![]() ロスト・イン・トランスレーション Lost In Translation ★★★★★☆☆☆☆☆ 2003年 アメリカ 監督/脚本:ソフィア・コッポラ 出演:ビル・マーレイ / スカーレット・ヨハンソン / ジョヴァンニ・リビシ / アンナ・ファリス ☆こういう作品☆ 25年もの結婚生活で関係の冷め切った妻から逃げるように、CM撮影の仕事を引き受けて東京へやって 来た俳優のボブ(マーレイ)。一方、カメラマンの夫(リビシ)の仕事に付いて東京へやって来た若妻シャー ロット(ヨハンソン)も、結婚してまだ2年ながら早くも夫への魅力を失いつつあった。そんな2人が東京で 出会い、期間限定の現実逃避に繰り出す。 ☆こう観た☆ もし、私がかつて滞在したオーストラリアの人々を題材に映画を撮れと言われたら、夕方には仕事を終 えてパブで賑わうビジネスマンや、聞き取れない英語には露骨に不快感をあらわにする店員、今ひとつハ ジケていないテレビ番組などを描く。そしてそれは「オージーの一部しか描ききれていない」と酷評される だろう。ソフィア・コッポラも恐らく、自身が来日して実際遭遇した日本でのエピソードを元に脚本を書いたと 思われる。仏頂面で同質化しているビジネスマンや、頭下げまくりの店員、理解に苦しむバラエティ番 組、英語が通じない病院、勘違いしたカメラマン、頼りない通訳、etc。一緒に映画を観た人が開口一番 「日本のヘンなとこばっかり取り上げてる」と言ったが、前述のように外人が外国を描いたら多分こんなも のなのだろうと思う。 では、肝心のボブとシャーロットの描写はどうか。日本の風潮に踊らされまくるボブの姿は滑稽だし(ウ ォーキングマシンは爆笑)、シャーロットの淋しげな表情は、寺や生け花の静な空間と見事にマッチしてい る。しかし、彼らの孤独、出会い、別れまでの感情の変遷は日本独特の風によるものではない。ならば、 わざわざ舞台を日本にする必要があったのか?と素朴に感じてしまった。マーレイ、ヨハンソンの役作りは 完璧なだけに、もう一歩「日本の風に触れたから…」的な展開が欲しかった。
written on June 26, 2004
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