Dead Memory


Write by Y-MICK






ヘロぉ〜、ミサト。








ちゃ〜んす・・・








それじゃ、今夜は二人っきりね。








無理しちゃってさ・・・・馬鹿・・・・








これで借りは返したわよ。








使徒を肉眼で確認!これで急がなくちゃいけないことが分かったでしょ?








バカッ!何やってんのよっ!!








ねぇ・・・・キスしようか・・・・








もう二度と・・・負けらんないのよっ!!!








いやぁぁぁっっっ!!!アタシの心を犯さないでぇぇぇっっっ!!!








シンクロ率ゼロ・・・・セカンド・チルドレンたる資格なし・・・・か・・・・








死ぬのはイヤ・・・・死ぬのはイヤ・・・・・死ぬのはイヤ・・・・








ママッ!分かったわ、ATフィールドの意味!








殺してやる・・・・殺してやる・・・・殺してやる・・・・








アンタとだけは・・・・死んでもイヤ。








気持ち悪い・・・・・・・・・・
















「・・・・はっ」

ピピッ、ピピピッ・・・

夢・・・・
夢かぁ・・・・・
なんて夢を見るのかしらねぇ・・・・こういう日に限って・・・

昨日は・・・・何があったのかぜんぜん覚えてない。
もちろん、ある事以外はね。

昨日・・・・
思い出すだけで顔が火照ってきちゃうわ。
だって・・・ねえ・・・




−−−−−−−−回想

「アスカ・・・・ちょっと・・・・いいかな・・・・」
「良いけど・・・・何?」
「ここじゃ・・・・ちょっと・・・・」
「????」

こいつ・・・・碇シンジ、アタシの幼なじみが急に話し掛けてきたの。

「なんや碇、とうとう惣流に告白かぁ?」
「違うよ・・・・トウジ・・・・」
「何や・・・・つまらんのぉ・・・・そんならケンスケ、わいらはゲーセンで待ってるさかい」
「早く来いよ、碇」
「分かって・・・・いるよ・・・・」

この時に気づくべきだったのよね・・・
シンジがいつもと違うこと。




「・・・・で、何?アタシをここに呼び出して」
「うん・・・・」

アタシとシンジは校舎裏にある大きな木のところにいた。

ひゅぅぅ〜〜

「んっ・・・」

何か・・・アタシとシンジの間に・・・そう、風が吹きぬけた。

まだシンジは話し出さない。
アタシは吹いてくる風で髪を乱されたのを直しながらシンジの次の言葉を待っていた。

「シンジ・・・・用が無いなら・・・・アタシ・・・・・」
「アスカ・・・・・・僕はね・・・・アスカのことが・・・・・・」

えっ?!
アタシのことが??

アタシは帰ろうとしていたの。
シンジが優柔不断だって言うことは知っていたんだけど、なんか雰囲気が・・・
そう、雰囲気がなんかヤだったの。
だからすぐにその場を離れたかったんだけど、急にシンジが・・・・

「僕はアスカのことが・・・・・好きだ。そばに・・・・ずっと側に居て欲しい人だと思ってる」

アタシは真っ白になった。
文字どおり、頭の中が真っ白になったの。

「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・アスカ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」

シンジの呼びかけにもアタシは応じれなかった。
それほどまでにショックな出来事なんだもん・・・

ぽろぽろ・・・・

「アスカ?!泣いているの?!・・・そうだよね・・・こんな男の告白なんて・・・・いやだよね・・・」
「え?!・・・あ・・・ち・・・・違うわよ・・・・・嫌なんかじゃ・・・・・ないのよ・・・・」
「あ、アスカ・・・・」

不覚。
アタシが生を受けてから初めての不覚だったわ。
こんな・・・・シンジの告白で泣くとは・・・・アタシも思わなかったもの。
でも・・・・・・正直うれしかった。

「アンタが・・・自分から告白してくるとは思わなかったのよ・・・・」
「アスカ・・・」
「でもどうしてなの?なんでアンタ急に・・・・」

もう涙は止まっていた。

「う〜ん・・・・やっぱり・・・・あれかな・・・・」
「あれ?」
「うん・・・・・綾波に指摘されたからかな・・・・」
「レイに?!」
「あれからだと思うよ、僕が意識し始めたのは」

レイ・・・アタシとシンジが恋人同士だと転校初日に言った女。
一ヶ月たった今は友人だけど、あの日はとってもむかついた。
嫌な女だと思ったわ、軽薄そうだし。

でも・・・・アタシもあの日くらいからなのかしらね・・・
シンジを異性として再認識して・・・・その・・・
き、気持ちに気づき始めた・・・・のは・・・・・

「綾波に言われて初めて意識し始めたなんて少しヤダと思うけど・・・・
 僕は今はアスカが好きだ・・・・付き合って欲しい。
 幼なじみじゃなくて・・・・こ・・・・恋人として・・・」

いきなり告白なんて・・・・・・・
アタシは戸惑った。
恐くなったりもした。
今の幼なじみ同士の良い関係が崩れやしないかと。

でもシンジは一歩踏み出した。
だからアタシも・・・・・アタシもその一歩を踏み出そうと思う。

「・・・・・・・・はい・・・・・・・」

アタシの言葉はすごく小さかった。
シンジには聞こえなかったかもしれない。

「・・・・・・ありがとう」

よかった・・・・・・シンジはちゃんと聞き取ってくれたんだ・・・・
”アタシ”の言葉を・・・・・

−−−−−−−−回想終わり




かあぁぁぁっっっ!!!


は・・・恥ずかしい・・・
思い出しただけで恥ずかしいわ・・・

でも・・・・夢・・・・・
あの夢は何だろう・・・・
アタシが変なロボットみたいなの・・・・
そう、あの夢の中では”エヴァンゲリオン”とかいってたっけ。
アタシがそれに乗って・・・戦って・・・・・・・そう・・・・
精神崩壊・・・・あれかしら・・・・あれになってしまって・・・・・
最後に・・・・・

シンジに首を絞められていた・・・・・

夢は心の奥底にある願望などを映しだすって聞くけど・・・・
もしそうなら・・・・・
アタシは・・・・・

シンジに首を絞められたいと思っていることになる・・・・・・




ま、いいわ。
どうせ夢の中での出来事。
現実じゃないわね。

で、今何時・・・・・・・
え?!
・・・・・・・・・・・・・・・・

や、やばいわっ!遅刻よ遅刻っ!!!

はい?今日は休みですって?
学校じゃないわよっ!
今日は初めての”恋人同士”としてシンジとデートなのよっ!!
ああっ!!
時間が無いわ・・・・

えっと・・・・まずはシャワーよ!

しゃぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・

ふぅ・・・次は髪をブロー・・・・・

ぶろろろろろろろろ・・・・・

おしっ!で下着は・・・・万が一(ぽっ)を考えて・・・これで良いわ。

服は昨日用意してあるから良いとして・・・・
お化粧はシンジが嫌いだからしない・・・と言うかしなくても十分・・・・

最後に鏡を見て・・・・うんっ!今日も可愛いわよっ!アスカっ!


















「アスカ、良い天気でよかったね」
「う・・・うん・・・そうね・・・」

あたしとシンジは遊園地にきていた。
昨日、告白の後一緒にここにいこうと誘われたからなの。

でもシンジ・・・・なんで平然としてるのかしら・・・
アタシなんて・・・・シンジの顔をまともに見れないと言うのに・・・

「アスカ、ほらアスカ・・・」
「な、なに・・・・シンジ」
「あれ、乗らない?」
「い、いいわよ」
「じゃ、いこう」
「う・・・・・うん」

アタシ達は手始めに”コーヒーカップ”に乗ることにした。
でも・・・今日は駄目だわ・・・・シンジの顔をまともに見れないし・・・・
見るとすぐに顔が火照ってくるし・・・


「アスカ・・・・観覧車・・・・乗らないか?」
「うん」

あっ、っというまにもう夕暮れ。
アタシ達はこの日、ジェットコースター、お化け屋敷、ミラーハウスなど、
この遊園地の大部分の施設を回った。
そして最後に乗るものは、お約束の観覧車。
一度やってみたかったシチュエーションなの。

カラカラカラカラ・・・・・・・

観覧車は一周約20分。
アタシとシンジは向かい合って座った。

「アスカ・・・今日は無理言ってごめん」
「誤る必要はないわよ。アタシも楽しかったし」
「でも・・・昨日の・・・今日だから・・・」
「良いって。それより隣り、行っても良い?」
「あ、うん。いいよ」

アタシはシンジの隣に座ることにした。
観覧車はすでに4分の1が経過したところ。
まだ二人っきりの時間はたっぷりある。

アタシはシンジの隣りでシンジの顔を見た。
朝と違ってシンジの顔をちゃんと見れる。
何でだろう・・・どきどきはしているのに・・・・

「ねぇ・・・・シンジ・・・・」
「ん?」

アタシはシンジを呼びかける。
少しだけ目をつむる。
シンジはそれを察したのか、何も言葉を出さなかった。
そしてシンジはそのままアタシの唇に重なってくれた。

観覧車はちょうど半分、一番上にきたときだった。

シンジとアタシはまだキスしたままだった。
ちょっと苦しくなってアタシは鼻で息をした。
シンジに分からないように、そっと、ゆっくりと、軽く。

(あ・・・・・シンジの香り・・・・)

息をしたとき、シンジのにおいがした。
アタシのパパや、ほかの男達とは違う、

そう、シンジのにおい・・・・・

(何か・・・・・・落ち着くな・・・・)

アタシはキスしたまま、こんな事を考えていた。




観覧車が4分の3に達したとき、アタシ達は離れた。
その後は二人とも無言だった。
それよりも、何かしゃべっちゃ行けなかったんだと思う。

アタシは、そう思う。




観覧車から降りて、シンジはアタシの手を取ってきた。
アタシはびっくりしてシンジを見る。

「・・・・・・・(にこ)」

シンジは笑顔を見せた。
アタシは一瞬赤くなったけど、すぐに元に戻ってシンジの手を握り返した。

暖かかった。
なんかシンジの今の心のような感じがした。




アタシとシンジは家に帰ってきた。
じかんは大体19時くらい。
今は夏だからちょっと薄暗いくらい。
傍目からシンジの顔はよく見えない時間帯。
でもアタシにははっきり見えた。

「アスカ・・・・今日はありがとう。また・・・・僕と一緒に・・・・・」
「うん・・・一緒に・・・・ずっと一緒にいようね・・・シンジ」
「アスカ・・・・・・お休み・・・」
「お休み、シンジ」

シンジは隣の家に入っていった。
あたしはそれをずっと見た後、自分の家に入った。




しゃぁぁぁぁ・・・・・

シャワーで一通り汗を流した後、あたしは湯船に浸かる。

「アタシ・・・・今日・・・・・・シンジと・・・・・・キス・・・・したんだよね・・・」

確認するように、唇に指を当てて、誰にも聞こえない、
自分だけに言い聞かせるために、アタシはしゃべった。

「シンジ・・・・・・」

アタシの好きな人の名前を声を出して言ってみる。
途端に顔が火照ってくる。

アタシは感じた。
本当にシンジが好きなんだと。

「でも・・・・・夢・・・・あの夢は一体・・・・・・」

そう、夢。
アタシが今朝見た夢。
何だったんだろう・・・・・
かなりリアルな夢のようなきがする・・・・・
アタシが実際に体験したような・・・・・あれこそが現実のような夢。

「でも夢よね・・・・」

あれはアタシが見た夢に過ぎないんだ。
そう思うことにした。

そうじゃないと・・・・あんな夢が現実なんてアタシは嫌。

アタシは今が、シンジが好きだと言う気持ちがある世界が現実だと思うことにする。
アタシは・・・・・ここで幸せが・・・・・アタシを見てくれる人が・・・・・

いると信じているから。

アタシの好きなシンジが、アタシを見てくれると信じるし、感じるし、思えるから。


FIN




あとがき


ども、(^^)Y-MICK言います。
今回、LASを投稿させていただきました。

一応この話の解説などを・・・
今回のアスカちゃんですが、弐拾六話のあの世界のアスカちゃんです。
ですからエヴァとかサード・インパクトかは一切無い・・・・事はないんです。
この話の題名、Dead Memory・・・つまり死んだ記憶。
ここでのアスカちゃんは、エヴァ世界の記憶を失った形でこの世界で生活している。
早い話が、サード・インパクトで別世界に行っちゃった、とでも思ってください。
この話はそこから始まるものなのです。

一応話の内容はラヴラヴ。
アスカちゃんの一人称として書いてみましたが・・・いかがでしょう。
感想メール、もちろん大歓迎です。
アドレスはここまでっ!!
返信率(最近は)99.89%ですっ!!(笑)



艦長から一言

うーん、激甘(笑)。

あんみつに砂糖をぶち込むよりさらに甘いっす。

私が頻繁に出入りさせてもらってるチャットで「投稿欲しいなー」って言ったら即座に引き受けてくれました(笑)。

感謝感激雨霰(爆)。

一見、イタい系の話かと思って蓋を開けたらこの甘さ(笑)。

さあ、あなたもY−MICKさんのHPへ行くんだ!

ちなみにここ

メールアドレスを持っていない方は、乗員休憩所(BBS)に書き込んで下さい。

続編が読みたい人はどんどんメールを出しましょう!(爆)