皐月賞特別予想!

桜花賞が運よく的中したのをいいことに、今週も長々と予想をす
ることにしました。心に決めた馬はいるのですが、それでも悩み
に悩んだ末での結論なんです。どうぞよろしくお付き合い下さい
ませ。例によって、ハズレてもイジメないよう、お願いします…

1.魅力ある馬

前々からマイネルプラチナムに対するイレ込みようはお伝えして
きたつもりだ。矢野進調教師が言う「黒豹のような走り」は、僕
ら記者の目で見ても俊敏。若葉Sの末脚を見て、その素晴らしさ
には、魅了された。しかし、あまりに普通といえば普通だが、ア
ドマイヤベガという馬も、やはりすごい馬だ。前走で「脚を測っ
た」などと言われているが、仮にそれがそうだったとしても、そ
のシミュレーションで手応えはつかめたはずだ。弥生賞を迎える
までは「それほど強い勝ち方はしていないし、中山向きの瞬発力
もなさそうだ」という認識だったが、改めざるを得ない。やはり
武豊Jが強気なのだから、それはそれだけの馬だということなの
だろう。アドマイヤベガを本命にすることも考えた。戦歴、安定
度を思えば、これが基本姿勢とも言える。で、それを打ち負かす
ことを考えた場合、他に本命を打ち得る馬はマイネルプラチナム
以外に考えられなかった。逆にマイネルプラチナムを本命に推す
ことを決めてからも、「対抗」し得るのは、アドマイヤベガしか
いないと思う。▲のシルシは「単穴」という評価が普通だ。もし
3番手、という意味でならこれをつけてもよかったのだが、上位
2頭に対して、負かし得る馬、というのが見当たらなかった。つ
まり、その他はすべて△、「抑え」でいいと思うのだ。

2.他の人気馬

上の文で「それはおかしいだろう」という人もいるはずだ。なぜ
なら、アドマイヤベガは現実にナリタトップロードに負けている
からだ。そのとおり。ただ、冷静にみて、ナリタトップロードの
ここ2戦はうまくいきすぎている。絶妙のコース取りで進出した
きさらぎ賞、抜群のタイミングでスパートした弥生賞。どちらも
渡辺Jの好騎乗だ。渡辺Jには、記者デビュー直後にお世話にな
ったことがある。迷惑をかけたのだが、こちらに気を遣ってくれ
た優しい青年だ。師匠の沖調教師も本当にいい方で、この師弟に
は、心から頑張ってほしいと思う。だが、フルゲートの18頭で
あの芸当が3度できるか、となるとやはり疑問だ。騎手の腕のこ
とを言っているのではない。秋華賞ほどではないが、中山の20
00mも紛れは起こりやすいし、厳しいレースになる。ここ2戦
は、頭数こそ15頭と揃っていたものの、決して厳しいレースは
していない。正直、揉まれ込んだ時にどうなるかといえば、不安
を感じるのが普通だろう。
続いてニシノセイリュウ。若駒Sを見た時には、こりゃえらい馬
が現れたもんだ、と思った。事実、翌週の美浦トレセンでも、ト
ウカイダンディーの後藤調教師が「あの馬は強いねえ〜」と感嘆
していたほどだ。スローペースとはいえ、自ら動いて前をつぶし
に行き、そのままなお伸びて押し切る内容はケタ違い。こいつに
やられる、と感じたのも無理はない。しかし、内容こそタフでは
あるが、実際に厳しい競馬を経験しなかったのはマイナスだ。重
賞にすら出走していない。かつてフサイチコンコルドがダービー
を制しているじゃないか、という声もあろう。だが、府中の24
00mと中山の2000mは違う。府中の2400mは絶対能力
の差で経験を補えると思うのだ。紛れの少ないコースで、存分に
力を出し切れば、搭載エンジンの差で何とかなる。しかし、中山
2000mでは、それが難しいと思うのだ。カイバ食いうんぬん
は、使ってくるからには心配あるまい。しかし、このキャリアで
通じるかとなると、正直、疑問だ。やはり抑えまでの評価。

3.本命の決め手

では、改めてなぜマイネルプラチナムなのかを説明したい。この
馬を社内のPOGで所有していることは事実だ。それだけに多少
過大評価になっているかもしれない。だが、他人以上に取材を重
ねてきたのもまた事実だ。北海道で新馬を走っている時から、美
浦で矢野進師に話を聞きに行き、その高い評価は知っていた。あ
れこれ取材していたからこそ、前走も本命にはできなかった(重
なら要らない、といわれた)わけだから…。この馬の魅力につい
ては前述のとおり。では、なぜアドマイヤベガでなく、こちらに
したかという決め手について。1つに、人気。アドマイヤベガを
本命にした場合、やはり目数を絞らなければならなくなる。もち
ろんプラチナムが本線になるが、抑えは必要だ。その抑えの数に
制約を受けると、やはり抜け目の心配をせざるを得ない。これが
1つ。2つ目に、絶対能力。常識で考えて、いくらレベルの低い
相手だとはいえ、あの休養明けでトライアルを勝てるのは並のこ
とではない。「2、3度使って、ダービーの頃かな」と良化時期
を予告していた矢野進師が驚いたのも当然のことなのだ。ラフィ
アンの岡田繁幸代表が、マイネルシアターの快勝の時に府中に来
ながら、シアターそっちのけで帰厩間近のプラチナムを絶賛した
というのも、その能力の高さの証しだろう。3つ目は枠順。紛れ
が多い、としてきたが、見事に大外枠をひいた。むろん、外枠は
距離のロスが伴う。しかし、1週前の段階で木幡Jはキッパリと
「絶対に外枠がいい。スムーズに運べるから」と言っていた。1
枠1番の若葉Sの時は「枠順みて、最悪だと思った」というのだ
から、今回は小躍りしていることだろう。さらにいえば、木幡J
は「今回はある程度、前に行くことも考えている」とのことだ。
ひょっとしたら、前に馬をおけず、ガツンと引っ掛かるかもしれ
ない。引っ掛かった「前科」もある。だが、ジョッキー本人がそ
の心配をしていないとなれば、勘ぐる必要もあるまい。何度も言
うようになるが、アドマイヤベガが力どおりの走りを見せた場合
に、それを力でねじ伏せられるのはプラチナムしかいない、と思
えるのだ。それが本命の理由になる。

4.抑えの各馬

それでは、どこまで抑えればいいだろうか。前記のナリタ、ニシ
ノの他で、抑えるべき馬となると、まずはトウカイダンディーだ
ろうか。前走時は「トライアルはトライアルの仕上げ」と後藤師
は明言。結果、上位とは力の差を感じることになったが、上積み
は確かなものがある。もともとデビューの時からクラシックを意
識して育ててきた馬だけに、△の中では最上位の評価。マイネル
シアターの安定度も捨て難い。皐月賞よりダービー向きの馬だが
前走は初めての抑える競馬にもきっちり対応してみせた。Aベガ
がその上を行くシミュレーションをしてしまったために目立たな
いが、この馬もいい競馬をした。乗り替わりも気にしなくていい
だろう。テイエムオペラオーは人気負けする典型的「西の刺客」
というイメージがある。しかし、4コーナーから追っ付けどおし
の手応えだったにもかかわらず、並ぶ間もなく前を交わし去った
脚は、ちょっと不気味だ。この馬もまたダービー向きの印象は拭
えないが、抑えには必要だろう。もう1頭が難しい。△は6頭ま
でと決めているだけに(▲がない分、増やしてもいいのだが…)
悩むところだ。シルクガーディアンかヤマニンアクロか。枠順を
見ると、ワンダーファングを内において、これを見ながら行ける
アクロは食指をそそられる。しかしアクロ陣営は何が何でもハナ
へ、ということだ。常に人気以上に走る馬ではあるが、果たして
最内枠をひいたワンダーも引いてくれるかどうか。被されるとダ
メという気性のワンダーだけに、恐らく楽には引いてくれまい。
これならば横山典Jが手応えを感じているシルクだろう。矢野進
師のワンツーまで考えられるということになる。もともと調教で
は走る馬だし、能力は高い。父ヘクタープロテクターという点は
底力の面で気になるが、矢野進師が「皐月賞はシルク、ダービー
はプラチナムというのが理想なんだが、そううまくはいかんよ」
と言っていたくらい。完成度と距離適性は捨て難い。

他にもオースミブライト、タイクラッシャーあたりは気になるが
そこまで手を広げては儲けも出なくなる。プラチナムからべガを
太く買い込み、ナリタ、ニシノを抑えの中心に。さらにトウカイ
とMシアター、テイエム、シルクまで計7点の勝負馬券。G1レ
ース3連勝に向けて、このシフトでいく。

home