4月の日記(前半)

15日(木)

特に仕事がないのに、美浦に残っていた。午前の仕事の終わりごろ
厩舎回りをしていたら「今から大井に行くけど、馬券買ってこよう
か?」という問いが。ついにワイド馬券デビューか、と頭を悩ませ
たのだが、馬券が絞れない。あれこれ悩むうちに、時間の都合で出
発されてしまった。これでよかったのだろうと自分に言い聞かせて
いたのだが、会社に戻ってきたら、カメラマンが撮影に行くと言う
ではないか。結局、1万円ヤラレ。学習能力と忍耐力に著しく欠け
る人間だと、つくづく感じる。これが馬ならすぐ引退かなぁ?

14日(水)

エルコンドルパサーが仏国に向けて出発した。先週の木曜、満開の
桜の元で輸出検疫厩舎に入ったわけだが、たった6日の間に桜はほ
とんど散っている。強風に桜吹雪が舞う中、予報にない雷も轟く出
発。先々の大変な道のりを思わせるようだが、4歳でジャパンCを
勝ったエルコンドルパサーのことだ。それらもすべて乗り越えて行
くことだと信じている。イギリスでもフランスでも、きっとあの走
りを見せてくれることだろう。その出発の関係もあって、来週用の
二ノ宮調教師インタビューを、まだ暗闇の朝4時に敢行。快くOK
していただいて、早起きの甲斐があった。なにせアポなしだったの
で…。とにかく、皐月賞前ながら、ちょっと寂しくなる1日だった
のは確かである。行ってらっしゃい!頑張って!

13日(火)

美浦トレセンは、暖かいはいいものの、すごい風。桜の花びらと、
乾燥しかかっている寝ワラが飛びまくっていた。春一番という季節
ではないが、それ以上の強風、いやさ暴風だ。NZT4歳Sの出走
予定馬は、大半が賞金800万円の「ボーダーライン」にある馬。
しかし、同週にマーガレットSというオープン特別が京都であるの
で、どうやらどちらかには出走できる見込みだ。それを伝えると、
ホッとした顔をする厩務員さんが多数。クリスタルCで、800万
組が除外されていただけに、無理もない。4歳外国産馬が除外され
た場合、あまりに番組がないという苦情はあちこちで聞く。ボク自
身は基本的にあまり開放に賛成していないのだが、現実に馬を使う
側からすれば、除外されても受け皿がないというのではむごい話。
なんとかならないものだろうか。

12日(月)

川崎は失敗。決して惨敗ではなかったのが救いだが、資金ゲットは
ならなかった。緊縮財政で臨む1週間となりそうだ。ちなみに、そ
の川崎で、恒例の
「素人脚自慢」をやっていた。自転車に跨って、
そのスピードを計測するというものである。以前からやりたいと思
っていたのだが、なかなかそのチャンスはなかった。以前は混んで
いる時にばかり行っていたのだが、きょうは幸い空いていて、明ら
かに神の御告げと決意。記録上位者をみると、36歳のオヤジによ
る79km/hが最高だ(ホントにこんな速さとは思えないが)。しか
も2着は49歳オヤジの76km/h。「これなら断トツのトップだろ
うな」。しかし、自分の衰えが著しかったのか、あるいは機械の故
障なのか。はじき出された数値はわずか66km/h…。激しい疲れと
絶望感にさいなまれながら、川崎を後にしたのであった…。今度は
トレーニングを積んでから行くとするか。

11日(日)

的中は的中だ。しかし、ご丁寧に「抑えの中でも無印に近い最下位
の評価」などと注釈をつけた内容では、いくら本命を当ててもスッ
キリとはいない。煮え切らないという言葉が当て嵌まる。仮にも、
抑える、という表現を使うなら、儲けが出るように買うべきなのだ
ろう。シルシ以外の馬にも、万が一、ということで100円を流し
たが、そちらの方が儲かったというのでは世話がない。それにして
も、トゥザヴィクトリー、何とかならなかったかよ…。「1ヵ月分
のお給料コース」だったのに〜!てなわけで、トップページにも書
いたように、明日は川崎へ。皐月賞の資金、ゲットしに行きます!

10日(土)

やはり、何かリズムの狂いがある。馬券の当たりはずれは当然つい
て回るのだが、その内容が悪い。箸にも棒にもかからない、という
ハズレが多いのだ。これはいけない。たまに当たる時は、投入資金
がえらく少ないレース。特に前半だ。これでは儲かるはずがない。
ジャパンC当日のように、ひたすら我慢を重ね、メーンを待てれば
いいのだが、明日もまた面白いレースがチラホラ。う〜む。雨に降
られて散る桜のようにならぬよう、明日こそ花を咲かせたいなぁ…

9日(金)

GIシリーズに勢いをつけるべく、川崎競輪の開設記念・桜花賞に
出撃…も、もろくも撃沈されてしまった。ハッキリ言って、ハズレ
たレースの内容はあまり記憶に残らない。斎藤登志信は強かった。
それでも勝てはしないものだ。それが競輪。しかし、10Rのあれ
は競輪ではない。もちろん、強い選手を勝たせないためには、他の
選手が工夫をするものだが、予想どおりのラインが組めないのでは
車券なんぞ買っていられないって。分からない方には申し訳ない。
これも元はと言えばルール改正、もとい改変、さらに言えば改悪の
影響だ。伊集院静さんが何度となく言っていたが、結局、聞く耳は
持たれていないらしい。井上茂徳は、本当にルールのために引退が
早まったと思う。まあ、これ以上は言うまい。とにかく、きょうの
ヤラレはキッパリと忘れ、本腰を入れて競馬の桜花賞を当てたいも
のだ。そのためにも、明日の競馬は大事。この土日で、ガッチリと
資金をプールできない限り、皐月賞さえ怪しくなってくるのだ。P
ATの入金も済ませてきた。あとは雨。あまり難しくしないでほし
いと思う。

8日(木)

美浦でのイベントは2つ。マイネルプラチナムの追い切りは、最高
の1週前追い切りだった。詳細は次週の我が雑誌を読んでいただき
たいが、矢野進調教師もまさにご満悦の表情。あとはレースを無事
に迎えてほしいものだ。もう1つは、エルコンドルパサーの検疫厩
舎入り。無事に進めば、欧州に長く腰を据えるだけに、今後、この
日本の二ノ宮厩舎に戻ってくるのかどうか分からないかもしれない
のだ。満開の桜の中を、佐々木助手とともに歩んでいくエルコンド
ルパサー。あわてて撮った写真が下のものだが、もう少ししみじみ
と見ていればよかったと、ちょっと後悔してしまった。出発は14
日。結果が出ればなおいいが、まずは無事にレースを迎えてほしい
と思う。スタッフの皆さんも、体に気をつけて下さい!

7日(水)

きょうは皐月賞の1週前追い切り。ほとんどの馬が無事に追い切ら
れ、来週に迫った大一番を待っている。印象的だったのはマイネル
タンゴ。来春にデビュー予定の騎手候補生・田嶋くんが乗っての追
い切りだった。いざGIへ、という馬に候補生を乗せるというのは
よほど弟子をきちんと育てようという意志がない限りできないと思
う。大江原調教師を師匠に持つ彼は、きっと大きく育つのではない
だろうか。ちなみに、唯一、明日に追い切られるのはマイネルプラ
チナム。この馬やトウカイダンディーなど、やはり良馬場希望の馬
が多い。ぜひとも、いい馬場で行われてほしいものだ。

6日(火)

皐月賞取材。といっても、大きく扱う美浦の馬はヤマニンアクロと
マイネルプラチナムのみ。決して忙しいとは言えない。こういう時
にこそ、じっくりと時間をかけた取材ができるわけで、きょうは念
入りにマイネルプラチナムを追跡。矢野進調教師は不在のため、木
幡J、小松厩務員とじっくり話した。ひとことで言えば、とにかく
順調とのこと。詳しくは次週の我が雑誌を読んでいただきたい(た
まには宣伝!)が、この馬もぜひ良馬場で走らせたい馬である。寡
黙で知られる(マスコミの間でもそう言われている)木幡Jだが、
少なくともこの馬に関しては、前走時と同じく、いろいろ話してく
れた。ぜひとも頑張ってほしいと思う。

5日(月)

美浦へ。今週こそストなどの影響がなく、無事に開催されることを
祈りつつ、常磐線に乗る。土浦駅で下車して改札に向かうと、見た
顔が。「今からですか?」といつもながらの穏やかな笑みをたたえ
た相沢調教師だった。「今週は、頑張って下さい」と返す。デビュ
ーから見守り続け、ブービー人気だった函館3歳Sからずっと本命
にしてきた馬だ。頑張ってほしいのは本音である。阪神の馬場がど
うなのか、その1点が気になって印をつけていないが、本当にデキ
はいいらしい。あまり印をつけ過ぎるのはよくないだけに、何とも
言えないが、やはり抑えた方がいいのかと悩まされる自信の笑顔に
見えた。

4日(日)

きょうは朝からワケあってカレーライス。気合を入れて馬券にも臨
んだが、見事なまでに大敗した。トップページにも言い訳めかして
書いたが、やはり2日間開催でないと、何か締まらない。言い訳と
いえば言い訳なのだが。来週こそは、普通にやってくれるんだろう
な〜?とはいえ、問題の根は深いらしい。誰も、やりたくてストラ
イキをやるわけはないのだから、歩み寄れるところまで歩み寄って
ほしい。心の底からそう思う。今週は美浦へ。皐月賞の取材だ。目
当てはもちろん、マイネルプラチナム。ナリタトップロードにアド
マイヤベガといった強豪にどこまで立ち向かえるか。じっくりと、
取材をしてこよう。あ、中山グランドジャンプも今週だ。これまた
楽しみだね。ゴッドスピード、ビクトリーアップにファイブポイン
ターあたりの争いだろうか。日曜は中山でじっくり堪能しよう。

本日唯一の収穫。馬名どおりのゴーカイな腕で頑張った
アンヌ・ソフィ・マドレーヌJです。ボクより1歳年下!

3日(土)

やれやれ。ようやく競馬が開催される。言いたいことは昨日言った
ので、まずは競馬を楽しむことにしよう。それにしても、きょうは
休みにもかかわらず、昨日(休み)に続いて会社に来てしまった。
つまり、不安でならないのである。仕事中毒(ワーカホリック)な
どと言われると困るが、競馬が好きだから仕方ない。「どうやら、
開催できそうだ」という一報を耳にして、一安心。しかし、我が雑
誌はそうはいかない。成績が1日分少ないわけだから、当然、薄い
雑誌になってしまう。皆さん、我々が悪いわけじゃないんです。ご
理解のほどを、どうぞよろしくお願いいたします。

2日(金)

ついに、最も恐れていた事態が起きた。ストライキによる開催中止
である。昭和55年以来、実に19年ぶりとのことだ。ミスターシ
ービーよりもさらに前の話。これでは、ピンと来ないのも無理はな
い。正直言って、ここまでもめるからには、自分のような若僧の知
らない深い事情があるのだろうが、基本的には金を出す、出さない
が争点となっている。となると、この不景気の世の中だから「金を
出せ」という方が引くのが道理だろうという見方もある。賃金アッ
プゼロなんてのはザラで、仕事ができない人もいるわけだから、ゼ
イタクを言うな、という論理だ。しかし、そんな時に足元を見る使
用者とていないわけではない。外野が論ずるべきことではないのか
もしれないが、さて。
我々ファンは外野なのだろうか、ということ
になる。バスや電車がストを行えば、客は迷惑する。しかし、あま
り替わりのものがないだけに「今度から歩いて行く!」なんて抗議
行動をする人たちはいない。もちろん、この自分も「罰として馬券
を買わない」などということもしないのだが、これはバクチバカの
自分だからであって、普通の社会人で、土日を休みにしている人の
趣味を奪い取った影響は小さくないはずだ。
土日、他にやることが
ある人など、ゴマンといる。何も競馬でなくてもいいわけだ
。バス
や電車とは訳が違う。確かに、金を払うのも、もらうのも、実際に
馬に携わる人たちで、直接の関わり合いはない。しかし、そうした
金の元がどこから出ているのかをよく考えれば、こんなバカにした
話もないだろう。常に競馬を支え、馬券を購入しているファンの存
在があればこそだ。そのファンを無視して(してはいないのだろう
が、結果として無視しているとしか言いようがない)自分たちのこ
とばかりを考えていては、翌年以降、さらに不毛な争いを続けるこ
とになるのが火を見るより明らかではないか。幸い、競馬法は改正
され、1日開催が中止されても、日、月曜日開催が可能だ。そして
何よりも、この週末を目標に調整されてきた馬たちの調子が狂わな
いようにするためにも、人間のエゴむき出しの闘争はやめるように
歩み寄ってほしいものである。本来は競馬雑感に書くべきネタだが
きょう1日はあまりの怒りに振り回されたので、ここに書いた。ご
了承いただきたい。

1日(木)

桜花賞の1週前追い切りは、早朝に人気を予想される馬が集中的に
行われた。ゴッドインチーフ、トゥザヴィクトリー、フサイチエア
デール…。いずれも順調というか、好調な気配だ。仕事はなかなか
大変だったが、GIの取材をしていると、やはり競馬の頂点を目指
す馬たちの戦いだと改めて実感する。3泊4日の取材を終え、会社
で翌週の打ち合わせを済ませて帰宅。しかし、その帰りの電車には
隣にヘッドホンステレオ・バカがいた。並のシャカシャカ音ではな
い。あまりのことなので、肩を叩いて音量を下げるようにしてもら
ったが、それでも大して下がらない。そいつが左隣にいたわけだが
右隣のおじさんも迷惑そうな顔をしているので、「どうせ聞こえな
いでしょう。こういう
バカは困ったもんですねえ」と言ったら、
ニヤリとおじさんは笑った。左隣では相変わらずバカが満足げに音
楽に没頭中。最近は絶滅したと思っていたけど、まだいるんだな。

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