阪神タイガース、野村克也氏を招聘へ!?

ヤクルト・スワローズ監督の野村克也氏といえば、多少なりともプロ野球に興味のある人なら「野村再生工場」「ボヤきの野村」「月見草」など様々な形容句でご存知のことと思う。今年限りでスワローズのユニフォームを脱ぐことになって、メディアが野村氏の監督としての戦績を振り返ったりしているが、改めて見てみると凄いものだと思う。 9年間でリーグ優勝4回、うち3回は日本シリーズまで制している。讀売ジャイアンツのように才能を札束で買い集められる(そしてその多くを腐らせる)球団ならともかく、強化に大した金額を使えないスワローズにおいてこの成績は驚愕と言ってよい。

さて、スワローズ退団を表明した頃から、「あの人がこのまま野球から手を引くとは思えない」というのが各方面の見方だったのだが、ここに来て何と阪神タイガースが野村氏招聘に乗り出したというのだ(サンケイスポーツ報道)。

全般にセ・リーグは純血志向が強く、特に讀売・阪神はその最右翼と言える。しかし、選手の分業化など戦術の高度化にともなって監督の采配はいっそう勝敗を左右するようになっており、そんな中で純血主義にこだわっていては、勝ちは遠ざかるばかりである。現在フリーで十分な実績のある監督経験者と言えば、今は森祇晶氏、古葉竹識氏、そして野村氏といったところだろうか(西本、広岡はさすがに年齢面から辛いかもしれない)。この時点で既に「勝てる候補者」は少ないのだが、これを阪神OBに限ってしまうと監督未経験の掛布、岡田といったあたりしか線が無くなってしまう。だれだって最初は監督未経験だという意見もあるだろうが、今の阪神はそんな悠長なことを言える状況では無いはずだ。

フェラーリはイタリアの純血を捨て、フランス人の監督とイギリス人のエンジニア、ドイツ人のドライバーを得ることで再びチャンピオンシップに手の届く位置まで来ている。イングランド・プレミアリーグのアーセナルは、イングランドリーグで歴代 3人目(!)となる外国人監督アーセン・ベンゲルを招聘してトップチームとなった。背景にある事情はさまざまであろうが、勝負に関わるものとして「勝つため」の決断は必要だろう。その決断を阪神フロントが下したのならば、やや遅きに失した感はあるにせよ、その勇気に私は拍手を送りたい。うんうん。

余談だが、ふじもとは別に阪神ファンではない。「白熱した試合」「混戦のペナントレース」を見たいと思う野球ファンではある。


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