3.賭け事バンザイ!
(98.12.28)

 

競馬はスポーツであると同時に、ギャンブルでもある。これは誰が何と言おうと
事実なので、世の中のうるさいオバハンたちが「競馬なんてとんでもないザンス」
(今時こんなこと言うヤツいるのかな)と言うのもまあ理解してやれないことはない。
もっともボクは、そんな人たちとは口をきくことさえしたくないが、善悪はともかく
ギャンブルという側面があればこそ、競馬が好きなのだ。

そしてボクは競馬の何が好きと言って、やはり予想している時が一番好きである。
タイトルからいけば、金が増えることを考えてるんだろう、と言われそうだが、
必ずしもそうではない。それよりも、当てる、という行為に対する意欲が満ちて
いて、それに向かう時間が自分の中で充実している時間なのだ。

だから、その意味では、賭けることを知らない人を不幸だとさえ思ってしまう。
結婚や進学、就職などを含め「人生はすべて賭けだ」という人もいるが、それが
正論かどうかは分からない。ただボクは純粋に賭け事が好きである。中毒症
に近いかもしれない。事実、浪人している時に受験が近づいてきたので
パチンコと馬券を止めたら、数日して激しい神経痛に襲われた。最初は何が
原因なのか分からなかったが、日を追う毎に悪化していったので、ストレス
解消という名目で禁を破ってパチンコをやったら翌日からパッタリと神経痛が
治まり、親がガックリとうなだれたことを思い出す。

競馬を中心として、賭け事を文化的に捕らえ、それを明快に文章にしている
植島啓司さん(関西大教授)という人は心から尊敬している。他にもこのテの
賭け事を論じた人はいるかもしれないが、論旨明解で何より文化的なので
読んでいてキモチいい。あたかも自分がギャンブル好きであることを正当化
してくれているのだから、たまらない。できることならば、自分もそういう文章を
書いてみたいが、やはり大学教授の領域には及ばないだろうなぁ。

誤解のないように言っておくが、競馬を単なる賭け事の対象と見ているわけ
ではない。世の中には「馬は走るサイコロ」と言い切る人たちもいるわけだが、
それでは悲しすぎる。命あるもの同士が、大事なものを賭けているのだ。
対人バクチも、何かを対象にしたバクチ(競馬も含む)も、暖かみがあるでしょ?
だからボクはある時期からパチンコはやめました。あれは命あるもの同士の
あたたかみがないもん。機械相手にきったはったのバクチはつまんないよ。
人馬が戦う競馬、生身の人が走る競輪、それと直接の対人バクチ。どれも
熱くなれるものなんです。

こうしてきょうも私の財布の中身は薄れていくのでありました。

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