右側が削った足です。削る程度はお好みでどうぞ。そのままでも巻けますが仕上がりは今ひとつです。

続いてガイドの取り付けです。まずガイドの足をブランクとの接点がなだらかなテーパーになるように綺麗に削ります。

これで巻き上がりです。飾り巻きなどしなければ楽なのでしょうが、ついつい自分のロッドを華やかなものにしようと思ってしまうのは私だけではないはずです。
コーティングをする前に爪楊枝で軽くなでて糸目をそろえます。スレッドの切れ端が出ているところはこれまた爪楊枝で押し込みます。またアルコールランプで軽くあぶっておくと小さな毛羽立ちをなくす事ができます。100円ライターですとすすで真っ黒になってしまいますのでご注意を。

切れない刃物を使うとこのように毛羽立ってしまいます。カッターで充分ですが刃は常に新品にしておきましょう。
こうなってしまった場合は無理にぎりぎりまで切ろうとしないでざっと切った後アルコールランプでさっとあぶると綺麗になります。

飾り巻きの方法を紹介します。
(1)まず通常の方法で5周巻きます。Aは切らないままです。始めから挟み込んでいたコードでBを引き抜きます。
(2)の状態になったらAを引っ張って1周分ほどきます。
(3)のようになります。巻き数が4周に減っています。この状態でスレッドを引っ張りながらカットすれば良いわけですがブランクの角Cを間に挟むとほどけにくく、しっかりした飾り巻きになります。もちろん自信がある方は4周から始めてもかまいません。

ラッピングにコーティングをします。糸への吸い込みの良さから一回目はエポキシを使うのが良いと思います。私はA液とB液と薄め液を1:1:1の割合で混合します。2回目以降はウレタンで良いでしょう。糸目を完全に無くしたい人もいますし糸目を残したい人もいますので一概に何回とは言えません。お好みで何回でもどうぞ。
私は筆が苦手なので竹串を万年筆の先のようにカッターで切って使っています。表面張力を利用して実際にはスレッドに触れないように塗るので竹串でも大丈夫です。
一回目を塗り終えたらモーターで回転させながら24時間乾燥させます。2回目以降ウレタンを使う場合は6〜8時間のインターバルで良いでしょう。

こんな感じになります。実は横着をしてエポキシの2回塗りです。それも一回目に使った塗料に蓋をしておき、2回目にもその塗料をそのまま使いました。ちょっと粘度が上がっていい感じだったものですから・・。冬場ですとエポキシは蓋をしておけば一昼夜くらいは保存できます。
ウレタンよりもエポキシの方が硬質的な光沢が出ます。もっと渋い感じをお好みならばウレタンをお使いください。

何やら奇々怪々な装置ですが実は友人作成のロッドドライイングモーターです。動力はラジカセのカセット部分のモーター、ブランクをくわえるチャックはセロハンテープの芯で、その中にこれまたラジカセのゴムの足が収まっています。このゴムは穴の大きさを変えてティップ用とバット用の2種類を入れ替えながら使うそうです。世のカセットデッキがそうであるようにどこかのネジを回せば回転速度の微調整もできるというすぐれもの。制作費はギヤボックスの600円のみ。難点はあまりに古いラジカセを使ったため動力部分が異常に大きくなってしまったとの事、最新式はもっと機構がシンプルだそうで・・・。
いやいや、このくらい大げさな方が見ていて楽しいです。昔の漫画でスイッチを入れると部屋いっぱいの装置がめまぐるしく動いて最終的に卵を割るというのがありましたが、それを彷彿させる私の大好きな機械です。