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Detective

第二章 遭遇




「碇君、ちょっと良いかしら」


僕が久しぶりに高校に来たとき、彼女から発せられた一番はじめの言葉はこれだった。

彼女、洞木ヒカリ。

僕の同級生であり、中学の頃からの知り合いだ。


「良いけど・・・何かな、洞木さん」

「あ・・・ちょっと・・・ここ・・・・じゃ・・・・ね」


彼女はこういい、僕にウィンクをする。

中学の頃は半分彼女のトレードマークとなっていたそばかすのせいで、

余りよく見なかった。

だが、高校になってそばかすが消えてからは違った。

その証拠に、ウィンクをした彼女を見たとき、僕は一瞬固まってしまったようだからだ。


「そうねぇ・・・・・学校が終わってから、ちょっとつき合って欲しいんだけど」


固まっている僕に対し、彼女は話を続ける。


「お願いね、碇君」


固まっているのが顔に出なかったのか、僕はどうやら平静に返事をしたようだ。









「えっと・・・・ここで良いかな」


洞木さんと僕は喫茶店、プライベートな会話が出来るように作られた店に入った。

別に何もない、普通の喫茶店だ。


「あ、開いてるね。ここにしよう」


洞木さんは一番奥の角、いわゆる死角の席を確保した。


「ご注文はよろしいでしょうか」

「あ、私はコーヒー。彼にも同じ物を。良いわよね?碇君」

「別に・・・・」

「畏まりました。少々お待ち下さい」


店員のオーダーが済んだところで、僕は話を切り出す。


「で・・・話って何かな」

「うん・・・・・あ、コーヒーが来てからにしよ」

「・・・・」


何か妙にはぐらかされているようだ。

いや、むしろ他の人間には聞かれたく無いことなのだろうか。


「お待たせしました。ごゆっくりどうぞ」


しばらくの空白がすぎたと思うと、オーダーした物が来て、その空白がとぎれる。

僕はすぐに砂糖を少し入れ、スプーンでかき回す。

洞木さんは砂糖とミルクを入れていた。


「そろそろ良いんじゃない?話って?」

「うん・・・・・実はね・・・・・お願いがあるの、”探偵”として」

「!!」


少し驚いた。

僕が高校生をしている傍ら、探偵をやっていることを知っている人間は少ないはず。

・・・・そうか、妹・・・・・・レイか・・・・


「いいかしら・・・・」

「分かった。依頼は・・・・何?」


僕は結局割り切ってしまい、話を続ける。

洞木さんの表情を見ていると、何かくらい表情をしていた。


「うん・・・・実は・・・・私にお姉ちゃん、洞木コダマがいることは知っているわよね?」

「聞いたことがある、確か中学の時に」

「そう。今お姉ちゃんは大学生なんだけど・・・・・・その・・・・・行方・・・不明なの」

「行方不明?」

「うん。一週間くらいかな・・・・帰ってこないの」

「大学生だよね・・・研究に詰めているとかそういうのじゃ」

「それはないわ。お姉ちゃん、まだ2年生だもの。院の人や4年生ならともかく・・・・」

「それもそうか・・・・」

「ね?おかしいでしょ?」

「だけどそれは警察の範疇じゃない?」

「言ったわ。警察にも。・・・・でも大学って一種治外法権的なことがあるらしいから調べられないんだって」

「治外法権だって?・・・・・もしかしてその大学って・・・・」

「3TIT(3ティット:the 3rd Tokyo Institute of Tecnology)よ」

「そうか・・・・3TIT、第三新東京工科大学か・・・」


第三新東京工科大学。

僕が中学生の時に出来た新しい大学。

様々なテクノロジーを扱っていると最近知った。

もちろん、進路先として。

でも僕は探偵として”裏”の大学の顔を知っていた。

下は医療テクノロジー分野の麻薬精製。上は一時アメリカ司法省をずたずたに引き裂いたクラッカー。

実は僕の家にあるスーパーコンピュータ、MAGIも一回クラックされたことがあった。

もちろん、そのクラッカーは今塀の中にいるけど。


「で、お姉さんの専攻は分かるかな?」

「私も余りよく分からないけど、お姉ちゃんの部屋を掃除するときに
 『AI』とか『認知心理学』と言う名前の本、よく見るけど・・・」

「人工知能理論か・・・・・」

「それが・・・・・何か問題があるの?碇君」

「実はね、3TITの人工知能分野って・・・・通称”マッド”と言われているんだ」

「マッド?何故?」

「きな臭いんだ。警察も手が出せないほどだって」

「う・・・・そ・・・・・」

「嘘じゃない。本当のことだよ。洞木さん」


警察の介入がないのは事実である。

昔、一度3TITに警察が踏み込もうとしたが、あえなく失敗。

それっきり警察はこの大学に関しては不介入の立場をとっている。

「それじゃあ碇君でも・・・・」

「いや、僕は出来るよ。簡単だ、大学生になりすませば良いんだから」

「そ、そう・・・・それじゃあ・・・・・・お願い・・・出来るかしら?」

「良いけど・・・・その前に依頼料について相談したいんだけど・・・」

「そうね、当然よね」

「一応僕の所の基本料は100万。それに諸経費等を合わせて150万」

「えっ??!・・・・そ、そんなに・・・・」

「それ相応のことをするからね。これくらいはもらわないと」

「無理よ・・・・私にそんなお金払える訳無い・・・・」

「ならば・・・もう一つのプランがあるんだけど・・・・」

「?・・・なに?」


僕の心がにやりと笑う。

今から僕が口に出そうとしていることが僕にとっての楽しみの一つだから。

もちろん、さっき言った値段は適当だ。

だけど今回は僕の望みを叶えるため、大きく言ってみた。

そして・・・・・かかってくれたみたいだ。


「依頼料は1万円で良いよ」

「うそ?!それで良いの?!」

「ただし」

「ただし?」

「君を抱かせて欲しい。僕が望むとき、いつでも」

「・・・・・」


洞木さん・・・いや、ヒカリの顔は驚愕に現れている。

無理もないだろう。

今、僕の顔はいつもの表情ではなく、醜悪に満ちた顔だからだ。


「で・・・出来ないわよ・・・・そんなの・・・」

「なら、前に言った金額を払うか・・・・それとも諦めるかだ」

「そんな・・・・色々と探偵を当たってみたのよ・・・・もう出来る人は碇君しかいないのに・・・・」

「僕はどちらでも良いよ。君が望む方を選ぶと良い。金を払うか、僕に抱かれるか」

「・・・・・・・」


ヒカリの顔は苦渋に満ちている。

彼女の家はあまり裕福ではないことは僕は当然のように知っている。

だから金を払うのはまず無理。

ヒカリは僕に抱かれる以外、姉を救う手だてがないんだ。


「考え・・・・させて・・・・」

「・・・良いよ。1日待つ。明日のこの時間、ここで返事を聞かせて」

「わかった・・・・わ」


ヒカリは気力を失ったかの如く、ゆらゆらと席を立つ。

僕がそれを見かねて手を取ったくらい、彼女は疲労困憊していた。

そして結局、僕らは何も言わずに別れた。

明日・・・そう、僕にとっては明日が一番の楽しみだった。









「私・・・・何故碇君に頼んだんだろう・・・」


彼女、洞木ヒカリはそのまま家に帰宅、ベッドの上でふせっていた。

かれこれ3時間になる。

彼女は日課であり、自分のつとめとなっている家事一切をせずに。


「でも・・・・もう碇君しか居ないことも分かっている・・・」


昼間の出来事。

姉を助けるための手段。

分かっていた。

彼女はどうすべきかは分かっていた。

だが、納得は出来なかった。


「碇君に抱かれる・・・・・」


彼女は想像し、頬を赤らめる。

彼女は男性とつき合ったことはある。

だが、行為そのものを経験したことはない。


「でも・・・抱かれるしかないのね・・・・・お姉ちゃんを助けるためには・・・」


割り切ろうとする。

するととたんに恐怖が走る。


「・・・・・・覚悟を決めなければいけないのに・・・・・体がふるえる・・・・何故?・・・・」


それは道への恐怖という物。

誰しもが持ち得る恐怖の一つである。


「・・・・・・お姉ちゃん・・・・待ってて・・・・」


しばらくして、彼女は決意を決める。

そして・・・・・翌日となった。









「来たんだね・・・・返事を、聞かせて」

「・・・・・お願いするわ・・・・お姉ちゃんを・・・助けて」

「・・・・そうか。分かったよ。ヒカリ」

「お願い・・・」

「早速来てくれるかな。覚えておいて欲しい場所がある」

「分かったわ」


僕らはコーヒーには口を付けず、そのまま喫茶店を後にした。

ヒカリは僕の後を口を聞かずについてくる。

僕の左後ろをうつむき、歩いている。

ヒカリの額にはうっすらと汗があるのが見える。








しばらくして、僕らは一つのマンションにたどり着いた。


「ここだよ」

「ここって・・・・碇君の家じゃない・・・わよね」

「そうだよ。ま、僕の探偵事務所って所かな」

「そう・・・・」


僕はオートロックのドアを開き、彼女をマンションに招き入れる。

そのまま何もしゃべらず、僕らはエレベーターで7階まで進んでいった。


チーン


エレベーターが7階を知らせ、そのまま僕は自分の仮の家、探偵事務所(仮)のドアを開けた。


「入って」


がちゃり


相変わらずヒカリは何も言わずに家に入っていった。


「一応・・・ここが僕の事務所かな。もちろん、正式に手に入れた家だよ」

「そう・・・・」


ヒカリは体に手を回し、怪訝そうな目で僕を見る。

いい加減、僕に身を任せて欲しいんだけどな・・・


「碇君、早くして。そしてお姉ちゃんを助けて」

「分かっているよ・・・・・・・・・・・・ヒカリ、さぁ、おいで」


僕は彼女をベッドに招き入れた。

ヒカリはゆっくりと僕の方へ近づいてくる。


「お願い、初めてだから・・・・優しくして」

「もちろん。分かっているさ」


ふぁさ・・・・・


ヒカリはいきなり、僕にふわりと覆い被さった。


「お願い・・・・碇君・・・・・・・・シンジ君・・・・・」


僕は何も言わず、そのままヒカリの唇に自身の口を近づけていった。


「んっ・・・・」


か細い声がヒカリの口から流れる。


「ん・・・・・・・んん・・・・・・」


僕はすぐではないが、徐々に彼女の口に舌を入れていった。

僕は何故このようなことをするんだろう。

普段、レイを抱くときはキスはしない。

キスをすることによって情を交わしているような気分がするからだ。

だけど・・・・何故だろう。ヒカリにはするなんて・・・


「・・・ん・・・・んあっ・・・・・」


僕とヒカリにキスはさらにエスカレートしている。


「あ・・・・んっ・・・・」


ようやく口が離れたかと思うと、僕の目にヒカリの高揚した顔が映った。

そして、僕の性に火がついた・・・・とでも言えばいいのだろうか。


「ヒカリ・・・・・・・」


すっ・・・・


僕は服、セーラー服の下から手を這わす。

彼女の胸は少々小振りではあったが、良い形をしていた。


「あっ・・・・・うん・・・・・激しくしないで・・・・」

「分かっている」


僕は出来るだけ、彼女の胸を愛撫する。

まずは全体、そして突起。


「はんっ・・・だからそんなに激しく・・・・いあっ・・・」


少々激しく揉みしだきすぎたか。

少し柔らかめにする。


「あぅ・・・・いいよ、そのくらい・・・・・んあっ・・・」


彼女も感じてきたようだ。

頬の高揚がますます映える。


「ヒカリ・・・・脱いで」


僕の言葉に、ヒカリはすぐに答えた。

上着、スカート、そして下着はショーツ以外は全て自分で脱いでいった。


「さぁ」


僕の声と共に、ヒカリは僕に覆い被さってきた。


「んっ・・・(くちゃ)・・・ふぁぁ・・・」


まずは口。

そして徐々に下へ移っていく。


「やぁ・・・んっ、ああっ・・・」


ヒカリの体はおいしい。

甘い味がする。

僕はこれに酔ってしまいそうだ。


「あぅ・・・シンジ君・・そろそろ・・・良いよ」

「あぁ・・・」


僕はヒカリのショーツをおろす。

脱いだショーツには塗れた箇所があった。


「お願い、ゆっくり・・・・優しくして・・・」

「あぁ、分かっているよ、ヒカリ」


僕は全て服を脱ぎさり、ヒカリと体を重ねた。

そして再度口を交わした後、ヒカリの陰唇に僕の物を合わせる。


「んっ」


一瞬、ヒカリは顔をしかませ、後に来る物に備える。


「いくよっ!」


僕は一気に貫いた。


「ひあぁぁぁっっっっ!!!!」


絶叫しかない。

まさにこの言葉が一番しっくりくる。


「痛いっ!痛いっ!痛いよっ!」


僕は躊躇しない。


ずっ・・・・ずっ・・・・ずっ・・・


「痛いっ!お願いっ!抜いてっ!」


聞き入れるわけがない。


ずっ・・・ずっ・・・ずっ・・・


「やだっ!痛いよっ!お願いっ!ぬいてよっ!」


ずっ・・・ずっ・・・・ずずっ・・・・


僕は無心でヒカリの中を感じる。

ヒカリの声は、聞こえてはいなかったみたいだ。


「はぁ・・・はぁ・・・・はぁ・・・」

「あうっ・・・痛い・・・痛いよ・・・・んんっ・・・」

「はぁ・・・・・はぁ・・・ふぅ・・・」

「んっ・・・・あっ・・・いたっ・・・・んんっ、あんっ」


時折、甘美な声がするようになる。

こなれてきたのだろう。

ヒカリの甘い声が多くなってきた。


「あっ・・んっ・・・・あんっいいよっ・・・・・んっんんっ・・・」


そろそろか・・・・僕の方が限界に達してきた。


「ヒカリ・・・んっ・・・・そろそろ・・・・」

「あっ、シンジ君・・・・あうっ・・・あっ私も・・・・」

「はぁ・・・い、いくよ・・・・ヒカリッ!」

「はぁぁぁっっっっっ・・・・・・」








「シンジ君・・・・お姉ちゃんのこと、本当にお願いね・・・」

「分かっている。ヒカリも忘れるなよ。報酬の方をな」

「分かってる」


ヒカリは頭を僕の胸に預けている。

その光景をよそに、僕は3TITへの進入のプランを練っていた。

ヒカリを手に入れた今、僕はヒカリの依頼を受けなくてはならない。









夜。

当たりが静まり返る時間。

僕は目的の場所へと近づいていた。


「・・・・ちゃちなセキュリティだな・・・・簡単に空けられるよ」


<セキュリティクラックシステム、起動シマス>


TCエヴァンゲリオンで僕はすぐにセキュリティロックを解除する。

経路はすでにクラックしておいたおかげで、手に入れている。

後は目的の人物、『洞木コダマ』を見つけるだけだ。


「この辺りだと思うけど・・・」



僕は一つ、大きな広間に出た。

何のことはない、大きなコンピュータがあるだけの部屋だ。


「ここか?だが・・・・」


そして僕は気づく。


「っ!!誰だっ!」

「・・・誰だとは聞きづてならないね。侵入者は君だろう」

「くっ・・・・」


確かに侵入者は僕。

だが・・・・こいつ、何か得体の知れない物を感じるのも間違いはない。


「貴様・・・・・誰だっ!」

「全く・・・・最近の若い人は言葉遣いがなってないね。碇シンジ君?」

「何っ!」

「ほぅ・・・やはり君か。ホストのログに君のコンピュータ名が載っていたので今日辺り来るんじゃないかと踏んでいたんだよ」

「そんな・・・・ログは消去したはずだ・・・」

「残念だったね。君が消去したログはダミーだよ」

「そうか・・・・」


僕が臨戦態勢、MAGIへのネットワーク接続と、ATプログラムを起動しようとしていると、奴は話し始めた。


「おっと、自己紹介がまだだったね。私は”イロウル”。こっちは”サキエル”。ゼーレの者だよ」




そう、この時から始まったのだ。

いや、すでに昔から始まっていたんだろう。

僕の両親が奴らに、ゼーレに殺害されたときから。

目的も分かっている。




そして・・・・・・とうとう幹部が出てきたみたいだ。

これからが・・・本当の戦いになるんだろうな。


後書き

Y-MICKです。

予定よりちーと送れました(^^;
なんせ前回より容量が多くなってしまって(笑)
前回の5割り増しですからねぇ・・・(17KB)

さて、今回はヒカリちゃんにヤってもらいました(カタカナにすな)
ホントの所、これが書きたくて書いていたようなもの(爆)
ぢつの所、次回もひとからみ入れるならヒカリちゃんと考えています(木亥火暴)

某嬢はどうなるかって?
まだです(^^;
頭にある予定では大体四章から五章くらいと考えています。
・・・もっとも、すぐに親密になるとは限りませんが/ー\(ニヤリ)
ま、ヤる事は確定しているのでお楽しみを(だからカタカナにすな、をれ)

ではまた次回をお楽しみに。

私、マッドアングラー艦長は、これよりX−69副艦長の指示の元、
深海作業に入ります。
では(笑)


副長より。


さて、Y−MICK@まっどあんぐらぁ艦長さん(ひらがなにすな(笑))からズゴックを領収いたしました。

それにあわせ、”X−69”の更新停止も暫定的に解除します。

なぜ暫定的か?

それはすぐにPさんがお仕事に行ってしまうから(笑)

お帰りは今月末になるそうです。

本格的な活動再開はそれからです。

あしからず。

と、いうふわけで・・・

あ、ちなみに私は”副長”です。

”副艦長”ではないです。

映画「クリムゾン・タイド」で言うところの、デンゼル・ワシントンです(笑)

・・・・ウチの船にもジーン・ハックマンみたいなカッコイイ、渋みのきいた人が来てくれるといいんだけどなぁ(爆)

それでは、活動再開の折りにまたお会いしましょう。


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