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プログレシブ・ロックとは何だろう。Part-32 |
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カンサスというバンドは1974年に「KANSAS」でデビューして以来、自然消滅・新メンバーを加えて再結成・オリジナルメンバー復活など紆余曲折を繰り返しつつ現在も活躍しているアメリカン・プログレ・ハードの元祖的バンドで、1998年には今までの名曲をロンドンシンフォニーと共演で再録した「オールウェイズ・ネバー・ザ・セイム」を発表し、2000年にはニューアルバム「サムホェアー・トゥ・エルスホェアー」をたずさえて来日公演(2001年1月)を行ったりもしている未だに現役バリバリのバンドです。![]() 他にも70年代から80年代にかけてアメリカン・プログレ・ハードの範疇に数えられていたバンドは数多くあり、スティクス、ラッシュ、ボストン、トト、ジャーニー等がその代表といえます。これらのバンドの中で一番歴史が古いのはスティクスでデビューは1972年。次がカンサスとラッシュで1974年アルバムデビュー。ジャーニーは1975年で、ボストンは1976年。トトが最後発で1978年です。これらのバンドは過去にそれなりの大成功をおさめたバンドばかりで、誰しもが彼等の曲を耳にしたことがあると思います。アメリカ的な爽やかなコーラスとシンフォニックなアン サンブル、ハードなサウンドとキャッチーなメロディーは彼等「アメリカン・プログレ・ハード」バンドに共通な特徴ですが、更にはそれぞれのバンドに特有の個性があってそこで更にリスナーの好みを分けたりしています。例えばジャーニーはテクニカルなギターとハスキーボイス・ソウルフルなボーカルが特徴的で、バラードが素晴らしい。ボストンはツインリードギターのスペイシィー&スピーディーなサウンド、印象的なメ ロディーと華麗なコーラスがかっこいい。ラッシュは演奏能力が特に優れていて、複雑な楽曲・変拍子を楽々こなすテクニカル・ハードロック・トリオ、世界観はSF的なコンセプチュアルなものを得意とする。スティクスはキーボードがかなり活躍するコーラスバンドで、ハードなギターも魅力的。トトはダブルキーボードと強力なギターが売り物のスタジオミュージシャンが結成したスーパーバンドと言うことができます。 その中にあって最もプログレライクなバンドがカンサスです。カンサスの編成は、中心人物であるケリー・リブグレンがギターとキーボードを両方演奏することと、ボーカルのスティーブ・ウォルシュがキーボードを弾きながら歌うため、変則的なツインキーボード・ツインギターバンドで、更にはバイオリン奏者のロビン・スタインハートがボーカルをとりますのでツインボーカルバントとも言えます。つまり、バイオリンのシンフォニックな響きが印象的なツインキーボード・ツインギターバンドで、パワフルなボーカルとコーラスが美しく、シンフォニックなハードロックを演奏する。と言うことになります(ついでに歌詞の世界観が観念的だったりして、本当にイイとこ取りのバンドです)。 カンサスの歴史を簡単に紹介すると、学校でクラスメートであったドラムスのフィル・エハートとギターのケリー・リブグレンが「ホワイト・クローバー」というバンドを結成し、そこにベースのデイブ・ホープが参加、バンド名を「カンサス」としたのがはじまりで す。その後一度分裂しカンサスというバンド名も使用されなくなりますが、フィル・エハートの呼び掛けでキーボード&ボーカルのスティーブ・ウォルシュ、バイオリン&ボーカルのロビー・スタインハートが集まり、そこにデイブ・ホープとギターのリチャード・ウイリアムスが参加、最後にオリジナルメンバーのケリー・リブグレンが参加してラインナップが完成し、1974年にカンサスの名前でファーストアルバム「カンサス」を発表しデビューすることになります。1975年にはジェフ・グリックスマ ンをプロデューサーに迎えメロディアス&シンフォニック・アメリカン・ロックの境地を開拓し、「ソング・フォー・アメリカ」「マスク」の初期の名作を発表しますが、商業的にはまだまだの感がありました。そして、1976年発表の「レフトオーバーチュア」が200万枚を 超す大ヒットとなり、ボストンと共にアメリカン・プログレ・ハードの旗手となります。続く1977年に発表した「ポイント・オブ・ノウ・リターン」も全米シングルチャート6位の「ダスト・イン・ザ・ウインド」を含む大ヒットアルバム(全米4位)となり、77年-78年のライブツアーを収録した「トゥー・フォー・ザ・ショウ」を1978年に発表しカンサスの黄金時代を築き上げます。そして1979年には単独プロデュースの「モノリス」を発表し来日公演も行いますが、ソングメーカーであったスティーブ・ウォルシュとケリー・リブグレンが相次いでソロアルバムを発表し、バンド活動に陰りが差しはじめ、19 80年発表「オーディオ・ビジョン」の発表を最後にスティーブ・ウォルシュが脱退、バンドは2年間の活動停止を余儀無くされることとなります。2年間の活動停止後の「ビニール・コンフェッションズ」(1982年)発表後はロビン・スタインハートが脱退し、「ドラスティク・ミーシュアーズ」(1983年)発表後ベストアルバムを残してバンドは自然消滅してしまい ます。その後、1986年スティーブ・ウォルシュが中心となりリチャード・ウイリアムス、フィル・エハートが参加して再結成され、その後ロビン・スタインハートも復活、最新作ではケリー・リブグレンも参加する形で完全にカンサスは復活を遂げ現在にいたっています(個人的にはリブグレンの作る曲が好きなのでこの復活は本当に嬉しいですね、でも来日公演には来ていなかったようです。ライブには参加せず作曲活動中心らしいです)。カンサスが他のプログレ・ハードのバンドと決定的に異なるのはやはりロビン・スタインハートのヴァイオリンではないでしょうか?時にはカントリー調に、時にはシンフォニックに、スピーディー&メロディアスなバイオリンの響きはカンサスサウンドにはなくてはならないものです。また、スティーブ・ウォルシュのハモンドオルガンも忘れてはなりません。彼はハモンドだけをプレイする訳ではありませんが、彼のハモンドプレイは本当にカッコイイですね。バイオリンとハモンドがユニゾンして曲のリフを構築し、そこにツインギターがかぶさるとカンサス独自のシンフォニカルなハードロックの世界が生まれる訳です。メロディアスな曲調、テクニカルな楽曲、スペイシーなサウンド、美しいコーラス、などアメリカン・プログレ・ハードを特徴づけるキーワードはいろいろありますが、それら総べてを網羅した上で、バイオリンのシンフォニックな響き、ダブルキーボードとツインギターによる重厚なアンサンブルを兼ね備え、特長の異なる2人のソングライターが作曲をしているとなれば、カンサスは究極のアメリカン・プログレ・ハードバンドと言うことができるのです。 ダーリンちゃん 2002.9.8 [HOME][MonthlyKEPY][DISK][LIVE][Comments][Backnumber][LINK] |
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