TOPへ/第2書庫へ/




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−




BATTLESHIP P−31
1000HIT記念!
お祝い(?)SS



    くちづけの、痕




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−





「・・・・・・早くしないと、遅刻しちゃうよ?」
 玄関から、彼の声だけが飛んでくる。
「うるさいわね! レディは支度に時間がかかるのよ!」
 そう言い返して、改めて鏡で全身をチェック。
 今日の服装は、開襟の白いブラウスに、ペンシルストライプの黒のジャケットと、ロングタイト。
 ちょっと色が足りない気もするけど、そこは私の美貌でカバー。
「これでよ・・・・・・」
 し、といいかけて、ふと襟元に目が行った。
 僅かに見える、鎖骨の下あたりにぽつんと・・・・・・
「信じられない! なんてことすんのよぉ!」
 ・・・・・・はっきり残された、くちづけの、痕 。
「どうしよう?」
 絆創膏・・・・・・だめ、逆に目立っちゃう。
 かといって、着替えている暇はない。
「本気で遅刻するよ!」
 玄関で、再び彼が叫ぶ。
 反射的に時計を見ると、確かにそろそろまずい時間。
「・・・・・・一応、隠れるわね」
 襟元を直すと、ギリギリで何とか隠れた。
 仕方ない。
 今日一日は気を付けなくちゃ。
 ・・・・・・でも、結構嬉しかったりする。
 彼が私を愛してくれている証拠だから 。
「お〜い!」
「今行くわ!」
 バッグを掴んで、玄関へと駆け出す。
「ほら、急いで」
 サンドベージュのスーツを着た彼は、半開きのドアの前で、苦笑している。
 ちょっとだけ、むか。
 誰の所為で遅れかけてるのよ。
 ・・・・・・そう言いかけて、私はあることを思いついた。
「あなた」
「なに?」
 呼びかけると、綺麗な黒い目が見返してくる。
「これ」
 首を傾けて、襟元を広げて見せた。
「あ」
 まずい、というカオをしてみせる彼に擦り寄り、スーツの襟元を広げて、顔を寄せる。
「ちょ、ちょっと! 口紅ついちゃうって!」
 狼狽している彼の声を無視して、ワイシャツの上から鎖骨の下あたりに、キス。
「おかえし」
 ・・・・・私と同じ場所に、カシスレッドのキスマーク。
「今日一日、スリリングでしょ?」
 とっておきの笑顔で、困り切った表情をする彼を見る。
「スリリングって・・・・・」
「元はといえば、あなたが悪いの!」
 痕なんか、つけるから。
「私がしてあげたんだから、光栄に思いなさい」
 そう言って、右手を差し出す。
 彼はふわりと笑って、大きな左手で包んでくれた。
「・・・・・・今日は、白衣のボタン全部止めないと駄目だな」
 看護婦さんや、患者さんにバレないようにね。
 今日一日、私のこと、ずっと考えていてね。
「ほら、早くしないと遅刻しちゃう!」
「はいはい。参りましょうか、奥さん」
 ・・・・・・愛してるわ、あなた。









<fin>




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

【送りつけておいて、いいわけ】  

HTMLで書いたのに、深い意味はないんです。

投稿よりも、お祝いのつもりで書いたんですけど・・・・・・駄作で済みません(T-T)。

『私』は勿論、彼女です。

『彼』は勿論、彼です。

この話は、しすたーが通勤中、男性の背広に口紅つけちゃう、というヤツをヒントにしました。

で、医者と大学教授の夫婦という設定は、完全にしすたーの好みです。

特に医者の方は、『小児病棟に入院している子供たちにチェロを弾いてあげ』ないと駄目だそうで。

まあ、医者にはクラッシック好きが多いと言うし・・・・・・

それはさておき、1000HITオメデトウございます。

                             ぶらさー玲@裏二人羽織






艦長より一言

本艦への初投稿ー!!!!

嬉しい・・・めっちゃ嬉しい。

まあ、それは置いといて、

いいですねえ・・・・こーゆー雰囲気。

短くとも思い溢れるというか・・・・

これを読んで、

「名前が出てねえじゃねえか!」

などと言わないように。

雰囲気(というかムードというか)で察して下さい。

さあ!これを読んでスイートなLASがもっと読みたい、と言う方はここへ!!

ぶらざー玲さんのHPです。

とってもかっこいいシンジ君にお目にかかれます。





感想と励ましのメールを出そう!!

ぶらざー玲@裏二人羽織


TOPへ/第2書庫へ/