復活の世界 Faile(38)「迷路の崩壊」
現代は何もかも行き詰っていて息苦しくなってしまいます。 そんな時だからこそ、思い出してみようという気持ちで、かつて公開したものを、再び紹介することにいたしました。
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学生時代は別として、社会人として生活するようになると、実に思いもよらないことに出会うものです。
きわめて順調な道を歩めていると思っていたつもりが、ふと気がついてみると、まるで想像外の道を歩いていたり、何とか突破口を見つけようとして走ったところ、行き止まりになってしまっていたりといった具合にです。
人生というものは、大きな迷路の中を、何とか試行錯誤をしながら、少しでもいい道を選んで、生きていけるような努力をしていこうとするもののようです。しかし人によっては、かなり早い時間で行け道を発見してしまうし、何時間かかっても、思うような道が発見できなくて、同じような道を何度も行き来したまま、疲れきってしまっている人もいます。
生真面目だからといって、うまくいくとは限らないし、いつもちゃらんぽらんで軽蔑されているような者が、実に見事に道を選んでいってしまうというケースもあります。実に皮肉なものです。そんな光景を、ほとんどの方は、見聞きしていらっしゃったでしょう。
人生はシビアなもんだし、皮肉なものです。
もう一度生まれて来る時は、もうちょっと違った人生設計をしたいものだと思ったりもしているのですが、こんなシビアな人生模様を、ゲーム化して楽しんでしまおうという時代がありました。
きっと記憶にはあるのではないでしょうか。
観光地はもちろん、空き地があると、そこに「迷路」が作られました。
小さなスケールのものもあれば、本当にスケールアップして、「大迷路」と銘打ったものも登場しました。
女の子などはそこで、きゃぁ、きゃぁ、奇声を発しながら迷うのを楽しんでいたものです。中にはすっかり迷いに迷ってしまって、うずくまってしまう人もいました。
そんな時には、監視人が迷路の上から覗いていて、指示をしてくれるのですから、本当は別になんでもないのです。
たしかあの頃は、世の中全体が浮かれ調子の状態にありました。別の表現をすると、それだけ心の余裕を持っていた時代であったということになるのでしょう。
もう一度、是非、ゆとりで道に迷うことを楽しんでみる気分を味わってみたいものです☆
これはすでに公開したものを再録したものです