アグネスタキオンの戦線離脱だけでなく、アグネスゴールドやミスキャスト、さかのぼればメジロ
ベイリーにタガノテイオーと、多くのタレントを失ってきた世代(全部サンデー産駒というのもま
たすごい話だが)。しかし、それでもなお、ジャングルポケット、クロフネ、ダンツフレームとい
う馬が残っているのだから、稀に見る豊作の世代と言えるだろう。確たる軸馬不在…。そんな声も
聞こえてくるが、自分にはそうは思えない。今年のダービーは、ジャングルポケットで堅い。

現に皐月賞では、ここに出走しているダンツフレームに負けているが、スタート直後に躓いた不利
が大きいことは誰の目にも明らかだ。タガノテイオー以下を軽々と一蹴した札幌3歳S、休み明け
でクロフネに完勝したラジオたんぱ杯、どちらをとってもこの馬のポテンシャルの高さがうかがえ
る。フジキセキを管理し、ライバルだったアグネスタキオンの戦線離脱を見ているからだろう。渡
辺師は「故障はつきものですが、我々は結果を求める仕事。きつい調教もしなければならない」と
言う。定年までの残り3年というベテラン調教師の言葉は、何とも言えない重みがあった。レース
ぶりからみて、東京コースも距離もまず不安はない。しいて挙げれば、今週の追い切りの動きが感
心しないものだった程度だが、芝の2400mを走る馬が雨にたたられた坂路コースでどう走ろう
とたいした影響はあるまい。問題はその雨だが、恐らく外を回るコースどり。よほどの大雨にでも
ならない限り、68代目のダービー馬はこの馬となるはずだ。

注目すべきはクロフネだ。人気にはなるが、魅力と危険が背中合わせの馬。自分は否定的な見解を
とる。もしNHKマイルCの勝ち方が先行してのものだったら、文句なく無印にするところだが、
さすがは武豊Jで、きちんとダービーまで見据えた勝利だった。それでも「行きたがった」という
あたりに、この馬の課題が見え隠れする。冷静に考えてみると、NHKマイルCの2、3着馬は条
件馬にすぎないという見方もできるところ。ここは鞍上の魅力を加味しても抑えまでの評価だ。

ならばダンツフレームかということになるが、ジャングルポケットとの比較上、皐月賞では取りこ
ぼしたジャングルをゴール前でかわしたという印象を受ける。抑えには間違いなく必要だが、積極
的に買いたい馬ではない。今年に入ってきさらぎ賞からアーリントンC(マイル戦!)を中1週で
使うというローテーションがどうにもひっかかる。

ということで、本命鉄板の中穴狙い。その筆頭はダービーレグノだ。幸Jによれば「前は素質だけ
で走っている感じでしたが、乗るたびにしっかりしてきました。折り合ってレースもできますし、
差のない競馬ができると思いますよ」」とのこと。皐月賞5着までの過程は地味だが、どこかライ
スシャワー的(ダービー当時の)な雰囲気も感じられる。ここを本線にしたい。

続いてはテンザンセイザ。昨年のアグネスフライトとダブる面があるということもあるが、何より
スタミナ豊富な母系の血統が心強い。半兄サイレントクルーズは500万下芝1200mの名物ホ
ースだが、弟は明らかに母系の強さが出ているようだ。ジャングルポケット、ダービーレグノとと
もに、この馬もトニービン産駒。東京芝コースといえばトニービンというくらいの適性があるだけ
に、タテ目まで少し買ってみたい。

以下、スムーズに流れに乗れた際のルゼル、ここ2週の追い切りが出色のプレシャスソングあたり
まで。当てることもさることながら、何とか儲けたいダービーだ。買い目は予想ページに。