フェブラリーS特別予想

一時はやめるつもりもありましたが、今回は特に混戦というこ
ともあり、長めにやらせていただこうと思います。ま、このレ
ースは2年続けて当てているってことで、お時間のある方は、
どうぞお付き合いくださいませ。

1.混戦

前哨戦の銀嶺Sの1、2着馬が出走してこないことにも問題が
あるが、仮に彼らが出てきても、混戦は混戦だ。基本的にダー
ト路線というのは、大事に大事に使われている馬ではなく、使
えるレースは多少無理してでも使い続けている馬が強い(少な
くともこれまでのところは)。充実期には、勢いに任せて押し
切る競馬がまかりとおる。昨年のメイセイオペラや一昨年のシ
ンコウウインディなどは、その典型といえるだろう。ところが
今年はそのタイプがいない。いずれもポロリと取りこぼしてみ
たり、前走でつまずいていたり、と頼りないのだ。特にメイセ
イオペラの前走大敗が、何より混戦ムードに輪をかけている。
どこから買っても馬券はつくし、逆にどれを買ってもあまり高
配当は見込めないだろう。

2.芝からの転戦馬

毎年、芝からの転戦馬がやってくるのがこのレースだが、今年
も例に漏れず、キングヘイロー、シンボリインディが初ダート
でこのレースに臨む(KマーチとRチリペッパーは経験がある
ので別とする)。どちらもダートをこなす血統背景はあるが、
絶対能力がいかに高いといえども、やはりバリバリのG1勝ち
馬というわけではない。言うなれば、芝のG1でどうにも足り
そうにないから、ここなら何とかならんか、という気持ちが見
え隠れするのだ。それが毎年のことである。キングヘイロー以
上にコテコテのダート血統であるシンボリインディは抑えに必
要とみているが、基本的に気性の難しさを抱えたキングヘイロ
ーが2番枠に入ったことは、あまりいい材料とは思えない。個
人的にはバッサリ切って、妙味ある馬券にお金を回すのが得策
と考える。「来たらゴメンナサイ」だろう。

3.本命は

当初はゴールドティアラを本命に、と考えていた。松田国調教
師は平安Sを使う時から「フェブラリーSを勝つために、ここ
を使うんです」と述べていたほどで、今から最優秀ダート馬を
狙うという用意周到さだ。しかし、人気を考えると、相手選び
に入った時に手を広げられない。人気が割れるだけに、元は取
れるだろうが、大儲けは狙えないのだ。強いことは強いと認め
つつ、対抗にした。かわって本命に推すのはアローセプテンバ
ー。船橋の所属馬で、公営馬による2年連続Vとみた。戦績を
見れば大崩れのないことは分かるだろうが、この馬の強さを再
認識したのは前走。決して得意とはいえない右回りで、首を外
に向けたままぶっちぎってみせた内容がすばらしい。まさしく
能力だけで勝ったというレースだ。これまで統一重賞には3度
出走して2、3、5着。詰めの甘さも感じられるが、その3戦
の距離は順に1800、2000、2300m。マイル前後が本来の守備範
囲であるこの馬にとって、実にわかりやすい着順といえるだろ
う。ベストの距離ならばインテリパワー(川崎記念V)でさえ
問題にしない強さを誇るのがアローセプテンバーである。展開
的にも、オリオンザサンクス、キョウエイマーチあたりを先に
行かせて、3〜5番手あたりを追走できる。不安らしい不安と
いえば、手応えがよかった場合に、極端に早く動いて後続の餌
食になってしまうことだろうが、そこは左海騎手の冷静な手綱
さばきを期待しよう。

4.馬券は

インテリパワーとの比較上、ある程度人気になるのはやむを得
ないアローセプテンバーだが、それでも配当的な妙味は十分に
ある。手広く流して、抜けたりしないように注意したい。まず
はゴールドティアラ。そして妙味としてはレッドチリペッパー
だろう。前走はあらゆる意味で「お試しレース」のように思え
た。体に余裕を残し、内で砂をかぶせ、手応えを確かめるよう
なレースぶり。3番手の評価はこの馬だ。以下、それまでの進
撃ぶりを評価してファストフレンド、体調の良さだけなら文句
なしというキョウエイマーチ、前述シンボリインディ、今なら
マイルの方が合うかもしれないと渋谷助手が言うセレクトグリ
ーン、堅実に末脚を繰り出すウイングアローまで。メイセイオ
ペラのように、充実期を過ぎたと思われる馬は、ダート路線で
復活することがかなり難しい。思い切って無印。かぶせられる
ことを嫌うオースミジェットも枠順からみて無印とする。特に
狙ったわけではないが、アローセプテンバーから牝馬全馬が本
線。シンボリ、セレクトも抑えにはほしい。牡馬ではウイング
アローとの「アロー・アロー」馬券を少し厚めに買う。

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