氷の結晶構造

氷は水分子が水素結合を介して長距離的に秩序だった構造を取った結晶である。
つまり、無数の酸素原子が水素原子を仲立ちにして規則正しくつながりあっている。

氷には低温相や高圧相にいくつかの異なる結晶構造を持つことが知られている。
通常我々が見ている氷はIce Ihとよばれる相である。
この通常の氷の結晶構造は下図のようになっている。

ただし、写真の分子模型では水素原子を省略してある。
1つの酸素原子は水素結合を介して4つの最隣接酸素分子と結びついている。
球を容器中にできるだけたくさん詰め込んでいくと、1つの球と接する最隣接の球は12個になる。
このこととくらべると、氷の結晶では最隣接原子が4つであることは氷の結晶中には
まだ原子を詰め込むことのできそうなすきまがあることを示唆する。。

次にこの模型を正面から見た写真を・・・・


 

さらにこれを真上から眺めてみると・・・

六角形の蜂の巣のような構造が見て取れる。
確かに原子(分子)が入り込む余裕がありそうではありませんか?

氷が溶けるとこの水素結合のネットワークは長距離秩序を持たないようになるけれど、
短距離秩序は依然として残ったままである。
つまり、氷の結晶構造を保った水分子のクラスターが液体の水の中には多く存在する。