インタープレイ

記譜されたパッセージを奏するビッグバンドとは異なりスモールバンドの場合、テーマ提示部はもとよりインプロビゼーションの場において各パートのパッセージはお互いに影響し合います。言いかえれば、そのグループの作品はそれぞれのパートの個性に合わせたものにならざるを得ません。ドラムとベースの作り出すリズムがピアノやギターのバッキング、フロントラインに与える影響、またはその逆の相互作用がグループ独特のオリジナリティを生み出します。コード進行やモードとリズム、テンポのコンビネーションで音楽的ルールに基づいた色々な演奏形態が考えられますが、いずれの場合も指示された記譜上のパッセージを奏する場合を除き、インプロバイズされたパッセージを演奏する時はその場における各パートの演奏が他のパートに影響を与えながら作品を完成させて行きます。      そのため、場所、時間を違えてのまったく同一の作品というものは原則的にありませんのでスモールバンドにとってのインタープレイは重要であり、ジャズの普遍性に通じるものでもあります。

 

インプロビゼーション

インスピレーションに基づき即興でメロディライン、リズムを演奏することでアドリブと同義語。ジェリー・コカー著アドリブ入門によると、アドリブは直感・知性・感情・音感・習慣の5つの要素に支配されるとあります。

 

音楽的ルール

リズム、テンポ、コード進行、使用モード、表現方法を特定するための記号があり、ジャズの場合にも伝統的音楽で使用される記号が用いられます。(楽典および和声楽を参照)

 

コラボレーション

横浜モダンジャズクラブのひとつのテーマであるコラボレーションについてひとこと。言葉そのものの意味は共同制作という程度のものですがひとつの音楽グループとしての観点から捉えた場合、各パート(メロディー、リズム、オブリガート等)は一定の音楽的ルールのもとに異なった作業を行います。その作業をまとめ上げてグループのアンサンブルとして音楽的ルールに当てはまったものに昇華させるためのお互いの作業を意味します。

 

平均律

オクターブを12の半音に平均等分した音律(音階を構成する音の高さの相互関係)で、何調を演奏しても均質な響きを得られる利点がある。J・S・バッハが12平均律を定着させる目的で「平均律クラヴィーア曲集」を作曲したことにより、平均律はすべての調の演奏を可能にするすることが立証され、広く音楽の世界に押し出された。

 

ロンド形式

フランスの声楽曲の形式Rondeauから13−15世紀に生まれ18世紀に器楽曲として確立された。ロンド形式の特徴には小ロンド形式と大ロンド形式がありABACABA(+Coda)の形のものをロンドソナタと呼ぶ。