1.征途
(徳間ノベルス)










御大の作品群の中で、唯一完結しているモノ。
そういう意味では、評価できる唯一の作品とも言える。

レイテで偉大な勝利を収めた日本海軍。
その代償として、祖国は二つに分断される。

面白いのは、分断された国の悲哀を書くのではなく、それによって日本がどういう経路を辿ってマトモな国に脱皮するかが描かれていること。
今の日本がマトモな国、なんて言う人がいたら、神経疑います。マジで。

まあ、御大作品に限らず、仮想戦記自体にフラストレーションの解消という効果もあると思う。
そう言った意味で、「○×の艦隊」系はダメです。
余計フラストレーションが溜まります。
話が逸れた。

1巻 「衰亡の国」で、日本が負けるまでの過程を。
2巻 「アイアンフィスト作戦」で、日本動乱とヴェトナムに日本が深入りする過程を。
3巻 「ビクトリーロード」で、湾岸戦争と統一戦争、そしてエピローグ。

”海の家系”藤堂一族と1隻の戦艦の物語と言っても過言ではない。

フェイズド・アレイ・レーダー装備の超強力イージス護衛艦「やまと」の勇姿が読みたければ本屋へGO!(笑)


BUT。
2巻で描写が出てくる、「武蔵」最後の戦闘、沖縄沖海戦だけは頂けないんじゃないでしょうか?
なんぼなんでもアレはないでしょう。