ダービー特別予想

今年のダービーは、いつになく思い入れがない分、かえって冷静に予想が
できた。まあ、昨年も思い入れていたマイネルプラチナムが1週前に故障
して、冷静に予想したつもりだったが、結果ば。とにかく、年に1度の
競馬の祭典。何とかいいレースを見たいし、それを当てることができれば
これに勝る幸せはないと思う。

1.エアシャカールについて

1番人気はエアシャカールだろう。前々から「ダービー向き」と言いなが
ら、皐月賞を完勝しただけに、血統、鞍上、あらゆるファクターをとって
みても、人気になるのは当然だとうなずける。自分も、この馬を本命にし
て、守りの予想をすることも考えたのだが、何とも言えず本命にしたくな
い気持ちにさせられるのだ。カン、といえばそれまでだし、カンなどハズ
れるのが当たり前。だが、我田引水といわれようと、理屈も成り立つ。ま
ず第一に、能力の問題。確かに、まくりというインパクトの強い勝ち方で
皐月賞を制しているだけに、能力の高さが際立つ感はあるのだが、武豊J
もいくつかのメディアで「スペシャルウィーク級ほどの能力では…」とい
う言い回しをしている。もちろん、先のことはともかく、現時点での完成
度の話ではあるのだが、慎重な姿勢なのは確かだ。まくりという勝ち方は
インパクトこそ強いものの、小回りでこそ効く戦法でもある。この点も気
になる材料だ。次に、枠順と展開。昨年のアドマイヤベガと全く同じ1枠
2番で、同じ追い込み脚質ということから、不安視は無意味と思われるか
もしれないが、昨年とは決定的に違うことがある。人気だ。昨年は皐月賞
の完敗もあって、1番人気をナリタトップロードに譲っていた。このため
あの思い切った待機策を取ることが可能となり、さらに、ナリタトップロ
ードとテイエムオペラオーのしのぎ合いを冷静に観察することができたは
ずである。しかし、今年は違う。自分がマークされる立場にあるのだ。し
かも、昨年のように内枠から後方まで下げるだけ下げて、いい時に外に出
すことが可能かどうかとなると、必ずしも保証はできない。推測ではある
が、武豊Jもかなり頭を悩ませているのではないだろうか。昨年は常識破
りの「ダービーポジション破り」を敢行したが、果たして2番が効くのか
どうか。そう簡単にシナリオ通りの人気馬が勝てるかどうかとなると、配
当面の魅力を考慮しても、本命にしたくなくなろうというものではないだ
ろうか。

2.ダイタクリーヴァほかの人気馬

では、他の人気馬はどうだろうか。まずアグネスフライト。自分は1週前
予想でもこの馬を本命にしていた。長浜調教師が「京都新聞杯を使う前に
2着ならダービーでも用なし、と思ったし、勝つにしても、辛勝だったら
やっぱりダービーでは通用しないだろうと思っていた。その意味では、い
い内容の勝ち方ができたと思う」と言っていたことを思い出す。辛口&慎
重派の同師からすれば、かなりのセリフだ。河内Jも強気だと聞く。しか
し、どうしても脚質面の不安が消え去らない。昨年のアドマイヤベガの真
似をして、逆にエアシャカールをマークするという手もあるかもしれない
が、それをやるには、やや実績が物足らないようにも思える。対抗に落と
してしまったが、勝って不思議ないのは、この馬だとも思う。続いてダイ
タクリーヴァ。何と言っても皐月賞2着馬だが、やはりNHKマイルCに
登録したことが気になって仕方がない。本質的に距離への不安が拭い去れ
ないことは、橋口師も当初から口にしていた。今でこそ折り合いに不安が
ない馬ということになっているが、スプリングSの頃までは、かなり気に
していたのは事実だ。一気に400m延びる今回、安心してはいられない
と思う。それでも、展開面を考えると、有力馬の中で唯一、前に行ける脚
質は有利。よほど無印にしようかと思ったが、展開面の利を考慮して、抑
えには評価する。無印にしたのはカーネギーダイアン。確かに、3歳時の
レースぶりはすばらしく、前走で復活をアピールしたという見方はできる
のだが、青葉賞のレースは決して迫力あるものではなかった。むしろ、逃
げて自分のレースをしたタニノソルクバーノや、折り合いを欠きながら粘
り込んだマイネルブラウの方がインパクトがあったと思う。人気とのバラ
ンスを考えると、エアシャカールともども買いたくない馬で、こちらは無
印にした。松田博師は非常に強気だということなので、軽くは扱えないの
だが、シルシの数を考えても、これは納得の無印だ。

3.本命は

で、悩んだ末に本命に推したのは、ジョウテンブレーヴ。弥生賞の前から
蛯名Jは「皐月賞よりダービー向き」とキッパリ言い切っていた。確かに
皐月賞の後は「4着にしても、ちょっとショックな4着」と着差の大きさ
に落胆していたが、舞台は東京。着差を詰め、逆転する可能性を否定する
ことはないはずだ。相沢師は「まだ成長する可能性がある馬」と完成し切
っていないことを認める。そんな状態でダービーを勝つことは厳しいだろ
うが、今年は完成度の高い馬となるとダイタクリーヴァくらいのもの。ス
ケールの大きさという点では、ジョウテンも決してエアシャカールに見劣
りしないと思う。馬場が渋りそうなのも、有力馬の中では好材料となるタ
イプだけに、連軸候補という意味では、それなりに期待していいだろう。

4.相手&馬券

相手は、アグネスとエアが本線。そして、大穴で期待したいのがマイネル
ブラウだ。実は本命にすることまで考えていた。調教パートナーの柳田助
手が「やるたびにパワーアップしている。折り合いだけだよ。今にして思
うと、骨折の休養もいい方向に考えられる。気楽な立場だね」と前向きな
セリフを連発。安藤調教師も「ウチのは、使うだけ」とニヤニヤしながら
言うものの、ウソのつけない人らしく「たくましくなってきたし、上積み
は大きいですよ」と本音をもらした。連対となるとやや厳しいかもしれな
いが、複勝なら何とかなるように思う。夢馬券の馬連を買うほか、複勝も
少々買いたい。あとは、青葉賞2着のタニノソルクバーノ。脚質は定かで
はないが、岡部Jは逃げることも視野に入れている。パープルエビスとの
兼ね合いもあるが、別に逃げなくても競馬は可能で、本田厩務員も「徐々
にたくましくなってきたね」というデキがあるだけに、展開利を見込んで
抑えの1頭にリストアップ。また、NHKマイルC当時とは順調さが違う
マイネルブライアンも見限れない。宮師はもともとダービーを見込んでい
たからこそ、500万下〜伏竜Sの連闘を敢行したのだ。そのことは今も
忘れられない。抑え組は人気薄ばかりをピックアップしたが、ダービーだ
けに、多少の夢も見たいところ。ローリスクハイリターンを狙ってみた。

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