Mr. Children『深海』

『BOOTLEG』をオリジナルアルバムと見なさなければ、これが Mr. Children の最新オリジナルアルバム。シングル・ヒットした『everybody goes』も『Tomorrow Never Knows』も『es』も『シーソーゲーム』も入っていないので、カラオケ練習用としてはイマイチだろうが、アルバム全体の出来としては好きである。というか、シングルでは見えない Mr. Children の「らしさ」みたいなものがよく見える感じがする。

特にいいのが4曲目の『ありふれたLove Story 〜男女問題はいつも面倒だ〜』。最近のヒット曲の典型として見られる、恋愛の無根拠な礼賛とか、最大公約数的な漠然とした明日への希望といったものを、軽く鼻で笑うという感じがある。彼ら自身も、シングル曲では同じような愛やら希望やらを歌っているんだけど、それさえも笑い飛ばしてしまっているように思える。

その他、『BOOTLEG』にも入っているらしい『マシンガンをぶっ放せ』や、アルバムのプロローグとエピローグで韻をふむ『シーラカンス』『深海』など、面白い雰囲気の(しかしカラオケで受けるかどうかは難しい)曲が詰まっている。まあ、シングルでも『everybody goes』あたりは面白かったんだけどね。


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