ダービー特別予想

GIだから毎回やる、というわけではないんですが、普通の予想
コーナーに書くと長くなり過ぎる感じがするので、別コーナーに
しました。毎度毎度テキストだらけで恐縮ですが、なにとぞお付
き合い下さいますよう、お願い申し上げます。

1.はじめに

何度か言ってきているが、今年のダービーは今までにないもの
となっている。なにせ、デビュー前からその素質を見込んだ馬
がダービーを目前にして故障してしまったからだ。だからいい
加減に、ということはないけれど、普通の年のダービーならば
期待でパンパンに膨らむ風船が、まだ膨らみきらないまま、と
いうところである。まだ800万のオーディーウィンにチャン
スがあれば、と思っていたが、これも出走枠に入れなかった。
言うまでもないことだが、競馬はその生き残り競争を制したも
のにのみ、勝者となる権利が与えられるわけで、このメンバー
にケチをつけるつもりは毛頭ない。かえって冷静になれるかな
という見方もできるし、まあ、本人にだけ盛り上がりがない、
ということである。

2.皐月賞組別路線組

例年ならば、皐月賞上位組が優位で間違いないところだ。しか
し、今年は一概にそうとも言い切れないように思う。なにせ、
今までに苦戦を強いられてきた毎日杯馬が勝ち、2着はフジテ
レビ賞の惨敗馬だ。もちろん、だからといって皐月賞組優位の
傾向まで揺らぐとは限らないのだが、実力差が小さいというこ
とは言えるように思う。物差しとなるのはマイネルシアターだ
ろうか。皐月賞5着馬が青葉賞馬とほぼ互角ならば、という見
方をする人もいるかもしれないが、皐月賞のマイネルシアター
は他馬より早めの仕掛けで踏ん張った内容を思えば、負けても
強い内容である。ならば、上位5頭にペインテドブラックまで
はそう大きな差はないとみていいだろう。問題となるのはプリ
ンシパルSだが、これは物差しとなる馬こそいないものの、上
がりタイムなどから察して、決して低レベルのレースではなく
軽視はできない。ここに後述の馬がからむ力関係だとみる。

3.本命は

本命の候補馬は4頭いた。テイエムオペラオー、ナリタトップ
ロード、ヤマニンアクロ、ペインテドブラックである。この中
からテイエムオペラオーを選んだ。その最大の決め手と言える
ほどのものは、正直に言えばない。やはり皐月賞の内容という
ことに尽きる。レース前に「もしここで好勝負するようなら、
ダービーはこの馬だろう」とか「どっちかというとダービーの
方が向くタイプ」なんてなことを周囲には口にしていた。もち
ろん、そのまま実行したというわけでもない。しかし、決して
まともな乗り方ができたわけではない皐月賞で、力任せに差し
切った内容はやはり秀逸だ。ナリタトップロードが一番強いレ
ースをしたという論評が多いが、そんなに差があるとは思えな
い。なんといっても、中山で大外をぶん回して差したのだ。普
通ではちょっと考えられない。もちろん、ナリタトップロード
は強いレースをした。鞍上を不安視する声もあるが、栗東から
伝え聞く話では、渡辺Jは馬を信じ切っているという。これを
不安視する必要はないだろう。だが、実際に前回外を回して届
いたオペラオーより、内に詰まって脚を余したトップロードの
方が、コース取りにはより気を遣うはずだ。馬の力は信じられ
ても、微妙なところでの心理戦となれば、1度結果を出してい
る者の強みがあるのではないか、と読んだ。自分の深読みなの
かもしれないが。また、ペインテドブラックは、デビュー直後
にインタビューした加藤Jの話が印象に残り続け、これまでも
追いかけてきた。しかし、いかんせん馬が子供すぎるのだ。こ
の時期に馬場で鳴くダービー候補など、聞いたことがない。と
はいえ、その現況でこの成績を残しているのだから、並の馬で
はないことも確かだ。これで出遅れの不安さえなければ本命も
考えたが、自信を持って買えるまでに成長していないと思う。
ブリンカーの効果も出るかどうか分からない。それでも対抗に
推したのは、その素質の高さゆえ。逆転があれば、この馬だと
思っている。3番手にみたのはヤマニンアクロ。今にして思え
ば、5頭立ての5番人気で迎えた新馬戦の週、札幌競馬場で勝
浦Jとなにげなく交わした会話が「ヤマニンアクロっていう馬
なんだけど、オレはけっこう走ると思うんだよね」というもの
だった。評判馬が出ていたレースにもかかわらず、強気な発言
を信じられずに悔しい思いをしたが、その後の活躍を見るにつ
け、あの発言は間違っていなかったと思うわけだ。共同通信杯
の勝ち祝いに取材に行った時にも、皐月賞の前にも萩原師は、
「最大目標はダービーですから」と繰り返した。中山で完敗し
た皐月賞を度外視して、良績の集まる東京で狙ってみるだけの
価値はあると思う。ここまでが自分の評価する上位4頭だ。

4.抑え&馬券

軸をテイエムオペラオーにしたからには、それほど手を広げる
ことはできない。前日オッズをみる限り、ナリタトップロード
との馬連は金額は多めにする必要がある。ペインテド、ヤマニ
ンが本線で、その2頭の組み合わせ、またヤマニンの複勝も、
多少勝っておきたい。抑えの中で最も妙味があるのは、チョウ
カイリョウガだ。今週美浦で見た中野隆調教師の笑顔は非常に
印象的だった。前走のレース前には「使ってみるけど、あくま
で素質に期待ということだ」とつっけんどんだったが、この中
間は「順調さを欠いているから」といいつつも表情が明るい。
おそらく、前走では想像をはるかに上回る手応えを得られたの
だろう。以下、ブラックタキシード、マイネルシアター、アド
マイヤベガまで。オッズと相談して、きちんとプラスになるよ
うに組み合わせたい。オースミブライトはオミットする。ラス
トタイクーン産駒とはいえ、母系から距離の不安はないが、皐
月賞でソツのない競馬をし過ぎた分、他馬の巻き返しにあうの
がこの馬だと思う。さらに良化しているということではあるが
人気どころで嫌うならこの馬しかいない、とみている。

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