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第七項 弓道と筋力トレーニングについて


 今回は筋力トレーニング(以下筋トレ)について書きたいと思います。

 基本的にスポーツでは、それに見合った筋トレの方法が本などで出ています。弓道に関しては、一部トレーニング関連のものも出ていますが、非常に古い文献に古典的な方法が記されていることが多く、最近のものに関しても、まだ確立されたものとしては程遠いと思います。
 最終的には弓道連盟としてきちんとしたものが必要だと思いますが、まだしばらくかかると思います。

 弓道の競技特性を考えた場合、ラグビーやサッカーなどのコンタクトのある競技、武道で比較するなら柔道や剣道、相撲などで行うあまり激しいベンチプレスや、パワー系のトレーニングは向きません。
 弓力を上げる場合に、ある程度のパワー系トレーニングも必要ではありますが、注意して行わないと行射中に「ふるえ」がきたり、腕力のみに頼った手先の射となる危険性があります。
 初心者であれば、まだ感覚そのものがないので、まずは形を何とかするために深く考えずにやることは一つの方法です。

 弓道という競技では、呼吸に合わせた流れの中での動きが求められます。瞬間的に相手をかわしたり、対人的な行動は求められません。
 従って「ゆっくりと持続的に発揮する力」が求められます。

 では、何をすればいいのか?ある程度知識のある方なら、関節の安定と姿勢の維持をするために「インナーマッスル」を鍛えることが良いという考えが出てくると思います。
 ただ、この筋トレは筋肉の走行や働きが分かる人がそばにいないと、全く形だけのものとなってしまいます。
 「素引き」や「実際の射を多く引くこと」というのは、ある意味この問題の解決になります。引いて形を直せば確かに使うべきところが分かるし、結局実際の動きができなければ何にもならない、と。
 しかし、行射、素引きは誰もがやるべきことであって、高いところを目指してやる人が足りないものを補うために、筋トレは最低限『指導者なら考えているべきこと』であると思います。

 今書いた大まかなものを少し分かりやすくすると
 T:弓力を上げるためのパワートレーニングは、やるタイミングとやり方を考える
 U:巧緻性を上げるためにはインナーマッスルトレーニング
 V:実射も大切だがそれ以上を考えたい

 今回は皆さんに提案です。「一緒に弓道の筋トレを考えてみませんか?」  




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