「ハリー・ポッターと賢者の石」

 世界的ベストセラーの映画化……なんですが、ふじもとは実は「ハリー・ポッター」一度も読んだことがありません。ということで今回レンタルビデオで観たのが、あらゆるメディアを通しての「初ハリー・ポッター」なわけです。

 魔法一族の赤ちゃん=ハリー・ポッターが、ある家に預けられる。ハリーは継子として酷い扱いを受けながら成長するが、やがて魔法学校からお迎えがやってきて……という導入部。ありきたりと言えばありきたりなんですが、王道と言えば王道?なツカミ。学校からの手紙をハリーに渡さぬよう継父が捨てれば捨てるほど、届く手紙が増えていくあたりは、CGがうまく使われていてなかなか見ごたえがあります。それから、ロンドンの路地裏に現れる「魔法の商店街」、駅の9番線と10番線の間にある「9と3/4番線」など、現実世界の隙間にうまい具合にファンタジーを埋め込むのも面白いですね。いかにも英国風の洒落といった雰囲気が感じられます。

 中盤以降は魔法学校での生活と、「賢者の石」の謎解き。原作を読んだ人はそれなりの楽しみ方があるのだと思いますが、映画から入ったふじもとでも結構楽しめます。ここでも英国風の寮生活とか寮対抗スポーツとか、生活感と空想を適度にミックスした描写が多く、ハリウッド映画の過剰なファンタジーに辟易しているふじもととしては非常に好感が持てます。雰囲気は全然違いますが、「千と千尋」にもちょっと通じるものがありますね。

 細かい話ですが、魔法の先生の一言「校長先生は今、魔法省に行っていて……」ほう、英国には魔法省なんてのもあるんですな。まあ、「バカ歩き省 (Ministry of Silly Walk)」がある国ですからねえ(笑)こういう風に、何かにつけて省庁をでっち上げるのも英国の定番ジョークなんでしょうか。

 2時間半とやや長尺な感もありますが、値段なりの楽しさはある作品だと思いました。


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