アキツ設計の新しい試み
”CM方式による発注”

 

 建設業界でも構造改革が必要です
   ・新しい建築発注方式(分割発注/分離発注/直営発注)により、
    コストの透明化、低コスト化を実現させます。
   ・中間業者のマージンが省かれ、多くの工事業者を指定する事で、
    競争原理が働き、コストが適正化(削減)されます。

◆ 新しい試み ”CM(コンストラクション・マネジメント)方式による発注” についてのご相談・ご依頼は、別体制で伺っております。 従来の一括請負契約方式とは、工事契約と工事発注の方式、および監理業務の内容が異なりますので、料金も別体系とさせていただくことになります。




 ● 「CM方式による発注」の実際例

 下の写真は、アキツ設計が統轄管理して、"CM方式による発注" で実際に建設された住宅の工事写真です。 この住宅のケースでは、5つの専門工事会社に工事が「分割発注」されました。 

  業者  所在地    工事の内容
 (専門業者)  ――  仮設足場、工事中の諸保険、仮設便所の手配
 (専門業者) 群馬県  木造軸組(柱や梁)のプレカットと「建て方」
 (専門業者) 長野県  外壁(床・屋根)下地パネルの加工と「建て方」
工務店 足立区  大工造作、金属板(屋根)、左官、基礎、他全般 
輸入代理店  ――  外国製の建具(玄関ドア、ルーフウインドウ)
ガラス工事店 渋谷区  ガラスおよび金属(アルミ)製建具、
 (専門業者)  ――  珪藻土(けいそうど)内装
電気工事店 世田谷区  電気設備、冷暖房設備
水道工事店 世田谷区  給排水衛生設備
アキツ設計 渋谷区  シームレス温水床暖房設備
 (専門業者)  ――  廃棄物処理
 (ご友人様)  ――  残土処理の一部、竣工時の清掃、ガラス曇シート貼


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CM方式
による発注
の実際例

東京都
M邸

2001年
12月竣工
柱:120角
米松集成材
梁:120×180
米松集成材
断熱材:厚80
ウレタンフォーム
外壁下地:厚11
OSB構造用合板

 工期が短かったこともあって、柱や梁などの木造軸組をプレカットし、外壁パネルはプレ・アッセンブルしたものを用いています。 木造軸組のプレカットは群馬の業者さんの工場で、また「外壁下地」+「断熱材」+「内壁下地」の3つをサンドイッチ構造にした外壁パネルの加工は、長野の業者さんの工場でしていただきました。 両業者さんとも、「建て方(=組立)」の時、それぞれ群馬や長野から東京にわざわざの出張でした。

 内装や造作、そのほかの工事全般は足立区の、仕事の丁寧な工務店さんに、また、アルミサッシュは渋谷区のガラス工事店さんにお願いしています。 床暖房工事は、当アキツ設計にて実施させていただきました。 造園工事は別途工事として、建築主から直接に造園業者への発注となっています。 なお、残土処理の一部、竣工時の清掃などで、建築主のご友人様にお手伝いいただいております。

柱は全て4寸(120mm)角にするなど木材を多用し、外壁や屋根において断熱材を充分にしているなど、やや高めの仕様である割りには、かなりのコストダウンを実現させる結果となりました。




「CM方式」についての、一口メモ
      これより先は、やや詳細な話になります。
      興味のある方のみお読みください.....




 ● CM方式による発注とは ?

簡単に言えば、 建築主(施主)が、ハウスメーカーや総合建設業者(ゼネコン)を通さずに、複数の専門工事業者の各々と直接に契約し、工事を発注する方式のことです。 複数の業者に工事を分割発注するので、分割発注、分離発注、直営発注などとも呼ばれます。 競争原理が適切に働くので、コストの透明化・適正化が実現します。


 ● 全体的な管理は、誰が ?

建設工事において、発注者の代理人として事業全体を監理するのは、CMR(コンストラクション・マネージャー)です。
CMRは、複数の専門工事業者を建築主に直結させて、品質管理,工程管理,費用管理など工事のマネージメント業務を行ない、純粋にその統轄管理の対価を貰います。 建築主は、建築工事のマネージメントはできませんから、一般的には専門コンサルタントや設計事務所にCMRを委託します。 大手の建築主になると、自らの社内にCMR部門を設けているケースもあります。

発注方式  従来の一括請負契約方式   新しい、CM方式による発注
緑:建築主

青:設計事務所 
赤:元請業者

(下)
専門工事業者


 ● CM方式の特徴

〈メリット〉
・契約書・内訳書の内容が明確かつ透明になる。
・多重構造の弊害が解消し、中間業者のマージンを省き、コストが透明になる。
・工事業者を多く指定する事で、競争原理が働き、コストが適正化(削減)される。
・CMR(マネージャー)の報告で、工事の進捗状況を直接に把握し易い。
・CMRが建築主の立場に立って監理するので、建築主の利益が優先される。
・建築主の建築に対する意識が高まり、建設に参画する機会が増える。
・最小のコストと時間で高品質な建物ができ、手抜き工事も激減するし。
・職人と建築主とが直接に接触する機会が増え、職人に「やる気」が出る。
・良心的な業者や、腕のよい職人が育つ環境が整えられる。

〈デメリット〉
・複数の専門業者に工事を直接発注するのでリスクが高くなる。
・数の専門業者と契約するため、紛争の当事者になる事もあり得る。
・契約書や発注書などが多くなって面倒である。
・報告を受けたり、会議や打合わせの回数が多くなる。


 ● 歴史的な背景

CM方式の発祥の地はアメリカ

初めてCM方式が採用されたのは、1970年着工のワールド・トレード・センター(WTC)の工事においてでした。 (ミノル・ヤマサキによって設計され、2001年9月の同時多発テロで崩壊した、あの有名なツイン・タワーです) ニューヨーク市が、建設業者のティッシュマンを発注者の代理人にし、この工事の分離発注の業務を代行させたのです。

1970年のアメリカは、現在の日本と同じく大不況下でしたが、この分離発注方式の採用が大成功を収めました。 その年に連邦政府でも、この契約システムを採用するところとなり、CM方式と名付けられ、以後、アメリカのみならず世界中へと急速に普及していきました。


アキツ設計 AKITU SEKKEI CO.,LTD.