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えー・・・・

この先は18歳未満は読んじゃいけません(笑)

特定のキャラに愛着をお持ちの方も、やめといたほうが無難です。

もし、読んで不快な気分になっても責任はとれません。抗議のメールは受け付けますが・・・・できれば励ましのメールの方がうれいしいなあ(笑) 



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

彼女にとって、最も愛しい人間の体液が自分の体を駆け上ってくる。
 
 
 
 
 
 
 

ユイは、理由のわからない幸福感に包まれて失神したのだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

結局、シンジはこのあと二人を叩き起こし、作戦準備に入るまで3Pを楽しんだらしい。
 
 













We are crazy for you!
第6話「”決戦・第三新東京市”・・・僕が負けるとでも思ってるの?」
(B−part)















「えらい遅いなあ・・・・もう避難せなアカン時間やで?」

夕日が射す第壱中学校屋上。

「パパのデータをちょろまかして見たんだ・・・・この時間に間違いないよ」

トウジとケンスケは、クラスメートと共にあるものを見物に来ていた。

「せやけど・・・・出てけえへんなあ・・・・」

トウジが空を仰ぎながら呟く。

と、その時。

「んあ?」

低いモーター音、かすかに聞こえるブザーの音がすると、山肌が動いていく。

「山が・・・・動きよる・・・・」

○ッター・ロ○だ!・・・いや、もとい・・・エヴァンゲリオンだ!!」

ケンスケが感に堪えない様子で叫ぶ。

それにしても・・・・

山肌がめくれ上がり、さらにそこにある金属製のゲートが左右に開く。

そこにあらわれるのは、ジオフロントからリフトで上がってきた初号機と零号機。

「がんばれよー!」

「頼んだぞー!」

「俺の家壊すなよぉー!」

「シンジぃ!俺の部屋には秘蔵のDVDが山のようにあるんだー!壊したら損害賠償請求するからなぁー!」

クラスメート達の声援(?)を受けながら、2機のEVAは歩いていく・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

午後 8時11分
 
 
 
 

第三新東京市の中央部では銀色に輝く八面サイコロが、何の反応も示さず、ただ黙々とシールドで地中を掘り進む。

まったく関係無いが、TRPGなどをやっていると、八面ダイスには世話になる。

そんなことはともかく・・・そこから少し離れた二子山では、急ごしらえの変電所が完成しつつあった。

急ごしらえと言っても、その規模と能力は人類史上最大のものだ。

1億8000万kw。

通常ならば”天文学的”と呼ばれる数値である。

ま、日本全国から本気で電力をかき集めれば、軽く2億kWは超えるのだが。

どちらにせよ、一朝一夕の仕事ではない。

ミサトとリツコ”シンジのためだけに”その天文学的数値を現実の物にしようとしている。

《敵シールド、第17装甲板を突破!・・・・本部到達まで、あと3時間55分!!》

発令所に接続されているスピーカーからシゲルの緊迫した声が響く。

《四国、及び九州エリアの通電完了!》

《各冷却システムは試運転に入って下さい》

準備のほどを伝えるアナウンス。

そんななか、号機はあまりにも長い得物を地上に降ろしていた。

「精密機械だから、慎重にね」

リツコが細心の注意をうながす。
 
 
 
 
 
 

「・・・・・これはまた・・・・身動きの取れないようなものを・・・

初号機から降りたシンジが少々呆れながらポジトロン・ライフルを眺める。

「仕方ないわ・・・・間に合わせなんだから」

リツコが言い訳になっていない言い訳をする。

「砲身や冷却系は耐えられるんですか?」

「理論上はね・・・・けど、こんな桁外れの出力で試射した事はないし。それに試射してその場で壊れたら一巻の終わりだしね」

『本番で壊れても同じでしょうが

その通り。
 
 
 
 
 
 

「本作戦における各担当を伝達します」

ミサトが、いつもとはひと味違うキリリと締まった表情で言う。

場所は作戦指揮車。

関係者以外   つまり、シンジと女達以外   立ち入り禁止の札付き。

「シンジ様?

「はい」

「初号機で砲手をお願いします

提案

シンジが片手を上げてそう言う。

「?」

「僕がディフェンスに回ります」

「でも、今回は超々遠距離、しかも精密射撃が要求されるんです・・・シンクロ率や他の要素から言っても、シンジ様が撃った方が・・・」

「だからこそ、僕が防御に回るんです」

「わかりました・・・リツコ、いいわね?」

後ろで黙っているリツコも頷く。

彼女らの敬愛する少年がなにも考えずにこんなことを言う筈が無い。

なにか成算があるに違いない。

それではシンジ様は初号機で防御を担当・・・レイは零号機で砲手を担当して」

「ハイ」

「陽電子は地球の磁場、自転、公転、それに加えて重力、大気密度、気温の影響を受け、直進しません・・・正確にコア一点のみを貫くのよ

バックアップをお願いします

静かに、レイがいう。

それは任せておいて

リツコが胸を張る。
 

思うけど・・・これってかなり際どいギリギリのオペレーションだよね・・・・・・・・でも、余裕を持った作戦なんてやったことない

確かに、今までの使徒撃滅戦において、ネルフが優位に立った事もなければ、余力を残して戦った事もない。常に崖っぷちの戦いを強要されているのだ。
 

負けるつもりは毛頭無いけどね・・・
 

「私は」

そんなシンジの思考にレイの声が混ざる。

「私は引き金を引けばいいのね・・・・」

「そうよ」

「わかりました・・・・」

そしてミサトが場を締めくくる。

「時間よ。二人とも着替えて」
 
 
 
 
 
 
 
 



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

アンカレッジ アラスカ

アンカレッジ国際空港
 
 
 
 
 
 

ネルフの面々が作戦準備を進めている同じ頃、ユウジは極寒のアラスカに降り立っていた。

「さぶぅー・・・・」

歯の根が合わずにがたがた震えている。

作戦となれば、どのような環境にどれほど長時間いたとしても音は上げない男だが、それ以外の時は寒がりだったりする。

「んで?あちらさんはどこで会うって言ってるんだ?」

熊のように着膨れたユウジが背後を振り返り猪口にそう問い掛ける。

「あっちもヒマじゃないんですかね・・・ここですよ」

「ここって空港ってことか?」

「はい」

ユウジは少し嘆息を漏らす。

「なんとまあ色気の無いこと・・・」

「空港の貨物ターミナルが待ち合わせ場所です」

「んじゃさっさと済まそうか」

旅客ターミナルから貨物ターミナルまで、およそ30分ほど時間がかかった。

空港の端と端に分かれている上、滑走路を挟んでいる為に大回りしなければならなかったのだ。

雪深い道路をとぼとぼと歩くふたり。

「いるな」

唐突にユウジが呟く。

「はい」

猪口もそれに返す。

「確認してくれ」

「はい」

猪口は袖に仕込んだ小型通信機のマイクに何事か囁く。

彼の耳にはわかりづらいが耳栓ほどの大きさのイヤホンが差しこまれている。

「4組を確認。それぞれツーマンセル」

「ご苦労なこった」

「とりあえず手を出してくる気配は無さそうです」

「それじゃとりあえずは放っておけ」

「了解」

それから20分ほど経ってから貨物ターミナルに到着するふたり。

「で、どこにいるんだ?」

「さあ?指定されているのは貨物ターミナルだけで」

「”だけ”ってお前・・・・」

ユウジは目の前にそびえ立つ巨大な格納庫型の建物を見てゲンナリする。

「おい、ここを全部捜索しなきゃならんのか?」

そんな時だった。

建物に据えられていると思われるスピーカーが声を発した。
 

《それには及ばない》

猪口は体を緊張させて不測の事態に備えるが、ユウジは今までと何ら変わるところは無い。

「とっとと姿を見せたらどうだ?」

《それはできない》

「猪口、帰るぞ」

「はい」

何の未練も見せずにきびすを返す。

《待ちたまえ。君達は既に私達の要員によって包囲されている。私の命令一つで君達の命はない》

傲慢な匂いがスピーカーの向こうから漂ってくる。

ユウジは小馬鹿にしたような   実際、馬鹿にしていた   表情を浮かべる。

「やってみればどうだ?」

《なんだと?》

「猪口、制圧させろ」

「了解」

猪口は無線で短く指示を送ったが、銃声や悲鳴は聞こえてこなかった。

《・・・・・・》

おそらく同時に指示を送ったのだろう。反応が無いのをいぶかしんでいる様子だ。

「通信衛星を使えばどうしてもタイムラグが出る。現場に責任者を置かなかった初歩的なミスだ」

《クッ・・・・》

「そちらはヴァージニア州、ラングレーから声だけ送ってるんだろう?・・・明日にでもそちらに伺うよ」

《・・・・》

「本来ならここまでコケにされたら依頼どころか俺達を敵に回したようなモンなんだが・・・・アンタの顔を拝みたくなってきた」

すると、その言葉が合図だったかのように、どこに隠れていたのか軍用のハンマーが何台も現れて彼らをガードするように取り囲む。

中からは完全武装の兵士達が踊り出てきて周囲に視線を走らせる。

ユウジはハンマーに乗り込む前に、スピーカーを見上げて呟く。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「今度おかしな真似したら、あらゆる手段を使って後悔させてやる・・・・覚えとけ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

作戦指揮用トレーラーの隣に設けられた、やはりトレーラー形式の急造のロッカールーム。

シンジとレイはプラグスーツに着替えていた。

もちろんただ着替えるわけではない。

シンジがレイの後ろからやんわりと抱きしめながら、その身を包んでいる制服を剥いていく。

まずスカートのホックを外し、ストンと下に落とす。

白のパンティが目に眩しい。

レイは、背後から自分を優しく包む感触に、少しうっとりとなっている。

今、この瞬間においてはシンジは彼女のものだからだ。

そんなわけだから、ぼうっとしている間にさらに上着などを脱がさせられ、自分が上下ともに下着しか身に着けていないことに気付いたのは、シンジの指がパンティの中に滑り込んできた時だった。

「あっ・・・・」

僅かな湿り気があるそこを優しく蹂躙していくシンジの指。

「い、碇君・・・・だめ・・・・ずるい」

レイはそのまま溺れそうだったが、なんとかそれだけは口に出した。

「ずるい?・・・なんで?」

心外だというように顔をしかめる・・・・筈も無い。

少し微笑みながら、しかし指の動きは止めないシンジ。

「早く・・・・あぅ・・・・着替えなきゃいけないのに・・・・んんっ・・・・私だけ脱ぐのは・・・あんっ!」

「ん、それもそうか」

そう言うとシンジはパッとレイの体から離れる。

「あ・・・・」

抗議した割には名残惜しげなレイの声。

シンジはそんなことにお構いなく自分の衣服を脱いでいく。

服が脱がれるにしたがって、いつ見てもレイが見惚れる、その引き締まった体が見えてくる。

醜く、深い傷痕が所々刻まれているが、これは彼の魅力を損なうことに成功してはいない。

そしてレイは傷痕について尋ねたことは一度も無い。

この傷痕を見ることが出来るのは限られた人間だけだ。

だからレイは尋ねない。

傷痕を見せるのがシンジなりの愛情表現だろうと思っているのだ。

シンジの方は白磁のようなレイの肢体を見つめていた。
 

はあ・・・・綾波って、ホント綺麗だよね・・・
 

そう思うと共に、その体が自分のモノであるという稚気も湧く。

まあ、実際その通りなのだが。

まず頬に手を伸ばし、感触を確かめる。

「ん・・・・」

くすぐったそうなレイの声。

そのまま首筋に手を降ろす。

「あふ・・・」

手はそのまま胸元へ。

ただし、胸自体に手は触れない。

その周りを撫でるだけ。

「んんん・・・・」

レイが不満そうに呻き声を上げる。

だが、シンジの手はそんな抗議の声をすり抜けて、おなかに至る。

おへその辺りを集中的に攻める。

「んあ?・・・あん・・・」

彼女自身もこんなところが感じるとは思っていなかったらしい。

奇襲に成功したシンジは、しばらくおへそを弄んだあと、さらに下へ手を進める・・・・のかと思ったら、手はピタリと停止した。

「??」

「あんまり時間がないからね・・・・」

シンジがそう言うと、レイは全てわかったような表情になってシンジの目の前で跪く。

歯でジッパーを噛んで、それを下に引き下ろす。

そして、股間に顔をうずめてなにやらモゴモゴと動いている。

「んっ・・・・」

彼女は唇と舌だけでペニスを引っぱり出しているのだ。

シンジのペニスが外に出たときにはすでにそれは硬直していた。

「はぁ・・・・」

レイが瞳をうっとりさせながらそれに舌を這わせる。

「綾波も上手くなったね・・・」

その舌使いに、少しだけ顔を上気させたシンジが言う。

「♪」

誉められて気をよくしたのか、レイがペニスを飲み込む。

「あう・・・・綾波・・・・もういいよ」

シンジは切なげに呟いて、レイを床の上で四つん這いにさせる。

「綾波・・・・いくよ」

レイはコクンと頷いてお尻をキュッとあげる。

レイの白い肉体の中に、蛇のようなペニスが侵入していく。

「んっ・・・・ふうっ・・・・・」

最初はゆっくり腰を進めていたシンジだが、時間がないということを再び思い出し、勢いよくピストンさせる。

「い、いかりくん・・・・・だっだめ!・・・・」

「なにが・・・ダメ・・・なの?・・・綾・・・波・・・・」

シンジもレイも息を切らせながら喋る。

「もっと・・・碇君を・・・・感じていたい・・・・」

「作戦が終わったら、今度はゆっくり可愛がってあげる」

「本当?」

「うん」

そしてレイは、自分の膣内を往復するペニスや、あちこちをまさぐるシンジの手により、頂点に導かれる。

「い、かりくん・・・・もう・・・・ダメ・・・・」
 
 
 

「イッちゃっていいよ」
 
 
 
 

「いかりくんの・・・・せーえき・・・・膣内に欲しい・・・・」
 
 
 
 
 

「いっぱい出してあげる」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

二人が着替えに45分もかかったのは新記録だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

《ただいまより0時0分0秒をお伝えいたします》

時報を伝える声があたりに響く。

《ピッ・・・ピッ・・・ピッ・・・ポーン》

「作戦スタートです!」

作戦指揮車の中で、マコトが報告する。

ミサトはそれを受けて号機   レイに語りかける。

レイ。日本中のエネルギー、あなたに預けるわ」

これが終われば楽しいことが待っているレイエントリープラグの中でそれを聞いていた。

号機はポジトロン・ライフルを抱えて伏せ撃ちの状態をとっている。

《がんばってね》ミサトから最後の言葉が届く。

「はい」

ミサトはそれを聞いて満足げに笑みを漏らしながら一つうなずくと、表情を切り替える。

「『瑞穂作戦』、開始します・・・・第1次接続開始」

「第1から第803管区まで送電開始」

核分裂反応とNN反応(”ダブルエヌ”反応。一般には”エヌツー”の名で知られている)を除けば、有史以来もっとも莫大なエネルギーを作り出す作業が始まった。

この時日本各地では、医療施設を除いたすべてから電力が徴収されていた。

ただ単に電気が消える、だけではないのだ。

電力供給が停止している間、日本は死んだも同じなのだ。

事前に算出された被害額は6000億円。

そしてそれを強要できるのがネルフという組織なのだ。

ミサトとリツコはその強大な権限を”シンジ様の為”という言葉だけで振りまわしている。

恐ろしいったらありゃしない。

「電圧上昇中。過圧域へ」

「全冷却システム、出力最大へ!」

その声と共に冷却器のレベルはMAXまで引き上げられ、冷却器周辺の温度まで下げていく。

《温度安定、問題なし》

「陽電子流入、順調なり」

「第2次接続!」ミサトが次の段階を指示する。

「全加速器運転開始」

「強制集束機、作動」

「全電力、二子山仮設変電所へ」

「順調ね・・・・では、第3次接続!」

「了解・・・・第3次接続開始・・・・・・・・・接続問題なし」

ミサトは大きく息を吸い込む。

「最終安全装置、解除!」

「撃鉄起こせ」

マコトの号令に従って号機は、普通のライフルで言えば遊底の閉鎖レバーに当たるものを引く。

「・・・・自転誤差が転送されてません。口頭でお願いします」

レイが一つだけ抜けていた修正項目を見つけて伝える。

「了解・・・・地球自転誤差修正、プラス0.0009」

「数値確認・・・・誤差修正完了」

《電圧発射点まで0.2》

号機や指揮車の周辺ではあらゆる機械類のたてる騒音で満ちていた。

変圧器や冷却器は限界を超えた運転をしている。

無理強いをされ、白煙を吹き上げている変圧器もある。

「第7次、最終接続!・・・・・・全エネルギー、ポジトロン・ライフルへ!」

マコトが猟銃に弾が装填されたことを伝える。

だが、猟銃で撃たれる方も黙って見ているつもりはなかった。

今までシールド以外は沈黙していた使徒に光が宿る。

「目標に高エネルギー反応!!」コンソールについていたマヤが悲鳴に近い声を上げる。

「なんですって!!」リツコの声は悲鳴そのものだ。

ミサトはそれには動じない。

まずは自分のやるべき事をやるのが先決だからだ。

「発射!!」

その声と共にレイはトリガーを引く。

暗闇に包まれていた初号機が一瞬、明るく照らし出される。

と、同時に使徒からも鈍い光が放たれる。

そして、緑の陽電子と赤の加粒子が中間地点で交差し、互いの弾道をねじ曲げる。

弾道を狂わされたそれぞれのエネルギーはわずかに目標を逸れ、火柱を上げる。

「!!」

零号機ごと、激しく揺さぶられるレイ

そして爆風をもろに浴びた指揮車の方はひっくり返りそうになり、防弾の強化ガラスが一枚残らず砕ける。

「キャア!」

悲鳴が上がる車内。

いち早く常態に復帰したのはミサトだ。

「ミスった!?」

そして事態は悪化の方向へ進む。

《敵シールド、ジオフロントに侵入!!》

オペレーターの中でただ一人本部の発令所に残ったシゲルの声がスピーカーから響く。

天井都市のビル群をたたき落としながら巨大シールドはさらに下へ進む。

「第2射、急いで!!」

レイはそれを受けてせわしげに操作する。

号機の右腕がレバーを操作して、ばかでかいヒューズを入れ替える。

「ヒューズ交換、再充電開始!」

「砲身冷却開始!」

流れるように手順は進むが・・・・一歩間に合わない。

「目標に再び高エネルギー反応!!」もはやマヤの声は悲鳴に近い。

「まずい!」

次の瞬間、再び使徒から放たれた赤い光が号機を貫く・・・・かに見えたが・・・・

クッ・・・・・・・・?・・・・!・・・・い、碇君!!」

号機の前面で、号機が手に持った盾でしっかりと加粒子砲の打撃を食い止めていた。

しかし、その盾は見る間に融解していく・・・・

「盾がもたない!」

「まだなの!?」

「あと10秒!!」
 

碇君!!!
 

レイの絶叫はもはや声にならなかった。

シンジがA・Tフィールドを展開させたのはそんな時だった。

シールドが融解した瞬間、初号機の前面に多角形の光が現れ、強力な加粒子を完全にブロックしてしまう。

・・・・・早く!!」そんなことになっているとは知らないレイはトリガーにかけた指を、じりじりするような思いで抑える。

やがて、永遠にも思われる10秒が過ぎ、レイの見ているスコープの表示がロックオンを示す。

「!!」勢いよくトリガーを引く。

赤い奔流の中から緑の槍があらわれ、どんどん伸びていって最後には使徒のど真ん中を貫く。

「よっしゃあ!!」おもわずガッツポーズのミサト。

ほかも面々も喜色が浮かんでいる。

が、

号機は号機にとりついて、その場でエントリープラグをイジェクトさせる。

号機の様子を確認します!!》

レイ!まだ機体の外に出ないで!」

号機のエントリープラグが排出されます」

「んもう!」

「・・いいじゃないの、ミサト」

「・・・そーね。なにしろ勝ったんだし!」
 
 
 
 
 
 
 

レイはエントリープラグから飛び降りると号機   シンジの側に駆け寄る。

初号機はレイが取り付きやすいようにか、うつ伏せに寝そべってプラグをイジェクトさせている。

軽い身のこなしでレイはプラグに辿り着く。

非常用ハッチを開けようとしたレイだが、そんなことをする必要もなく搭乗用のメインハッチがゆっくりと開かれる。

中から劣化したLCLが一気に流れ出してレイを押し戻そうとするが、こんなことぐらいで怯む彼女ではなかった。

碇君!!」

中では腰ぐらいまでLCLに浸かったシンジがシートの上で澄ました顔をしていた。

「綾波、早かったね

体中の力が抜けそうになるレイ。

が、最後の力を振り絞ってシンジに文字通り飛びついた。

シンジは強烈なタックルをかましてきたレイを、優しく抱き止める。

「心配かけちゃったかな?」

絶対の自信があってこそ、危険な任務も引きうけられる。

ま、彼らの任務で危険でないものなど無いが。

シンジは戦場でも、勝てる戦しかやらない。

勝てない戦を遂行するのは確かに大馬鹿者だ。

一見してまったく勝ち目が無いように見える時でも、彼は峻厳な戦術眼を凝らして状況を把握し、突破口を見つけ出す。

それでもダメな場合は?

決まっている。

風を食らったごとく尻に帆をかけて逃げ出すのだ。

実のところ、これが一番重要だ。

臆病と慎重を取り違えてはいけない。

先に述べたように、勝てもしないのに突撃を命じるのは蛮勇というもの。

退く事も立派な戦術なのだから。

シンジはその点をよく踏まえていた。

戦術指揮官としてはベストと言えるだろう。
 
 

レイはそんなシンジの背中にまで腕を回し、力強く抱きしめる。

「ん・・・痛いよ、綾波」

シンジの抗議も耳に入らない。

それに彼も本気で言っているわけではない。

レイはシンジのプラグスーツに顔をぴったりと寄せ、目を閉じる。

「綾波もがんばったね」

そう言ってシンジはレイの頭に手を置いて撫でてあげる。

1回撫でる度に、目を閉じたままのレイの表情が緩んでいく。

「さて、ご褒美あげなきゃね」

「♪」

シンジは右手でレイの手首にあるプラグスーツのスイッチを操作して、スーツの中に空気を入れる。

左手はインダクションレバーをいじって、開けたままになっていたメインハッチを閉じる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

閉じたエントリープラグは作業班が到着しても開けられなかった。

作業員達が開けようとしていてもロックされていて手出しが出来ないのだ。

それに、

「ちょっと今立てこんでますから」

というシンジの声が聞こえてきたので、他の作業から取りかかっていた。

およそ2時間後、ようやくのことでプラグから出てきた二人は随分とスッキリした顔をしていた。

戦闘直後でナーバスになっているのでは?という作業班の予想は見事に覆され、その顔には笑みさえ浮かんでいた。

この空白の2時間は、ミサトやリツコ、それにマヤなら容易に予想できるだろうが、作業班は首をひねるばかりだった。
 
 
 
 
 

その場では2人しか知る由も無いことだが・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 

レイの体内、そこには出撃前に注ぎ込まれた精液に替わって真新しい、絞りたての精液が充填されていた。
 
 




















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あとがき(又はコント・・・又は艦内のひとこま)
 
 
 
 

「かんちょーう」

発令所で艦長を呼ぶ副長。

「なんだ?」

「到着しましたよ。アゾレス諸島の西300マイル。大西洋のど真ん中です」

そう。彼らは前回の任務を遂行中だったのだ。

「まったく・・・・俺達もよくやるよなぁ・・・速力試験だけでこんなところまで」

「まあまあ・・・・早いとこ終わらせて帰りましょうよ」

「それもそーだな・・・機関室に全力運転即時待機を」

「アイ・サー」

「まあなぁ・・・・本艦がその気になりゃ、どのくらいのスピードがでるのか、おれにもわからんしなぁ」

「スクリューとは無縁ですからね、本艦は」

「超伝導推進潜水艦・・・一昔前なら夢物語だ」

「ま、パワープラントは反応炉ですから、反応動力潜でもあるわけですが」

《機関室から艦長・・・・全力発揮、準備良し・・・・反応炉4基、回転数順調》

「了解っと・・・・副長?」

「なんです?」

「就役の時の海上公試では、反応炉何基使ったんだっけ?」

「半数運転・・・つまり2基です」

「半分で約50ノットか・・・これなら100近くいくかもな」

「ということは?」

「既存の対潜システムじゃあ本艦は撃沈不可能になるってことだ」

「・・・・まあ、確かに」

「ふっふっふ・・・・これであの野郎にもでけぇツラさせねーぞ!」

「艦長?・・・まさか帰ったらPさんやH司令に喧嘩売ろうと考えてるんじゃ・・・・」

「悪いか?」

「かーんちょう!!・・・・それで先日痛い目みたばかりでしょうがぁ!!」

「ふっ・・・・水上艦がどうあがいても3次元航行が可能な潜水艦にかなうはずがない!」

「どっかの独立潜水艦国家の元首みたいなセリフを・・・・」

「それに、だ・・・・本艦はまだまだ強力になるぞ」

「?」

「ほら、前にネルフだかネルガルだか、胡散臭い組織に協力しただろ?」

「・・・・エライ違うと思いますけど、それで?」

「そのつてで、『S2機関』とかいうパワープラントが手に入る」

「ええええええぇぇぇぇぇ!?」

「とりあえず、本艦の反応炉2基を降ろしてそこにS2機関を据える予定らしい」

「上からの命令ですか?」

「おう。1機艦司令部ではS2機関の本格採用を目論んでるらしい。本艦がその実験艦というわけだ」

「いいのかなぁ・・・・」

「つべこべいうな!反応炉オンリーの航海もおそらくこれが最後だ!気張るぞ!」

「はいはい・・・・」

「機関!全力発揮だ!・・・・航海!とにかくまっすぐ進め!・・・・ソナー!耳済ませとけ!・・・・水雷!邪魔者は吹き飛ばせ!・・・・弾道弾!邪魔者がいたらそいつの本国にぶち込め!!」
 
 
 
 

「かぁぁんちょぉぉぉう!!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

今日も今日とて、副長の悲鳴が響きわたるX−69であった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

チャンチャン♪


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