Japan Cup、特別予想!

今週の、そして今年のすべてをつぎ込む渾身の1戦。競馬ですか
ら結果は分かりませんが、このレースがハズれたらG1特別予想
はしばらくやらないつもりです。どうぞお付き合い下さい。

1.この1年を思う

日本で行われる国際G1。競馬においてダービーをひとつの頂点
とする考えに不満はないが、どうも日本ではジャパンCの評価が
低すぎるように思う。確かに、来日するメンバーが年によって異
なることはあるが、それでも世界のトップクラスの馬たちである
ことに変わりはない。二ノ宮厩舎は公式HPもあることだし、イ
ンターネット上でのエルコンドルパサーの評価は高いが、全体的
な競馬ファンの見方として、フランスで結果を残すまでのエルコ
ンドルパサーの評価は決して高いものではなかった。これもJC
の評価そのものを象徴しているように思う。昨年のJCで完敗し
たスペシャルウィークなのに、天皇賞・春ではインタビュアーが
「これで最強馬ですね」とやらかしたことでも、意識の低さがう
かがえようというものだ。そうしたことを踏まえて思うに、エル
コンドルパサーの功績は大きい。というのは、昨年のジャパンC
の勝ち馬であるエルコンドルパサーがあれだけのレースを欧州で
見せたからこそ、欧州の強豪がこぞって今年はJCにやってきた
のではないかと思うのだ。特に、モンジューの来日は、正直驚い
た。来年も現役を続けるということは、凱旋門賞前から決められ
ていたことだし、それならばなおのこと、早い時期に休養に入る
と思い込んでいた。それが来日に踏み切ったのは、少なからずエ
ルコンドルパサーを意識したものがあったと思う。
自分自身、この1年はエルコンドルパサーを中心に回っていた。
だから、感情的になっていないとは言い切れない。しかし、それ
でもエルコンドルパサーを負かしたモンジューの強さはよく分か
っているつもりだ。

2.モンジューの評価

1番人気になるかどうかが微妙なモンジューだが、実績そのもの
では考えられないくらいの配当はつくだろう。欧州の柔らかい馬
場に実績があるモンジューこそ、格好のカモとして表現する人も
いるくらいで、サドラーズウェルズの直仔が日本であまり活躍し
ていないことも、この人気落ちに拍車をかけている。まあ、言い
たい人には言わせておけ、というか、もっともっと言ってくれ、
と思う。凱旋門賞を生で見た人でも、同じことを言う人がいるだ
ろう。しかし、
ニエル賞を生で見た人はほとんどいない。「モン
ジュー東京不向き説」を唱える人の根拠として「馬場を気にして
折り合いを欠いた」というリュパン賞が挙げられる。ボクは確か
にリュパン賞は見ていない。だが、秋のモンジューは見た。表面
的に成績を見ると、
ニエル賞のモンジューは「大したこともない
相手に辛勝」である。これは確かだ。だが、その
レース内容まで
触れたメディアがどれだけあるか
。ニエル賞のモンジューは、超
スローペースの最後方を追走。わずか4頭立てだったが、直線に
入って追い出す態勢になった時に、なんとたった3頭の相手で前
が壁になっていたのだ。テン乗りのキネーンJは、いったん下げ
てから外に無理やり持ち出し、そこから追い出した。冷静に見て
ペースを考えても、届きそうにない位置だ。しかし、モンジュー
は勝った。決して柔らかくない馬場でみせたあの切れ味。すごみ
が違った。当時はエルコンドルパサーを応援する気持ちでいっぱ
いだっただけに「負担の残る勝ち方かな」などと思ったものだが
何のことはない。凱旋門賞のレースも、やはり強かった。凱旋門
賞の3〜5着が昨年の凱旋門賞の2〜4着だったことで分かるよ
うに、今年の1、2着は、ケタが違う。馬場がどうの、展開がど
うので片づけられる馬ではないのだ。ボクは、来日した過去の凱
旋門賞馬の現地でのレースを生で見てはいないが、昨年のJCを
勝ってから、さらなる成長を遂げ、なおかつ完璧なレースをした
エルコンドルパサーを負かしたモンジューという馬こそ、今まで
にない強さを誇る凱旋門賞馬だと思っているし、当然、ここでも
負けることはないと固く信じている。デキが万全であるかどうか
は、日本に来てからのモンジューを見ていないだけに判断できな
いところだが、はるばるこのにやってきて出走するのだ。力を出
し切れないデキということは有り得ない。ハモンド調教師はJC
に2度、参戦しており、日本についての知識もある。その調教師
が、これだけの馬をわざわざ連れてくる。その1点だけを見ても
自信の本命という評価を下していいはずだ。
不安点がないわけではない。やはり、この軽い調教過程は、普通
に考えれば不安要素だ。7年前のディアドクター、4年前のエル
ナンドを連れてきた際のハモンド師は、ともに5F63秒台の調
教をこなしていた。もちろん、馬の個体に合わせた調教は必要だ
し、シャンティーで強い調教をしてきたという談話を思えば、別
に何ということもないだろうが、このあたりは逃げ道としてでは
なく、不安材料として覚悟している。もっとも、たとえ日本をナ
メているといわれても、8分のデキで勝てると思っているが。

3.相手

問題は相手だ。まず力量の比較からして、欧州馬の中ではタイガ
ーヒルが挙げられる。この馬は、サンクルー大賞典で見た印象と
凱旋門賞のレースぶり、あるいは血統からみて、東京の良馬場で
力を出せる馬だ。前走後、すぐにJC参戦を打ち出した点も好印
象。この馬が本線となる。フォワ賞のボルジアを追っていたファ
ロンJをぜひ見たかったが、騎乗停止でかなわない。ということ
でロバーツJに乗り替わるフルーツオブラヴだが、日本の馬場を
知る名手であれば、損得勘定をする必要もなかろう。相手の2番
手に評価したい。問題は日本馬だ。心情的に、スペシャルウィー
クは好きではないこともあり、我が雑誌の前打ち予想では無印に
した。しかし、冷静に見れば、日本馬の中での実績は一枚上であ
る。モンジューの2着ならあるとみて、元取りの抑え。あとの日
本馬では、力量的には足りない。万が一があれば、アンブラスモ
アの逃げだろう。どうもカツラギエースになぞらえての穴人気に
なる気配もあるが、天皇賞のレースはかなり強いものだった。不
気味といえば不気味で、これも抑えたい。大穴ならば、日本馬よ
りも人気がない香港のインディジェナスだろう。香港の現役最強
馬として、今年から枠が設けられたJCにいち早く参戦を表明。
オリエンタルエクスプレスが中穴をあけたように、決して侮れな
いのが香港馬だと思う。少なくとも、日本馬との比較ならば、大
きな差はないだろうし、現実に昨年の香港国際ヴァーズでは、フ
ルーツオブラヴ(5着)に先着しているのだ。格下という先入観
だけの判断はしない。ハイライズ、ボルジアあたりは、モンジュ
ーやタイガーヒルとの比較を考えると苦しいが、ボルジアに関し
ては、復調の気配がうかがえる。鞍上の魅力込みで、抑えるだけ
抑えておこうかと思う。モンジューからの馬連は6点。馬券は、
馬連6点のうち、スペシャルウィークを元取りに、アンブラスモ
アはお遊び程度にして、残る外国馬4頭が勝負となる。もちろん
単勝も買う。このメンバーで欧州で競馬を行えば、いくらの単勝
配当になるのだろうか。そう思うと、たとえ250円まで下がっ
ても十分においしい。取らぬ狸の皮算用だが、胸が躍る。

4.最後に

たぶんに気合が入り過ぎている感は否めない。だが、おそらく、
今後ジャパンCというレースに臨む上で、外国馬からこれだけの
勝負をかけることは、まずないだろう。昨年のエルコンドルパサ
ーにも、これまでで最高の金額をつぎ込んだが、今年は、当日に
引退式を行うエルコンドルパサーへの敬意も含めて、最低でも昨
年と同額くらいの金額をつぎ込むつもりだ。
アレ、モンジュー!

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