まずはこれが設計図です。
AとCのプーリーをパイプを通してロックし、Bのプーリーには自由に回転するようにベアリングを通します。AとBにかけたベルトを回すとBとCは互いに逆方向に回転します。その中心のパイプにブランクを通すと言う仕組みです。

Cのプーリーです。9mm厚の成材材の2枚重ねで中央はアルミ削りだしのフランジです。

ベースとAのプーリーです。

Bのプーリーです。同じく9mm集成材の4枚重ねです。内2枚は中をくり抜いてCのプーリーに使いました。
中央にベアリングを打ち込んであります。糸巻きは手頃なものが無かったためワッシャーとアルミパイプで作りました。

一番苦労したテンショナーです。
1.はニッケルシルバーから削りだしました。ビスの皿頭のアールに合わせて作ってあります。なるべく面で摩擦を作ってあげた方が糸のよれが少ないようです。
2.は飾りナットという名前で売られていました。洗面所の鏡を固定する時等に使用されているようです。今回はすべてのスプリングを押さえるために使っており大活躍でした。
使った感じはぬるぬると糸が繰り出されていい感じです。
どのくらいのテンションがかかっているのか知りたくて人差し指をバインディングしてみましたが3回転でギブアップ。紫色のロースハムができました。

組み立てるとこうなります。

このように巻けました。右手のテンション次第でピッチは調整できます。
今回はナイロンの水糸を使いました。500Mで400円前後と、とてもリーズナブルですが残念ながらわずかに伸びてしまうようです。かなりのテンションで巻くためにはピッチを密にした方が良いかと思います。

実際にブランク(接着後のものですが)を巻いてみました。
左手でハンドルを回しながら右手でブランクを引っ張ります。無理やり引っ張るというよりある程度のテンションをかけ続けていればいいようです。思ったよりも簡単に巻けます。

ベースの土台の片方が広く空いていますが、当初ここにモーターを置いて電動で駆動させようと思っていました。ですが実際に動作させてみると片受けにした事で両手で事足りており、手動で十分なような気がしています。それに本番ではちょっとしたトラブルが命取りにもなりかねません。ブランクは接着剤にまみれているわけですし、ビスがゆるむ、糸がからむ、テンションが乱れる等のトラブルが起きた時に電動で回していると咄嗟の対処が遅れます。あっと思った時には後の祭りなんてのは避けたいですからね。とりあえずは手動でじっくり巻いていくつもりです。ブランクのねじれの発生の有無についても後日という事でご了承下さい。まだまだ信頼性に欠ける器具ですのでこれからじっくり試して行きたいと思います。と言ってもこいつが本番を迎えるのは禁漁になってからですが・・・。