Ich mermele in seinen Bart・・・・

微笑みを忘れたのは何時から？

肯定を失ったのは何時からだったのかしら？

見えていたのは虚構の自分

見つめていたのは欺瞞の貴方

そして失ったのは本当の自分

消してしまったのは貴方がくれた想い

仮面の後ろで泣いていた私

全てを隠して俯いていた貴方

千切れた人形の首を抱きしめながら．．．．．．．

砕け散ったガラスの破片を集めるように．．．．．．

乗り越えられない母の面影

切り捨てられない父の呪縛

『そして無くしていった新たな絆』

騙したかった訳ではなく

傷付けたかった訳でもなく

それなのに．．．．．お互い壊し合ってしまった

その時探していたものは．．．．．．

優しさとは違う

甘えとも違う

ただ．．．．二人、理解り会いたかった

すれ違いは必然

私は何も言わない

貴方は何も言えない

それはただ縋るだけの心

歩み寄る努力をしなかっただけ

壊したのは自分自身

辛いのも自分自身

そして．．．嘆くのも自分自身

欲しかったのは心のビー玉

きらきら輝くたった一つの宝物

やっと見つけた．．．．

初めて本気で欲しいと思った

それは昔聞いた子守り歌のようで．．．．

まるで頭を優しく撫でてくれた父の手

ぎゅって抱きしめてくれた母の胸

与えられなかった、求め続けたもの

泣いても泣いても．．．．もう、いくら泣いても、

二度と手に入らない、掛け替えのないもの

失って初めて知る想い

信じられない程の喪失感

心が引き千切れ、身体が意志を拒絶する

もう、何も見たくない

何も聞きたくない

何もしたくない

何も．．．．．．何も何も何も何も

なにもなにもなにもなにもなにもなにも

ナニモナニモナニモナニモナニモナニモナニモ

何も．．．．．．．．．．

．．．．．．．．本当は私にだって理解っていた

私と”貴方”と．．．．そして”彼女”

私達はお互い、有り得たかも知れない可能性

魂の底で繋がるＤｒｉｌｌｉｎｇ（三つ子）

初めに宿ったのは近親憎悪

同時に奇妙なデジャヴー

意識する自分を憎み、意識させる彼らを呪った

そしてやがて

刹那は永遠を夢見たまま消えて行き．．．．．

貴方と彼女は、お互いの中に鏡の中の肉親を見つけ

私と貴方は、お互いの中に支え合えるかもしれない可能性を見つけた

それは即ち．．．．

失う事のない幸福と、結ばれる事の無い悲しみ

そして結ばれる想いと、容易くひび割れる狂熱

私は彼女に対して、僅かな優越と消せない嫉妬を抱き

貴方に対して見えない苛立ちと、寄り掛かる恐れを抱き続けた

気持ちをぶつけ合い、そして受け止め合う

それが出来るほど大人ではなく

駄々を捏ねて意地を張り合い、翌日は簡単に仲直りをする

それが出来るほど子供でもない

すれ違いは徐々に崩壊へと流れ出し

ばらばらの花弁へと変る

そして私は．．．．決して失ってはいけないものを、

自らの手で．．．．．

再び巡り逢えたのは思惑

しかし私の身体は喜びに震え

脅えていた瞳は幸せ色に染まる

忘れる事の出来なかった貴方の面影

叶わない夢で終わると思い込んでいた日々

ふわふわと現実から浮かび上がり、欠けているものを探しつづけた

そして私は最後のピースを見つけ出し

邂逅は願いをセピアからビビットへ激変させる

もう二度と離さない

この温もり．．．．失っては生きていけない

まどろみの時は過ぎ去った過去

紡ぐのはこれからの未来

支えられていた幹は思いのほか強く

訪れる春は暖かさを教えてくれた

今、私を包み込むのは貴方

それはまるで至上の”ゆりかご”

貴方の微笑みは変る事なくそこにあり、透明な瞳は意志を持って私を見つめてくれる

月の零した涙は降り注ぎ、

太陽がくれた羽翼は輝きを思い出す

まだ残されていた架け橋を、貴方と手を取り合って．．．．．

私は今、躊躇う事無く一歩踏み出した。

Fin