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日本橋界隈を行く /2004.10.16 sat.

「COREDO日本橋へ行こう!」という相方さんの提案で、日本橋界隈を散策してきました。
日本橋は、以前勤めていた職場の本店があるところなので、ちょい馴染みはあったのですが、ゆっくり見るのは初めてでした。COREDO日本橋は最近出来た商業ビルなのでとても綺麗でした・・・が!それよりも目を奪われたのは百貨店建築の多さでした。


■野村証券本店
建築年:昭和5(1930)年
設計 :安井武雄

まずは「日本橋」(地名ではなくて橋の名前です)を目指そうと歩き出す。駅から出ると目の前に「野村証券」のビルがあった。ビル自体は新しそうだが、屋根部分は昔の意匠を残してあるかんじがした。なので写真に収めました。

←屋根付近の色が白い部分がそうです。
■日本橋
建築年:明治44(1911)年
設計 :妻木頼黄

日本橋川にかかっている橋です。ここは江戸時代、五街道の起点とされたところだそうです。

非常に装飾的な、綺麗な橋だと思いました。対の獅子や麒麟、照明塔は見事の一言。獅子や麒麟を配したのは、街を守る魔除けの意味もあったのかな〜(まぁ実は明治期は装飾的なのが流行だったみたいだけど)。

和洋折衷な印象の麒麟

照明塔

石造りの橋桁。すごく立派!
■三越本店
建築年:昭和27(1927)年
設計 :横河民輔

この日、三越はリニューアルオープンに賑わってました。
出入り口付近などはとても綺麗に(金ぴかに)なってました。

金ぴかなのはちょい俗っぽいかな〜とも思ったけど(^-^; なんというか、そのゴージャスさが、行く人の見栄を満足させるし、店は栄華を誇示している感じがして「日本橋に三越あり!」と言い切っているように思いました。

ちなみにトイレの床タイルや扉がカントリー調というかお嬢様って雰囲気で、レトロな感じがよかったです(男子トイレは素っ気なかったらしいけど)。



近くからは見えない屋上に建つ塔の部分→
■中央三井信託銀行本館
建築年:昭和4(1929)年
設計 :トロブリッチ&リビングストン社

三越の隣に立つ三井信託銀行。
その列柱は凄まじいの一言です。圧倒されるほどの大きさ。遠近感が狂います。

やっぱり扉を激写→
列柱が綺麗に林立しているのがわかると思います。これは古典様式のコリント式っていうのかな?(勉強不足)まるでギリシャ神殿のようです。→

銀行関係の建物にはこうした列柱を用いてる建物が非常に多いと思いました。伝統、信頼を表現するシンボルだったと本に書いてありました。なるほど、この威圧感はそんなかんじがしますね〜。
■日本銀行本店
建築年:明治29(1896)年
設計 :辰野金吾

ぱんぱかぱーーん、本日のメインイベント♪

三井信託銀行の隣に立つ日本銀行本店。突然現れるその巨大な、ゴシックな建物に、一瞬日本にいることを忘れそうになります。これが東京の真ん中にあるとは・・・不思議な光景です。
←中心の屋根は緑の円形をしています。神奈川県立歴史博物館(旧横浜正金銀行)に非常によく似た配色、構造だと思いました。

東京駅を設計したことで有名な辰野金吾の作品。これを建てるために外国の銀行をいろいろ視察したらしい。日本の中心の銀行を作るのは大変だったことでしょうね。

とにかく巨大で全景を収めるのは難しかったです。行った日は休日だったので、門扉は固く閉ざされていましたが、平日は開いているのかな?
 

(左)こんなかんじに巨大な銀行。
(右)中央三井信託銀行と日本銀行のツーショット。
■常磐橋
建築年:明治10(1877)年
設計 :−−

さらに日本銀行のすぐそばにある常磐橋です。日本橋に比べると非常にシンプルで、剛健な印象の常磐橋。でも、日本橋川に架かる橋の中で唯一、明治初期の現存する橋だそうです。

可愛らしい花が咲いてました→
橋のすぐ側には日本の政治経済に貢献した渋沢栄一氏の像が立ってました。


常磐橋の橋桁も石造りで非常に重厚な作りになっていました。真上には高速道路が走ってます。→
■高島屋東京店
建築年:昭和8(1933)年
設計 :高橋貞太郎、片岡安、前田健二郎


三越と並ぶ二大百貨店です。
こちらも堂々とした構えで、百貨店建築の特徴である(と今回知った)柱が使われていました。中には入りませんでしたが・・・。
■−−−−
建築年:−−
設計 :−−


ちょうど高島屋の真向かい辺りにあった建物。
建物全体は新しかったのですが、ファサード部分は古そうだったので写真に収めてきました。

(オマケ)

「COREDO日本橋へ行こう!」と誘われたのに、あれあれ?肝心の、COREDO日本橋の写真を撮ってきてないじゃん!σ(^◇^;)

できれば、COREDO日本橋が出来る前の東急百貨店(平成12年取り壊し。当時のニュース、朧に覚えてる)を写真に収めたかったなぁーーというのが本音。

日本橋はもっと見所がありそうなので、また散策に行きたいと思いました。



参考文献

「建築散歩24コース〜東京・横浜近代編」志村直愛・横浜家具を通して文化を考える会編