ていたら治ったのだが、ロクなもんじゃない。取材については、
その後は無難に進行。次週の産經大阪杯にグラスワンダーが出走するか
どうかが明日のポイントとなる。追い切りは朝イチ。明日はさすがに腹
痛は起きないだろうな…。カンベンしてくれよ。

22日(月)

何か久しぶりに朝をゆっくりと過ごせた。おかげで何とか筋肉痛は鎮静
された感。でも、これでまた何もしなくなったら元の木阿弥なんだよな
あ…。それにしても、きょうはこの仕事の盲点を痛いほど突かれた。美
浦行きの特急に乗るため、上野で自由席の切符を購入。普通ならば、ご
く普通に並べば乗れるのだが、きょうは祝日だった。自分にとってはた
だの月曜日なのだが、上野のホームは人込みでごった返している。それ
だけなら我慢もきくのだが、強風で電車が遅れ、寒風吹きすさぶホーム
に延々50分もいるハメになってしまった。寒いどころの話ではない。
まったくもって、今週も先が思いやられるスタートである。

21日(日)

掲示板にも書き込んだが、予想は当たっているのに金が増えない。予想
が当たらないのは仕方ないが、馬券の買い方が違うのである。これを前
進と捕らえるか、悪循環と捕らえるか…。もっとも、最終レースが当た
っていれば何もなかったのだ。どうも最終レースの的中率がすごく悪い
ように思う。何がそうさせているのか分からないが、近々最終レースに
ついての考察でもしてみよう。話は変わるが、きょう初めて
宇多田ヒカ
ルのCDを借りてみた
。まさに今さらながらだが、改めて聴いてみて、
ちょっとスゴイと思う。
日本人じゃないみたいだ。歌詞は別に普通の女
の子の心境を歌っているのだろうが、普通に女の子が歌ったらゼッタイ
に合わないリズムだと思う。これをこなせるからすごいんだろうな。と
りあえず、多少歌のうまいOL、学生でも、カラオケじゃ歌えないよ。

20日(土)

やはりというか、予報通りというか、雨が降ってしまい、テニスはでき
ずじまい。少しだけやったが、ずぶ濡れになってカゼをひきそうだ。し
かも中山にいる記者に馬券を頼んだら、これもハズレ。久々に仲間や先
輩と会えて楽しかったからよしとするか。明日は朝イチで中山に行く。

19日(金)

お休みだったが、朝イチで会社へ。実は、昨秋の豪州出張の精算をまだ
済ませていなかったために、年度末を迎えた経理から怒りの呼び出しを
食らったのである。昼近くまでかかって終了。それから横浜に向かった
のだが、雨が降っていたため、ラーメン博物館で京都ラーメン(新福菜
館。鳥ガラスープがあっさりして美味)を食べたが、その後はあまり動
かずじまい。夜まで飲んで食べて。ところで、明日もお休みである。大
学時代の軟式テニス同好会の春合宿にOBとして参加するため。こんな
もんで仕事をほっぱらかすな、と言われるのもやむをえないが、普段か
ら土日を働きづめの週休1日でやっているので、同窓会などに出られる
機会がない。今年は同期や近くの学年がたくさん来るということなので
参加を決めた。雨が止んでいるといいと思う反面、大学時代とはあまり
にもかけ離れた肉体でテニスができるかどうかの不安はかなり大きい。
不安と期待が入り交じる1日である。もちろん、レースはラジオで聞い
て、馬券はPATで購入するぞ!

18日(木)

きょう美浦に居残ったのは、1週前追い切りで残っていたマーベラスタ
イマーとマイネルプラチナムの取材のため。つまり、この2頭以外は、
極論すると仕事はない。まあ、基本的に水曜が〆切なので、木曜に大量
の仕事があるはずもなく、だから1人だけ居残りなのだが、こういう時
こそ、
有意義な雑談ができるというものだ。特にきょうは、こちらが学
生、先方が調教助手という頃からの知り合いである小桧山調教師と話す
機会に恵まれた。普段から火曜水曜と交流競走に出走させたりで、なか
なか話す機会がないだけに、貴重な時間だった。厩舎の主戦、武士沢J
も一緒。お互いがお互いに「先生の(武士沢の)おかげでやっている」
と持ち上げていたが、強い信頼関係が感じられた。これから成長してい
く厩舎とジョッキーだと思う。「よく地方に行くコンビ」ということで
知られているが、中央でも注目してほしい。マイネルプラチナムの追い
切りはさすがと言えるものだった。あとは無事にレースまで行ければ…
といいたいが、イレ込み癖のある馬だけに、何とか当日輸送を無事にク
リアしてほしいものである。

17日(水)

更新時刻がAM2:30。理由は聞かないで下さい。不毛な戦いに明け
暮れる日々だということです。きょうは、急きょ、毎日杯にバイオマス
ターが出走することを耳にして、午後からの〆切間際の取材。調教師は
海外のセールに出向いて不在のため、調教助手さんと厩務員さんに話を
聞いたが、とてもいい方たちばかりだ。調教師もすごく人柄がいい方だ
が、こういう厩舎なのに前走のような不幸が訪れる。神様は意地悪だな
あ。明日は我がダービー候補(他にも候補はいるが、最も勝ってほしい
のがこの馬)マイネルプラチナムの追い切りがある。要注目!

16日(火)

早朝から雨に降られながら取材をし、終わると同時に晴れ間がのぞく。
よほど日ごろの行いが悪いヤツがいるのだろう。オレ様のほかに。そう
でなければ説明がつかないのだ。と自分に言い聞かせるのがかわいい。
昨日発売された本誌の勝ち祝いコーナー(担当ごっどすぴいどさん)が
美浦トレセンで評判になっている。あまりにすごい写真なので。右上の
目線が入っているのは、ご自分で黒いハチマキ(みたいな布)を持参し
てきた方。この写真のキャプション(絵解き)に欠けている、厩舎の主
すなわちH調教師である。「先生、どうぞ真ん中に」という、こちらの
勧めを「いえ、考えがありますから…」と丁重に固辞。何をするのかと
見ていたら、このザマ(失礼!)だった。まだ見ていない方は、ぜひと
もご覧いただきたい。ハチャメチャに撮影でありました。

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