で、これが今回製作した溝切りツール。
  フレームグルーバー[Frame Groover] 
・・・・試作品は木製だったのですが強度的に問題がありアルミで作り直しました。左右は両端を丸めた5mm厚のアルミの角棒。これがガイドとなります。これらをアームで連結しアームの中央にボルトをねじ込んであります。アームとガイドは適度なテンションで自由に動きます。

フレーム幅2.5cmまで対応していますが、1.5cmくらいで一番扱いやすいようにしてあります。


裏側はこうなってます。中央はボルトの先端を旋盤で削ってとがらせた罫書き針。実際はここまで出しません。要はセンター罫書き器なわけですが木材相手ですと何度も往復させる事で溝が掘れるという仕掛けです。

当然フレーム材のセンターをはずすことはありません。ボルトを回す事で溝の深さ、かつ溝の幅も一定に保たれます。

使い方は簡単。左右のガイドでフレームをサイドから押しながらシャカシャカと前後させます。
ガイドは固定させません。常に可動状態です。多少のフレーム幅のばらつきがあってもそれについていく感じで動かします。
最初は罫書き針を少しだけ出して線を引くくらいのつもりで・・・。

2mm厚のフレーム材を3枚重ねても6mmですので5mm厚のガイドはフレームの側面だけに当たる事になります。これはグリップ材をフレーム材よりも厚く成形したい方(ワタシです)用の仕様・・・グリップ材が出っ張っていても干渉する事なくストレートタイプはもちろんベンド型でもかなりのところまでこのままで使えます。

 

ポイントは左右のガイドを結ぶアームの形状。リールのハンドルのようなこのアームは単なるデザインではありません。
グリップ部分の逆アールに溝を掘る場合にアームが直線だとフレームの両サイドが干渉して罫書き針の部分がフレーム表面に密着しません。おまけにアームがフレーム材を傷つけるおそれがあります。問題を解決するためにアームをこの様な曲線に変更し逃げを作ったわけです。フレームの幅が変わり、アームの角度が変わっても限りなく直角に近い角度でアームがフレームに接触するため逆アールの底近くまで罫書き針が到達し、精度を上げる事ができます。また曲線のためフレーム材を傷つける事がありません。う〜ん我ながらすごい!!

てなわけでこれが効果のほどです。

この後にサンドペーパーをかければ完成。

本当は金ノコやヤスリのためのガイド溝程度に考えていたのですが以外と深く削れました。これならノコギリを改めて入れる必要もないでしょう。試しにこの溝の上から金ノコを入れてみましたが幅が乱れてきてやらない方が良かったって感じです。

常にセンターを出し、幅、深さが一定の溝を気楽に掘る事ができます。商品化も画策中!何しろ今回は名前付きですから!

気の重かった作業がまた一つ減りました。満足、満足。

先端部はハイス鋼ドリルに変更。直径は1.2mm。

乗っているフライは#12アントです。

使用方法について・・・補足

当然ですが接着後のフレームのサイド側はあらかじめある程度平らに仕上げておく必要があります。

二つのガイドは可動する状態にしておき、指でつまみフレームを挟むようにして使います。6角ナットを締めてフレーム幅に固定する想定ではありません。
固定してもかまわないのですが、我々アマチュアレベルではフレームを仕上げる段階で、フレーム幅を完全に揃えるのは不可能だと思うからです。
私自身過去に木工用ケガキを使用してみて痛感しております。ある場所ではセンターだったはずが、別の位置ではセンターがずれている・・・。

アームを可動状態にしてフレームを軽く挟み込みながら前後させる事で、フレームの幅に合わせて常にセンター(らしい位置)に溝を掘る事ができます。
逆にフレーム幅が揃っていないのにアームを固定した場合、溝の幅が揃わなくなるおそれがあります。