"Air Force One"

ハリソン・フォードの最新作……だよね確か。ハリソン・フォードの役は、何とアメリカ合衆国大統領と来たもんですよこれが。刑事や医者や諜報部員ならまだしも、大統領ってのはちょっと違うような。演説下手そうだし。

ストーリーはと言うと、旧ソ連圏の某国テロリストが大統領専用機『エアフォース・ワン』を大統領ごと乗っ取ってしまうという話。側近は非常カプセルで大統領を脱出させようとするのだけど、妻と子を置き去りにして逃げられるか!とばかりに、ハリソン・フォードは機内に残って孤軍奮闘。ランボーよろしく、テロリストたちを一人また一人とやっつけながら拉致されている妻子や側近を救出する、ってな具合です。

この辺の展開からしてスゲー嘘臭いとは思うのですが、さらに「味方の中にいる内通者」なんてのも一発でバレバレ状態ですし、肝心のテロリスト達も全然弱っちいというか、存在感が薄すぎ。敵役の存在感があればあるほど主役が引き立つというのは、『ダイ・ハード』などを見ると実感できると思いますが、せっかくゲイリー・オールドマンという格好の敵役俳優(?)を配しておきながら、本作ではまったくもって無駄使いをしているように思います。(オールドマンは『レオン』『フィフス・エレメント』などで敵役を演じ、『ロスト・イン・スペース』でも悪役的な立場をやっているようです)

あと細かいけど、映像面ではCGの手抜き加減がみえみえ。空中を飛ぶエアフォース・ワンや戦闘機は基本的にCGのようですが、「なーんか作ってるなーって感じがバレバレ」なのです。『アポロ13』の特殊効果がほとんどCGと感じさせず、しかもCGとミニチュアを巧みに使い分けて(どこがどっちなのか判らん)打ち上げシーンなどを見事に再現していたのとは対照的で、何かコスト削減だけを狙った感じの安易な映像です。

『ER』のモーゲンスタン部長ことウィリアム・H・メイシーがちょっと頑張ってたけど、まあ他にあまり見るべきところの無い、ちょっと困った一本でした。


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