魚雷発射管室に戻る”X−69”発令所に戻る/NEXT
 
 

えー・・・・

この先は18歳未満は読んじゃいけません(笑)

特定のキャラに愛着をお持ちの方も、やめといたほうが無難です。

もし、読んで不快な気分になっても責任はとれません。抗議のメールは受け付けますが・・・・できれば励ましのメールの方がうれいしいなあ(笑) 
 



 

 
 
 
 
 
 

そして、胸が沸騰した。

耐えるシンジ。

モニターは全面で砂嵐を映し出している。

こうなってはA・Tフィールドを張る事も出来ない。

シンジにその余裕が失われているからだ。

「!!!!!」

発令所では耳障りな警報が鳴りっぱなしになっている。

ミサトが悲痛な叫び声を上げる・・・・
 
 
 

「シンジ様ぁ!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

We are crazy for you!
第6話「”決戦・第三新東京市”・・・僕が負けるとでも思ってるの?」
(A−part)

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「戻して!早く!!」

焦りと共に叫ぶミサト

命よりも大事な御主人様が傷つけられたのだ。

焦りもする。

すると初号機はそのままの姿勢で今度は地中へと潜り込んでいく。

加粒子砲の火線が初号機からそれると、地上に盛大な火柱が立つ。

「目標、完黙!」

「シンジ君は!?」

《とりあえず、生きてますよ》

モニターに苦痛に顔を歪めるシンジの姿が映る。

「!!・・・よかった・・・」

脱力しそうになるミサト。

「ミサト、念のために検査を」

リツコがいう。

「そうね・・・シンジ君?そのまま医療センターへ行ってもらいます」

《わかりました・・・少し休ませてもらいます》

その声と共にシンジの顔を映していたモニターは消える。
 

あん・・・もうちょいシンジ様の顔見てたかったのにぃ・・・

・・・シンジ様・・・痛々しい姿も素敵だわ・・・
 

奴隷二人はまったく場にそぐわないことを考えていたりする。

「さて・・・・困ったわねえ・・・・」

ミサトが顔をしかめて、いかにも困ってます、というような顔をする。

「ウチのエースパイロットが一撃でやられちゃったわね。どうするの?」

リツコが少し冗談っぽく尋ねる。

「ホント、どうしようかしら?」

「使徒が動きます!!・・・・ってなんだこりゃ!?」シゲルが素っ頓狂な声を出す。

「どうしたの!」

「使徒の下面から・・その・・・・ドリルのようなものが伸びています」

「ドリルぅ!?・・・・メインのモニターに出して」

「はい」

モニターに映し出されるそれは、確かに地面を掘り進む巨大な掘削シールド(のようなもの)。

「・・・・どうやら、ここに直接攻撃してくるみたいね」

リツコが冷静に分析する。

「ふん、しゃらくさい・・・・一億年早いわよ」

《サードチルドレン、医療センターに収容しました》

発令所のスピーカーががなる。

「リツコ、ここお願い。シンちゃんの様子を・・・」

「私が行きます」

後ろからそんな声がかけられた。

「ユイさん!」

碇ユイが発令所に現れたのだ。

「もう大丈夫なんですか?」

リツコがやや心配そうに尋ねる。

ユイの衰弱状態は、当初全治2ヶ月と診断されるほどのものだった。

が、目の前にいるユイは血色も良く、病み上がりにはとても見えない。

白いブラウスと、黒のフレアスカートがよく似合っている。

どこから入手したのかは謎。

「息子が戦っているのに暢気にベッドで寝てなどいられません」

そう、戦っているのは彼女の息子   兼愛人、だが   なのだ。

「ユイさん?・・・・このあと、どうなさるおつもりですか?」

リツコが今後のことについて尋ねる。

「そぉねぇー・・・のんびり暮らしたいんだけど、ダメでしょ?」

「当たり前です」

ピシャリと締めるリツコ。

「やぁーねぇ・・・冗談よ。怒るとキレイな顔が台無しよ?リッちゃん」

それを聞いてリツコはフッと顔の力を抜く。

彼女のことを”リッちゃん”などと呼べるのは、彼女の母親か、ユイくらいなのだ。

リツコはまだ高校生くらいの頃にユイから可愛がられていた。

そしてユイは二人に手招きして耳を寄せるようにうながす。

「「?」」

よくわからないが、とりあえず言われた通りユイに近づいてひそひそ話状態になる。

「ふたりとも、シンジに気に入られたんでしょ?」

ぼそっと小声で。

ミサトとリツコはビックリしてユイを見る。

「二人みたいな綺麗な子達、シンジが放っておくはずないからね」

ニヤリと笑いながら。

するとミサトとリツコはやはり同じようにニヤリと笑う。

「私達の”御主人様”ですから」

これはリツコ。

「ってことはユイさんも?」

これはミサト。

ユイは小さく頷く。

「シンジに一度抱かれたら、絶対に離れられないわよ♪」

三人は顔を見合わせてニヤリと笑う。

端から見ると、そーとーに不気味な構図だ。

「まだ誰かいるの?」

言葉は足りないが、そこは同じ男   しかも14歳の少年!   を崇める女達。

「ええ・・・あとはレイと」

「あら、レイちゃんも?・・・さすがシンジ、手が早いわねぇ」

「それにそこにいるマヤも・・・」

リツコが指でコンソールにつくマヤを指す。

ユイもそれを見、マヤが振りかえる。

マヤは今までの会話をまったく聞いていないが、女同士の論理を超越したものがテレパシーのように飛び交い、マヤをこっくりと頷かせる。

「はー・・・シンジってホント、面食いねぇ」

「自画自賛してどうするんですか」

くすくす笑いながらリツコがいう。

「あ、それもそーね・・・・・」

そういうとユイはひそひそ話状態を解く。

「・・・さてと・・・それじゃこっちはお願いね」

「はい。シンジ君をよろしく」

「あとで私達もお見舞いに行きますから」

「んじゃね」
 
 
 
 
 
 
 
 
 



 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ユイはネルフ本部内の奥まった場所にある医療センターに来ていた。

ネルフにおける総合病院のようなものである。

身体の外傷治療は当たり前。

使徒と相対する重圧下にあることも考慮して、”性の悩み相談室”まである。

ユイはそんな所の、関係者以外立ち入り厳禁の区画にいた。

「で、どうなの?・・・・精神汚染の危険は無いの?」

こじんまりしたその部屋にはユイと白衣を着た男の二人しかいなかった。

「ええ、それはありません。現在も検査中ですが異常は見つかっていません」

「そう・・・・よかった・・・・」

純粋な、母親の顔を見せるユイ。

「しかし・・・・信じられませんよ」

「?・・・・なにが?」

「体についてるいくつかの傷ですよ」

「・・・・・・・・」

「私はこう見えても元は軍医でしてね。戦場でつく傷は見なれてるんですよ」

「で?」

すこしユイの声が険しくなる。

「あの子についている傷は大半が銃創、もしくはナイフのような鋭利な刃物でつけれらたものです」

「・・・・・・」

「間違い無く、戦場で戦ってきた証拠ですよ・・・反対側から見れば、この子はかなり歴戦の兵士と言えます」

ユイの脳裏にはある男の顔が浮かんだ。

野分ユウジ。

夫(とはもはや考えていないが)の異母兄弟、世界を駆け巡る傭兵隊長。

というより、彼ぐらいしか心当たりが無かった。

そしてそれは大当たりなのだが。

「わかりました・・・・このことは以後最高機密に指定します。あなたも口外しない様に」

それを聞いた医師は苦笑を浮かべる。

「言ったって、誰も信じやしませんよ・・・脱がせなければ傷は見えませんからね」

つまり、シンジが篭絡した女達は皆それを見ている、ということなのだ。

ユイもつられて笑みを浮かべる。

「ふふ・・・・それもそうね・・・・面会はできます?」

「ええ、まったく構いません」

「無粋なものは病室についてないでしょうね?」

ここだけは他者を圧倒する迫力を滲ませて尋ねるユイ。

「ありません!」

雷に打たれたように、背筋を伸ばして答える医者。

「よろしい」

ユイはそれだけ言って、部屋を出ていった。

「????」

あとに残されたのは哀れな医者だけだった。
 
 
 
 
 
 
 
 



 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「シンジー・・具合はどぉー?」

ノックもせずにドアを開けるユイ。

「あ、母さん・・・もう体はいいの?」

ベッドに横たわったまま、顔だけ向けるシンジ。

別に負傷しているわけではない。

面倒くさいだけだ。

スタスタとベッドの脇、シンジの頭の側まで近づく。

「早く体直さなきゃ、シンジを可愛がってあげられないじゃない」

そういってシンジの瞳を覗き込むようにする。

「目を瞑りなさい・・・マナーよ?」

「はいはい・・・」

くすくす笑いながらも素直に従う。

そしてキス。

親子のというより、熱愛中の恋人達にこそ相応しい、ねっとりとしたもの。

「あむっ・・・んふ・・・」

ユイは息子の舌を十二分に堪能してから唇を離す。

「さっき、ミサトちゃんとリッちゃんに会ったわ」

「ふーん」

「ふたりとも食べちゃったんでしょ?」

「うん」

至極あっさりと頷くシンジ。

それを聞くとユイはシンジに抱きつくようにしてベッドに上がり、囁く。

「母さんと比べてどっちが良かった?」

シンジは少しだけ眉を吊り上げる。

「母さん?・・・それそこマナー違反だよ?」

マナー違反ってあんた・・・

母親をいっちゃん最初に抱いた時あんた、なんて言った??(※第2話Aパート参照)

シンジは抱き着いていたユイを剥がすと、逆に組み敷くような格好になる。

「あ・・・ご、ごめんなさい・・・」

ユイは慌てて謝るが、もう遅い。

シンジはシーツなどを引き剥がしてユイの腕をベッドにくくりつけてしまう。

「シンジ!?解いて!」

じたばたとするが、むろんどうにもならない。

シンジは母の耳元に口を寄せる。

「だめだよ。これからお仕置きなんだから」

耳に吐息を感じてイッてしまいそうになるユイだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 



 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「んじゃ、始めましょうか」

シンジが実の母親に”お仕置き”している頃、ミサトは”検証”の手筈を整えていた。

「了解・・・・ダミー、出ます」

マコトが答えると、正面のモニターには初号機が写る。

彼が言ったように、これは1/1のバルーン・ダミーである。

「まもなく加粒子砲の予測射程内に入ります」

湖に浮かべられたダミーは、銃を構える格好をしつつ、使徒に接近する。

だが、使徒の中央部が光ったと思うと次の瞬間にはダミーがあったところは特大の水柱が立っていた。

「ダミー蒸発!」シゲルがわかりきった結果を伝える。

「次」

”検証”2番手が使徒から多少離れた所にあるトンネルから現れる。

12式列車砲。

パルス・ビームを使う光学兵器である。

「主蓄電システム、充電率43%・・・・連続射撃は2回が限界です」

「いいわよ・・・・たぶん2回も撃てないから・・・・用意出来しだい発射」

「了解・・・・発射します」

マコトがコンソールのキーを押すと、無骨な列車砲から白熱した光が撃ち出され、使徒に向う。

だが・・・・

使徒の前面に”あの”オレンジ色の壁があらわれ、パルス・ビームを弾く。

そして、お返しとばかりに加粒子砲が放たれ、列車砲を吹き飛ばす。

「ふん・・・・予想通りね・・・・次!」

「了解です。では射撃を要請します」

「しっかし・・・海自は物持ちがいいわねぇ・・・戦艦なんかどこにモスボールしてあったのやら・・・」

広島県は呉市だったりする。

「たしかあの戦艦、元はドイツ製らしいですね」

マコトがどうでも良いことを補足する。

「あら、そうなの?」

そういうことには疎いミサト。

「なんでも2次大戦中にドイツで建造中だった戦艦を買い取ったらしいですよ」

「ふーん」

「データは別系で送信済みです・・・・急速射で願います」シゲルが通信しているのが聞こえる。

《データ確認。初弾は既に発射》

おそらく、あらかじめ狙いをつけていたのだろう。驚くほど機敏な対応だ。

《着弾まで2分45秒》

胃が焼けるような数分が過ぎ、着弾の時間がやってきた。

《着弾まで5秒・・・4・・・3・・・2・・・・弾着、今!》

はるか海上に錨を沈めた戦艦から送り込まれた8発の42サンチ弾は、見事なグルーピングを描いて使徒とその周辺に着弾し、目が眩むほどの閃光と爆炎を発生させる。

だが、煙が晴れた後に見えたのは、撃たれる前と変わらぬ状況で地中を掘り進む使徒の姿。

なぜか反撃は行われない。

一部始終をまばたきもせずに注視していたミサトはほんの少しだけ表情を緩める。

「なるほどね」
 
 
 
 
 
 
 
 



 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「これまで採取したデータによりますと、目標は一定距離内の外敵を自動排除するものと推測されます。その証拠に相模湾から砲撃を加えた海自の戦艦『しきしま』は目標からの反撃を受けていません」

発令所から壁一枚隔てた所にある作戦室。

ここで”検証”で得られたデータから対策を練る会議が開かれていた。

「エリア侵入と同時に加粒子砲で100%狙い撃ち。近接戦闘は危険過ぎますね」

マコトが自らの分析を加える。

「A・Tフィールドは?」

ミサトが敵のもっとも強力な防御手段について尋ねると、別の作戦部員が答える。

「健在です。相転移空間を肉眼で確認できるほど強力なものが展開されています」

「誘導弾、火砲、爆撃等の生半可は手段では泣きを見るだけですね、こりゃあ」

「攻守共にほぼパーペキ。まさに空中要塞ねぇ・・・・・で、問題のシールドは?」

「現在、目標は我々の直上、第三新東京市ゼロエリアに侵攻、直径17.5mの巨大シールドがジオフロント内、ネルフ本部に向けて穿孔中です」

「到達予想時刻は?」

「明日0時6分54秒です・・・・その時刻には22層すべての特殊装甲を貫通してここへ到達するものと思われます」

「あと10時間足らずってワケね・・・・・・・・で、初号機の状況は?」

モニターが切り替わり、格納ケイジにいるリツコとマヤが写る。

《胸部第3層まで見事に融解・・・・機能中枢をやられなかったのは不幸中の幸いだわ》

スピーカーから響くリツコの声。

《あと3秒照射されたらアウトでしたけど》

シンジがピンチになった時は全身を硬直させていたマヤ。

《表層の方は3時間ぐらいで換装できるわ》

「了解・・・・零号機は?」

マヤが質問に答える。

《再起動自体に問題はありませんが・・・フィードバックにまだ若干の誤差が残っています。》

《でも、取っ組み合いの格闘戦以外なら   

   いけるわね・・・」リツコの台詞の後を継いでミサトが結論する。

「とはいえ、状況は芳しくないわね・・・・日向君、なんかいい方法思い付く?」

「無条件降伏」マコトがミサトとは視線を合わせずに言う。

ミサトはそれを聞いて、苦笑する。

「アタシ達にそれが選択できるのなら、こんな戦い初めからしてないわよ」

「たしかに」

「それに、悪あがきぐらいはやってみせるわ・・・・・・」

もっとシンジ様に可愛がってもらいたいからね♪

心の中だけで、そう付け加えるミサトだった。
 
 
 
 
 
 

「目標のレンジ外、超長距離からの直接射撃かね」

司令公室(要するに執務室)に作戦の上申に訪れたミサトに冬月がやれやれ、とでもいわんばかりに言う。

ゲンドウがとんずらかましたので、彼が代理司令を勤めている。

いずれ、正式な新司令が着任するらしい・・・・という噂がネルフ内ではまことしやかに流れている。

「そうです。目標のA・Tフィールドを中和せず、高エネルギーによる一点突破しか方法はありません」

「”マギ”はなんといっているんだ?」

「スーパーコンピューター”マギ”による回答は賛成3でした」

「成功率は5割か・・・」

「ただし、サードが初号機に乗って出撃する、という前提です」不敵な笑みを浮かべながらミサトが応じる。

シンジ・・・・スパコンまでたらしこんだのか??

冬月はいくらか考え込んだが、

「ふむ、他に手が無ければ仕方あるまいな」

「はい」
 
 
 
 
 
 
 
 

「また無茶な作戦を立てたものねえ。葛城作戦部長さん」

長い長いエスカレーターを下るミサトとリツコ。

「無茶とはまた失礼ね・・・・残り9時間で実現可能、おまけにもっとも確実で、シンジ様の負担も少ないのよ?」

心外だ、とばかりにヘンな顔をするミサト。

「これがねえ」

二人はエヴァのケイジとは別の格納庫に出る。

そこには奇妙なカタチをした銃があった。

しかもエヴァサイズの。

「ウチのポジトロン・ライフルじゃそんな大出力には耐えられないわよ?・・・どうするの?」

「決まってるじゃない。なければ有るところから分捕ってくるのよ」

リツコはいぶかしげな表情になってミサトを見る。

「分捕るって・・・・まさか・・・・」
 
 

「そ。戦自研が意地になって開発してる例の奴よ・・・・シンジ様が楽に戦えるならなんだってするわよ?」

「同感ね」
 
 
 
 
 
 
 
 

「以上の理由により、この試製14式自走陽電子砲は本日15時より、特務機関ネルフが徴発いたします」

戦略自衛隊研究所つくば分室に乗り込んだミサトは、一切の虚飾を省き、要点だけ伝える。

「そ、そんな・・・・」

対応するために出てきた男は見るからにあたふたしている。

「可能な限り原形を留めて返却するよう努めますので・・・・壊れた時はごめんなさいね♪」

そんなことを楽しげに言われてもどうしようもない。

ミサトは天井を見上げて叫ぶ。

「いいわよー、レイ。持っていってー」

その声と共に天井が丸ごと引き剥がされ、その隙間から零号機が顔を覗かせる。

「精密機械だからそーっとね!」

すると、零号機の手が隙間から伸びてきてミサトの後ろにあるコンテナを持ち上げる。

それを見上げるミサトとマコト。

もうちょっと穏便な輸送手段は考えつかなかったのか、オイ?

「しかし・・・・A・Tフィールドをも貫くエネルギーは最低でも1億8000万kW。それだけの大電力をどこから持ってくるんですか?」

「決まってるじゃない」

ミサトは振り返り、マコトに顔を向ける。

そこには、一人の少年の為ならありとあらゆる悪行を平然とこなせる”自信”があった。
 
 
 
 

「日本中よ」
 
 
 
 
 
 
 



 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

《番組の途中だけど、ここで臨時ニュースを伝えるよー。今夜午後11時55分から明日未明まで、全国で電気が止まっちゃうんだ。ま、不便だけど割り切って協力してね♪・・・・繰り返すよぉー・・・・・・》
 
 
 
 
 
 
 
 



 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ネルフ本部第1発令所。

大車輪ですすめられる作戦準備が早いか、ゆっくりと、だが着実に本部にせまる使徒が早いか、歴史上類を見ない競争が始まっていた。

《敵シールド、第7装甲板を突破》アナウンスが敵の足の速さを伝える。

「エネルギーシステムの見通しは?」

そんなアナウンスなど無かった様に振る舞うミサト。

《現在、予定より3.2%遅れていますが、本日2310にはなんとかできます》

「ポジトロン・ライフルはどう?」

《技術開発部第3課の意地にかけても、あと3時間で形にしてみせますよ!》

「了解・・・・防御手段は?」

《それはもう、シールドで防ぐしかないわね》スピーカーからはリツコの声が聞こえてくる。

《・・・これがシールド、ですか・・・》マヤのちょっと不安そうな声もスピーカーから流れてくる。

二人は不格好で無骨な”盾”のようなものの前にいる。

《そう。要はSSTO(軌道往還機)の機体下面を切り取っただけよ・・・・見た目はヒドくても、元々底部は超電磁コーティングされている機種だしね。プラスアルファで外側には鏡面加工した特殊鋼を、内側には800ミリのチョバム・アーマーを張りつけたから、効果は見た目ほどひどくないと思うわ》

「”思う”じゃ困るんだけど・・・ま、いーか・・・・狙撃地点は?」

最後はマコトに向けたものだ。

「目標との距離、地形、手頃な変電設備を考えると・・・・やはりここです」

マコトはディスプレイに現れたひとつの地を指し示す。

「・・・・確かにいけるわね・・・・」

そこまで言うとミサトは口調をガラリと変え、厳しい声にする。

「狙撃地点は二子山山頂!・・・・・・・・作戦開始は明日零時。以後本作戦を『瑞穂作戦』と呼称します」

「了解」

ミサトは頭を切り替え、別のことを考える。
 
 
 
 

『はぁ・・・忙しくてシンジ様の見舞いにも行けないわね・・・』
 
 
 
 
 
 
 



 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

シンジはユイの隣で眠っていた。

いつでもどこでも寝る、というのは実戦経験のある兵士なら誰でも出来る。

僅かな休息の間に仮眠を取り、起きたらまた戦うのだ。

実のところ、体の内も外も損傷は無いと聞かされて、なら早く出してくれと直訴したが、安静にしていろとここに放り込まれているのだ。

ユイはシーツで柔らかく腕を拘束されている。

ハッキリ言ってどんな拷問にも勝る苦痛だった。

早くシンジと肌を重ねたいのにできない。

じれったいことこの上ない。

そして爆睡中のシンジだが、何らかの気配を察すれば意識はすぐさま常態に復帰する。

今もドアの向こうに気配を感じたシンジは、熟睡していたのがウソのようにカッと目を見開く。

そして、病室のドアが開けられる。

「マヤさん」

何かを乗せたワゴンを押して入ってくるマヤ。

「シンジ様・・・・お具合は?」

本当に心配そうな表情でシンジを見つめる。

彼女は忙しすぎて来れないミサトとリツコの替わりにやってきたのだ。

本来なら彼女も忙しいのだが。

「うん大丈夫マヤさんにも心配かけちゃったね」

マヤはチラリとユイの方を見る。

目は会わせない。

「マヤさん、ちょっと頼みたいことが」

「なんなりと」

なんか、シンジの垂らしこんだ女性達の中では彼女が一番”奴隷”らしいような気がする。

「この区画って、シャワーが無いんだよね・・・汗かいて体中ベトベトなのに」

「ではタオルで」

「うん、お願いします」

恨めしそうに見つめるユイの視線を振りきって部屋を出ると、どこからかタオルを調達してそれをお湯で濡らして絞り、また部屋に戻ってくる。

「それでは、失礼します・・・」

そう言ってマヤはシンジの病院着、その上着を脱がせる。

そして、肩口のあたりから拭いていく。

余分な力をかけずに、あくまで優しく。

ユイはその様子を忸怩たる思いを抱きながら、黙って見守る。

「シンジ様、首を上げてください・・・」

「こう?」

くいっと顎を上げて首筋が見えるようにする。

「はい」

するとマヤは丹念にそこを拭く。

シンジは手持ち無沙汰になったのか、マヤの制服、その上着のファスナーを降ろし、その隙間へ滑るようにして手を忍び込ませる。

首筋を拭いているマヤの手が僅かに震える。

「んあっ・・・」

「マヤさん、まだブラジャーつけてないんだ?」

感触は柔らかい。

だが、柔らかい中にも指を跳ね返すような弾力もある。

たとえて言えばつきたての餅。

「・・・はい・・・」

「じゃあ、下も?」

もう片方の手が伸びて、マヤのスカートをたくし上げる。

「あっ・・・」

か細い声。

だが、嫌がる様子は微塵も無い。

マヤは先ほどシンジになぶられてから、ノーブラノーパン状態なのだ。

そこには薄めの茂みと、太腿まで流れ出した愛液が見て取れる。

シンジはそれをすくって舐めてみる。

「あっ・・・シ、シンジ様・・・」

「マヤさん、いやらしいですね」

くすくす笑いながら再び太腿に手をやり、撫でまわす。

瑞々しく張りのあるそこを、美術品を扱うかのように堪能する。

「シンジ様に見つめられると・・・」

マヤはモジモジして答える。

「フフフ・・・可愛いですよ、マヤさん」

それだけで、彼女は天にも上らん気分になる。

「じゃあ、こっちもお願いしますね」

そう言ってシンジはパジャマのスボンを引っ張る。

「はい」

素直に従うマヤ。

ゆっくりと、ズボンを脱がせる。

真ん中当たりでピーンと張ったものがあるので、やりにくかったが。

「・・・・・・」

言葉にこそしないマヤだったが、視線はパンツの一部分に釘付けになっている。

「そこは後回しって言いたいところだけど・・・」

シンジと目を合わせたマヤは、泣きそうな顔をしている。

「はいはい、いいですよ」

シンジは半ば呆れ顔ながら、笑っていう。

「♪」

いそいそとパンツを脱がしていく。
 

うわぁー・・・これが私の中に入ったんだぁ・・・
 

マヤは感慨深げにシンジのペニスを見つめる。

まあ、ついさっきヴァージンを失ったのだ。

感慨深くなるのもわかる。

それから彼女はごく自然に行動した。

シンジに手篭めにされる前の彼女なら考えられもしないが・・・

両手をペニスに添えて、上下にしごきはじめた。

「あうっ・・・」

その声で、自分の行動が正しかったことを確認するマヤ。

彼女の心は、
 

もっとシンジ様に気持ちよくなって欲しい。

もっとシンジ様に見てもらいたい。
 

これしか考えていなかった。

だから、これに続く行動も、当然のものだった。

彼女はおそるおそる舌を伸ばすと、シンジのペニス、そのウラスジを下から舐め上げる。

ここで正しておきたい。

彼女は、幼少の頃を除けば男性器を触ったことはおろか、見たことすらない。

歳を重ねることで、基本的な知識は身に着けていたが、現実の経験としては皆無だった。

普通、このような状態であれば、激しい行動は男性不信を招き寄せる。

だがどうだろう?

あれほど激しく犯されていながら、マヤは今、自分のヴァージンを奪ったそのペニスに   そしてシンジに心からの奉仕を捧げている。

シンジは女性達と相対する時に、いわゆる”催眠術”は使っていない。

相手の精神を麻痺させた状態に出来ることは当然出来るが、彼はそれを用いることを納得しなかった。

自分は新興宗教の教祖ではないのだから、マインド・コントロールなどの下策は使うまいと考えていた。

それに、マインド・コントロールではいつ解けるかわかったものではない。

だからシンジは景気付けとして催眠を使うことはあるが、口説き落とす手段としては用いていない。

ならばどうやって?

それは簡単。

向こうに惚れさせれば良いのだから。

簡単ではないようにも聞こえるが・・・・シンジには至極簡単なことなのだ。

相手の目を見つめていれば、なぜかそうなってしまうのだから。
 
 

そんなわけで。

話が少々脱線したが、マヤは一心不乱にペニスを深く咥えて頭を前後に揺さぶったりしている。

ほんの数時間前の彼女に見せたい光景である。

全裸の少年に抱きつき、そのペニスを頬張っている。

そしてそんな自分の格好も、ファスナーが降りて胸がはだけ、スカートはシンジに捲り上げられて引き締まったお尻やヴァギナを剥き出しにしている。

シンジに犯される前の彼女なら2秒で卒倒するだろうな。

技巧もちろんないが、それを補う熱心さ   あるいは激しさ   は、シンジの獣欲をますます高める。

「マヤさん、もういいですよ・・・・」

マヤがそれを聞いて唇をペニスから離すと、それは唾液によってぬらぬらと光っていた。

「シンジ・・・・」

隣から細い声が聞こえる。

「なに、母さん?」

「わ、私も・・・・」

シンジはにっこりと笑う。

「じゃあ、もうあんなこと言わない?」

ユイは上気した顔を頷かせ、同意を示す。

おそらく、マヤのフェラチオを見ていて彼女も我慢できなくなったのだろう。

これ以上欲求を溜めさせると、精神に影響が出る。

シンジはそう判断した。

実際、ユイは気も狂わんばかりになっていた。

彼はユイのブラウスを両手で掴むと、それを力を込めて引き裂く。

「!」
 
ボタンが弾き飛びながらブラウスは裂けて、ただの布キレに変わる。

黒のブラジャーが顔を出している。

次はスカート。

これもシンジはビリビリと音がするくらい激しく破いた。

・・・どーも、彼は衣類を引き裂くのが気に入ったらしい。

一応理由はある。

少し手荒く扱うことによって、自分の立場がどのようなものか再確認させる。

手荒く、といっても・・・お仕置きでも無い限り肉体に苦痛を与えるようなことはしない。

それはシンジの好みではないから。

そして、自分の腕の中で小さく震える母親を見下ろす。

その震えが恐怖から来ていることでないことは、上気した顔を見ればわかる。

見ればパンティも上と揃いで黒。

が、その中心部は愛液が滲み出してパンティの用を為さなくなっている。

シンジはそれらも容赦せずに、ズタズタに引き裂いてユイの体から剥がす。

これで身を隠すものは何も無くなった。

「綺麗だよ、母さん」

シンジはそう言いながら、彼女の乳首を指で軽くはじく。

「んっ!・・・」

「マヤさん、母さんの上に乗ってくれますか?のしかかるような感じで」

「はい」
 
彼の忠実な奴隷は頷いてユイにのしかかり、シンジにお尻を向けるような形になる。

シンジが何をするのか大体わかっているのか、自分の足でユイの足を押し開くようにしている。

ユイがじーっとマヤを見つめている。

「あなた、名前は?」

「マヤ。伊吹マヤです」

「マヤちゃん、か・・・可愛い名前ね」

「ありがとうございます」

「ウチの息子はどう?」

マヤはただ一言。

「最高の御主人様です」

ユイはにこりと笑って頷く。

「じゃあ、シンジの”女”として仲良くしなきゃね」

「はい、ユイさん」

そういうと二人は唇を重ね、お互いの体に愛撫を加える。

後ろから見ているシンジにはなかなか刺激的な眺めだった。

自分の母親と、ネルフでもぴか一の美人オペレーターのヴァギナが重なり合っているのだ。

擦れあって刺激になっているのか、時折透明な液体がこぼれている。

「あ・・・ユ、ユイさん・・・」

「マヤちゃん・・・」

二人はシンジそっちのけで激しいペッティングを繰り広げている。

そして、それを放置しておくシンジではもちろん無かった。

ベッドにあがり、上になっているマヤの腰を掴む。

「あ・・・シンジ様ぁ・・・」

マヤのおねだりが聞こえる。

だが、シンジはペニスを二つのヴァギナの間に差し込んだ。

「んあ・・・」

「あっ・・・」

これは二人に快感を与えられるようで、二人ともかすかな甘い声を出す。

そして、腰を前後させる。

時折、ヴァギナにも突き入れる。

その度に組み伏せた二人の体が跳ね、どうしようもないくらいの快楽に酔う様を見せる。

激しいピストン。

「あん!・・・シンジぃ!・・・もっと突いてぇ!!」

今はユイの膣内。

それをちゅぽんと引き抜く。

「いやぁ!抜かないでぇ!」

ユイが哀願する。

そのユイを慰めるかのように、マヤが彼女の顔に舌を這わせる。

そんなところへ、また挿入して、激しいピストン。

「ひゃぁ!?・・・・んあああ!!・・シンジ様ぁ!・・し、死んじゃいますぅ!!」

今度はマヤの子宮をゴツゴツと突く。

「マヤさんにはさっき出したから、今度は母さんね」

意味不明なことを呟くシンジ。

だが、組み敷かれている二人の女性は意図を的確に読み取った。

「残念ですが・・・シンジ様がそう仰るなら」

「♪・・・シンジ、いっぱい出して♪」

つまりはそういうことらしい。

シンジはペニスをマヤの膣内に差しこんだまま、激しいピストンを繰り返す。

「んあっ!・・・シ、シンジ様ぁ!!・・・・あんんんっ!!!!」

一瞬体を硬直させ、そのまま脱力してユイに全体重をかけるマヤ。

イッってしまったらしい。

それを確認したシンジは発射を辛うじて抑えているペニスを引き抜き、ユイのヴァギナへと荒々しく突っ込む。

「あふっ!♪」

息子が産まれてきたところに、息子の息子を受け入れる。

これほど背徳的なことは他にあるまい。

頭ではわかっている。

だが、いみじくも彼女自身が言ったように、シンジに抱かれた者は、離れられなくなってしまうのかもしれない。

事実、ユイは背徳感を心地よく感じるようにまでなっていた。

「あっ!シンジ!・・・・出してぇ!・・・・いっぱいにしてぇ!!!」

「母さん、僕の子供が出来ちゃうかもよ?」

本来ならば、背筋が凍るような未来図。

だが、そう囁かれたユイは幸せな未来が見えたような気がした。

「産む!産んじゃうからぁ!」

「女の子だよ」

それはさすがにコントロールできねぇだろ、さすがに。

シンジは失神しているマヤと、ユイ両方に抱きつくような格好になって腰を振る。
 
 
 

「だめぇ!・・・あっ!あああああああああああああ!!!

 
 
 
 
 
 

おそらく、盗聴機がなくても、ドアの側にいるだけで聞こえてしまうだろう、というくらいの絶叫。

シンジにヴァージンを捧げたマヤはともかく、ユイもここまでの快感は初めてだった。

なにせ夫との性行為は片手で数えられるほどしかない。

シンジを身篭ったあとは指一本触れさせていない。

だから、その体は未開発な部分がほとんどだった。

それが、今シンジ   自分の血を分けた息子に開発されている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

どっくん!・・・・どぴゅるっ!・・・・びゅくっ!・・・・びゅるるっ!
 
 
 
 
 
 

膣内の一番深いところで発射された。

彼女にとって、最も愛しい人間の体液が自分の体を駆け上ってくる。
 
 
 
 
 
 
 

ユイは、理由のわからない幸福感に包まれて失神したのだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

結局、シンジはこのあと二人を叩き起こし、作戦準備に入るまで3Pを楽しんだらしい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


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あ・と・が・き (または”X−69”内部におけるヒトコマ)
 

「かんちょーう?・・・いますかぁ?」

誰かを探している風体で副長登場。

「おう、ここにいるぞ」

颯爽と艦長登場。

「なに格好つけてるんですか」

「たまにはいいだろうが」

ふん!という風体で偉そうにして見せる艦長。

「それよりも行動指令書を開封しましょうよ」

「おお、そうだな」
 
 

マメ知識
普通、潜水艦は行動を秘匿するため、命令は事前に封書にして渡され、出航してから開けられます。
 
 

「どーれどれ・・・次の行動はなにかいな、と・・・・」

前回、マリアナ海溝潜航という過酷な任務だったため、今回は近海での哨戒だろうとたかを括っている艦長。

「・・・・・・・・・・」

そううまくはいかねぇよな、と考えている副長。

「んがっ・・・・」

艦長、”つうこんのいちげき”(笑)

やっぱりな、という表情の副長。

「今度は何です?・・・○○○真理教の本部にトマホークでも撃ち込めと?」

艦長、どんよりした表情を副長に向ける。

「バカヤロウ・・・んなもんだったらボタン一つで済むだろうが」

「そりゃ確かに」

二人ともそんな命令だったら嬉々として遂行するだろう。

艦長、吹っ切れたのか声を大にして命令書を読み上げる。

”命令 戦略潜水艦X−69ニ命ズ。全力速力試験ヲ行ナエ”

キョトンとする副長。

「別にたいしたこと無いじゃないですか。相模湾あたりでちょちょいとやってきましょうよ」

「最後まで聞いてろ」

そして再び読み上げる。

”貴艦ノ最大速力48.54のっと、コレヲ上回ル事ヲ期待スル・・・・試験海域ハあぞれす諸島沖合300まいる付近”

口をポカンと開ける副長。

「48.54ノットって言ったら、本艦就役時の海上公試で燃料と乗員以外ほとんど何も積んでない状態で達成したんですよ!?・・・戦闘行動中、そんなに出ませんよ!!」

「んなことやならけりゃわからねぇだろが・・・・それにな、別に絶対にそれをしろと言ってるわけじゃないんだ。あくまで全力速力試験なんだから、これこれこのような結果でしたと報告して万事OKだ」

「なるほど・・・・(結構能天気なように見えて考えてるんだな)」

ちょっと艦長のことを見直す副長。

「それでだ、あぞれす諸島ってどこらへんだっけか?・・・野島崎からそんなに離れてねぇだろうな?」

ずっこける副長。

先ほどの自分の考えをきっぱり訂正する。

「艦長・・・・ホントに海軍軍人ですか?」

「何をいまさら・・・」

副長は艦長を引っ張って海図台に引き寄せ、一番大きい海図を取り出す。

メルカトル図法の世界地図にも似たそれを示す副長。

「ポルトガル領、アゾレス諸島。大西洋のど真ん中ですよ」

今度は艦長がポカンと口をあける。

「・・・・何日かかる・・・」

「そうですねぇ・・・運河はもちろん使えませんから・・・・喜望峰周りなら全速で3週間ってとこですかね」

「計算が甘いぞ、副長」

「え?」

「喜望峰周りなら、推進の浅いところが続く南シナ海は通るわけにはいかんだろが」

「確かに」

「だったら喜望峰周りでも、オーストラリアをかわさにゃならんからざっと1ヵ月だな」

「となると・・・」

「ああ、ホーン岬経由が一番早い。それこそ3週間でいけるかもな」

「艦長・・・」

「ん?」

「そこまで詳しくて本当にアゾレス諸島を知らなかったんですか?」

「知る必要も無いだろうが」

「・・・・・・」

「ま、いいや・・・副長、大至急航海計画を策定してくれ・・・長旅になるからな」

「アイ・サー」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

X−69は見果てぬ海に出会うべく、反応動力タービンの回転数を最大に合わせたのだった・・・・
 

 

 
 
 
 
 

なんちゃって(爆)


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