![]() みなさん、さようなら Les Invasions Barbares ★★★★★★☆☆☆☆ 2003年 カナダ/フランス 監督/脚本:ドゥニ・アルカン 出演:レミ・ジラール / ステファン・ルソー / マリー・ジョゼ・クローズ / マリナ・ハンズ ☆こういう作品☆ 下記参照。 ☆こう観た☆ 末期ガンで手遅れの状態ということがわかった50代そこそこの男。生き方のまるで違う息子とはことごと く対立。見舞いに訪れる面々は皆愛情たっぷりに辛らつな言葉を投げかけて場を和ませるが、彼の死は 刻一刻と近づいて…、という予告編を見た限り、親子愛や友情、そして別れを謳ったハンカチの用意必至 の作品だと思ったのだが、実際は少し違った。 劇中はむしろ父の死よりも、安らかな死を与えようとするやり手のビジネスマンである息子の、金を使っ た巧みでドライな根回しがクローズアップされる。大病院への移動を父に拒まれれば、個室の建設を病院 や組合に金で承諾させ、院内で紛失したパソコンも探させる。治療にヘロインが有効と知るや、警察にル ートを聞き出し、金で売人と接触。そして、父の講師時代の教え子さえも金で買い、見舞いに訪れさせる。 金さえあれば幸せな死さえ買えてしまうという皮肉は、現実的で心中複雑だ。 しかし父の見せ場もある。世界史を教えていた彼は戦争の死者の数を挙げ、9.11も過去に比べれば… とサラリと流す。ヒトの大量死の歴史を語りながら、たったひとりの自分自身の死を受け入れようとする気 持ちは伝わってくる。 視点によって大きく評価が割れそうな作品だ。こと私のように文頭のような心持ちだと、ちょっとした肩透 かしを食うだろう。
written on May 31, 2004
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