桜花賞特別予想!

1.本命サイコーキララの理由

先に結論を言うと、本命は堅いがサイコーキララである。戦績から言えば
もっと人気になってもいいくらいだと思うのだが、なかなかG1ともなる
と馬券の売れ方もあるようで、自分が思っていた以上には人気になってい
ない。自分としてはおいしいと思っている。
そんなサイコーキララを本命にしない人たちには、2種類の人がいるよう
に思う。他にいる未知の魅力の馬を推す人と、サイコーキララの死角を感
じる人だ。まあ、この2種類をともに感じている人もいるだろう。前者が
レディミューズやフューチャサンデーを本命にすることに抵抗はないが、
後者の死角探しには抵抗がある。もっとも、自分も栗東で直に取材をして
いなければ、本命は打たなかったはずだから、偉そうなことは言えない。
死角らしい死角はただひとつ。距離だろう。これまでキララがマイル戦を
走ったのはエルフィンSのみ。そのエルフィンSが、これまで4戦の中で
最も僅差の勝利だったことから、距離の不安をささやく声が出ることは、
ある意味当然とも言える。
そんなわけで、先週、自分は桜花賞の取材でサイコーキララを担当するこ
とになり(幸運にも)、石山Jにその点を聞いた。石山Jは静かにうなず
いて、しかしハッキリと言った。「でも、馬がゴールを知っている感じが
するんですよ」。こうした場合、よく取り繕うような感じで言う関係者も
いるのだが、彼の場合、心の底からそう言っているように見えた。これは
見ている自分たちより、乗っている彼でなければ分からない感覚なのだと
思う。このひと言で本命は決まった。あら捜しをする必要はない。

2.相手選び

となれば、あとは相手を探すだけである。しかし、人気の馬を軸にしてい
る以上、むやみに手を広げるわけにはいかない。まず、サイコーキララと
戦った馬たちを考える。トライアルの2、3着馬。2着シルクは、初芝で
内めを追走しながら、直線もしぶとく伸びた。他馬がキララとの間に入る
可能性はもちろんあるが、といって、トライアルで先着を果たした馬たち
に逆転されることもないだろう。これは抑える必要がある。したがって、
エアトゥーレは無印。状態はだいぶ前走よりアップしていると陣営は言う
が、初芝、キャリア2戦のシルクや、まして2馬身半の差をつけられてい
るキララを逆転することは、いかに武豊Jの手腕をもってしても難しいと
みた。戦った中で人気があるのはチアズグレイスだが、それこそキララと
の間には、いかんともし難い差がある(マイルまでならの話だが)。シル
クと同じ理屈で言えば抑える必要があるわけだが、人気とのバランスを考
ると、妙味は薄い。よってこれも無印とした。
あとは、未対決の馬たちに絞ればいい。前哨戦のうち、チューリップ賞は
馬場がひどく、あまり参考にならないが、やはりあの中で光ったのはレデ
ィミューズだろう。初芝、輸送などをクリアして、あの馬場を伸びてきた
力は、並のものではない。勝ったジョーディシラオキは恵まれた印象をぬ
ぐい去れないものの、この馬はまだ未知の魅力という点でなら買う気を起
こされる1頭だ。フューチャサンデーもしかり。初芝のクイーンCであの
内容は立派のひとことだった。特に、パドックで見たガリガリの細い馬体
を思い出すと、なおのことである。中間は馬体回復に専念したとのことで
まだ輸送という難関が残っているだけに、抑えまでの評価だが、怖い1頭
であることに変わりはない。シルク、レディ、フューチャ、いずれも人気
の一角だが、買わねばならない馬たちといえるだろう。

3.穴馬

しかし、それだけでは面白くない。どこかでキララからでも儲けたいとい
うスケベ心が頭をもたげてくる。候補は2頭。オリーブクラウンとカシノ
エトワールだ。オリーブクラウンは、キララと未対決という魅力がある。
松田国師は常々「叩き3戦目というのが、目標レースへの持って行き方」
と口にしているように、きっちり着順を上げてここにきた。北九州3歳S
の大敗が評価を下げているものの、もし出遅れで敗れたあのレースがなけ
れば、もっと人気になっているだろう。盲点を突くという意味もあり、こ
の馬を対抗に推した。あとはかなり無理筋という見方もあろうが、カシノ
エトワール。チューリップ賞は着順こそ悪いものの、3〜4コーナーにか
けてスッと上がっていく脚は見どころがあった。当時、騎乗した本田Jが
「2、3回使えばよくなりそうだね」と言っていたことを思い出す。だか
らこそ、連闘してまで4歳牝特を使ったのだろうが、このレースでも不利
があっての1秒1差。どこまでキララとの差を詰められるか分からないが
あくまで大穴としての評価で、抑えに少々買ってみたい。

home