6本の竹片をプレーニングフォームに設定したテーパー通り削っていきます。それまではただの真っ直ぐな竹片がここで初めていわゆる「先細り」状態になります。定番手のロッドですとティップの先は幅1mm以下ですのでかなり緊張します(^_^;)6本各々が先細りなので、束ねて接着してもやはり先細り・・・竿の形になるわけです。
仕上げ削りに入る前に表面のエナメル質をスクレイパーで削りとります。ここで真っ平らにしておかないと仕上げ削りの精度が下がります。この作業は手を抜けません。私は右の写真のように皮スキを使ってエナメル質を削っています。スクレイパーだと削っているその箇所が実際には見えないので気持ちわるいからです。慣れるとエナメル質が削り終わった感じが手の感触で分かります。必要以上に削らなくて済むのがいいですね。もちろんしっかりと研ぎあげてから使います。皮スキにはステンレスと鉄製がありますがやはり鉄を研いだ方がはるかに切れます。精度はスクレイパー並みだと思う事にしています。
エナメル質を削り終えた後、ほんの僅かでもでこぼこになっている部分があったらサンドペーパーで修正します。このサンドペーパーは中にロール紙が入っていて削れなくなったらロールを引き出すタイプで、とても役にたちます。ただ残念ながら底が柔らかいゴム製なのでアクリル版を張り付けて使っています。
ここまで平らにしなければなりません。結構肩にきます。
仕上げ削りはとにかく丁寧に、根気よく、集中して・・・それだけです。私は趣味なので緊張感を楽しめますが、とても納入日に追われてやるような作業ではありません。プロの方はすごいですね。プレーンの刃はこまめに研ぎます。私は最低でも3つ削ったら研ぐようにしています。切れない刃で削るとシャープな線が出ないばかりかティップを折るなどの大事故につながります。
左右を交互にひっくり返しながら少しずつ削っていきます。刃を多めに出して一度にたくさん切りたくなりますがそこはじっと我慢です。亀になったつもりで地道に行きましょう。