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旧岩崎邸庭園訪問。/2005.03.05 sat.

ずっと行きたくて後回しにしてしまっていた岩崎邸にやっと行ってきました♪


■データ
竣工年 明治29年(1896)
設計  ジョサイア・コンドル
施工  不詳

貴重な和洋館並列住宅。一般公開されています。

行き方
JR上野駅から歩きました。不忍池沿いに歩いていくとあります。

開館情報
9時30分〜17時(年末年始休み)
400円

弧を描いた坂を登り詰め、受付から一歩中に入ると、あの有名な、そしてずっと生で見たいと願っていたお屋敷が出迎えてくれました。立派な外観に圧倒されます。

側面。
サンルームになってます。
このデコラティブな外観!すごいです。
岩崎邸は、17世紀の英国ジャコビアン様式というのを基に、ルネサンスやイスラム風のモチーフが取り入れられているそうです(パンフレットより)。


庭側。
列柱が並んでいるのが印象的です。
1階の柱はトスカナ式、2階の柱はイオニア式だそうです。

ちなみに、トスカナ式はローマ建築のオーダーの一つ。イオニア式はギリシャ式オーダーの一つ。オーダーって言うのは、円柱とエンタブレチュア(柱と屋根の間の装飾部分)の構成原理のことなんだって。ふ〜覚えることがいっぱいあるなぁ。
庭では丁度、都響によるコンサートが開かれていました。
この所為で、1階、2階のベランダ部分などは見ることができませんでした。残念。

その他見所としては、100年を経ることによって造りだされた柱の艶とか、スチーム暖房器(なんと都市ガスを熱源としたボイラーなのだ)、大階段の重厚さ、金唐紙の壁紙(復原)、床・天井の意匠、ドアノブの装飾や洗面台などの陶器製品(トイレとか洗面台とかキッチンとか生活を感じる部屋大好き♪)などなどーー時間をかけてゆっくりと見て回りたい代物ばかりでした。

撞球室。
別個に建てられているビリヤード場です。
本館とはまた違った味わいの外観をしていました。山小屋風?
地下へと続く階段。
本館とは地下道でつながっているんだそうです。
ちょっと危険な香りをかんじます。江戸川乱歩?
外灯。
丸っこいフォルムが素敵。
鱗造りになっている外壁。
神戸の異人館を思い出しました(神戸にも外壁が鱗造りの西洋館があったのだ)。

重要文化財の袖塀。
坂の途中にあります。
岩崎家の家紋「三階菱」が中央に辛うじて見えます。

(おまけ)
今度は人が少ないだろう平日にゆっくり見学したいです。
それにしても「和洋並列式の貴重なお屋敷」、なのに和館の方は写真を1枚も撮って来ませんでしたσ(^◇^;) 和館の方も貴重な建物だったんですけどね。趣味がはっきりしているなぁ・・・あはは。

参考文献

「お屋敷拝見」内田青蔵/河出書房新社
「旧岩崎邸庭園」/パンフレット