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本町通り〜海岸通りを行く その2/2004.09.20 mon.

しかしこの日は暑かったです。秋も半ばだったのに。
さて横浜開港記念会館まで来たら折り返し。今度は海岸通りを桜木町方面へ向かいます。

※写真の説明は建物の旧名称を記述しています。


■旧本町旭ビル
建築年:旧建物は昭和5(1930)年
設計 :不詳

と、海岸通りへ行くその前に。
開港記念会館のお向かいにある旧本町旭ビル。今は「綜通横浜ビル」

これも旧川崎銀行と同じく、ファサードを保全活用した建物。1階が喫茶店なので、疲れたときの一服によいかも。
■横浜税関本関庁舎
建築年:昭和9(1934)年
設計 :大蔵省営繕管財局工務部

今も昔も横浜税関。

イスラム寺院風のドームとクリーム色の外壁が何とも言えずエキゾチック。
こちらは「クィーン」の愛称で親しまれているのですが、この姿。まさにクィーンに相応しいと思います。シンプルだけど、優美だよね〜。

横から見たところ。

以前訪れたときはもっと古びた感じでした。次に訪れたときは工事中でした。で、現在。増築工事も終わり、綺麗に生まれ変わった税関です。こちらは建造物の大半を残した形での工事ということで、この税関が横浜にとってどれだけ大事な存在かと言うことがわかりますね。しかもそれだけ貴重な建物なのに、大切にしまっておくわけではなくて現役と言うところが素晴らしい。
■横浜郵船ビル
建築年:昭和11(1936)年
設計 :和田順顕建築事務所

今も昔も郵船ビル(笑)

税関から程なくして現れる巨大な郵船ビル。威風堂々と建ってます。

特徴はなんといっても正面にある柱!これは「大オーダーのコリント式列柱」というそうです。ちょっと遠近感が狂うくらい大きいです。


柱頭を拡大撮影(左)。こんなかんじに凝った意匠が見られます。

ここは一般公開されているので中を見学することが出来ます(前はできたっけなぁ?)この日は時間がなくて入れなかったのが残念。また次回、充分時間をとって見学しに行きたいと思います。

■旧生糸検査所
建築年:旧建物は大正15(1926)年
設計 :遠藤於菟

現在は「横浜第2合同庁舎」

「キイケン」の名で親しまれていたそう。
これも建物自体は新しいようです。極力創建当時のままに復元、新築したと資料にあります。

正面玄関の上に鎮座する鷲の彫刻。

この建物は海岸通りの突き当たりにあります。建物を正面に見て右へ行けば万国橋。左へ行けば富士銀行のあたりへ出られます。

■帝蚕倉庫

資料がないので建築年や設計はわかりません(^-^;

弁天橋を渡ってすぐ、旧富士銀行の真向かい辺りにある倉庫群。かなり広い敷地を有している。

←これは建物の裏側。錆びた階段が歴史を物語っている。デジカメのズーム機能を使ってみたくて撮影した(笑)


(左)道路側から見るとこんな感じ。
(中)同じ建物を横から見たところ。
(右)同じ建物にある扉。

扉を撮影していて気付いたのですが、私、どうやら近代建築の扉が好きみたいですσ(^◇^;)正確に言うと、扉と庇と柱、ドアノブ、窓の感じ、扉に書かれた古びた文字ーーなんかに胸がときめくみたい。ピンポイントだなぁ(笑)
←これも帝蚕倉庫の建物。赤煉瓦の倉庫群に隣接している。倉庫とは様相が違っているので、最初、帝蚕倉庫の建物だと気付かなかった。扉は固く閉ざされている。

→これはワールドポーターズへ向かう人なら一度は目にしたことがあるのではないかな?これも帝蚕倉庫です。写真が鮮明でないのでわかりにくいですが、緑色の所が倉庫です。蔦の浸食がすごい!

(オマケ)

この日は祝日(敬老の日)だったので、日本丸に万国旗が掲げられていました。



デジカメの夜景モードが使ってみたくて撮った写真。露出が長いので手ぶれがひどいなぁ。効果といえば効果?
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参考文献

「都市の記憶〜横浜の主要歴史的建造物」横浜市歴史的資産調査会
「建築散歩24コース〜東京・横浜近代編」志村直愛・横浜家具を通して文化を考える会編
「ヨコハマ建築・都市物語」吉田鋼一・久我万里子