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妖精の守護者  第34話

 

 

 

 

 

「アキトさん!」

 

すぐに後を追おうとするルリ。

ラピスとルリカも同じようにする。

だが・・・。

 

「来るなと言ってるんだ!」

 

怒気をはらんだアキトの声。

あまりのプレッシャーに3人とも足を止めてしまう。

顔だけ後ろに向けるアキト。

血で赤黒く変色している。

 

「・・・今は、1人にしてくれ・・・」

 

そう呟くとトボトボと歩いていくアキト。

ルリ達は、誰1人としてその後を追うことが出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖精の守護者

第34話「伝えられた想い」

BY ささばり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1週間程たった。

木連側とは何とか話し合いが持たれている。

アキトはこの1週間、特に変わっていない。

少なくとも、周りの人間達にはそう見える。

それはルリ達も同じである。

火星の後継者の艦から戻ってきた血まみれのアキト。

そのアキトの様子にかなり心配していたルリ達。

だが、翌日からのアキトは普段と変わらなかった。

優しい笑顔をルリ達に向けている、いつものアキトだった。

ルリカやラピス、そしてルリすらもその笑顔が偽りのモノだとは気付けなかった。

ナデシコ、テンカワアキトの私室。

真っ暗な部屋の中、1人で佇んでいるアキト。

 

「・・・アヤカ・・・」

 

闇に吸い込まれる呟き。

その左腕は、肩の少し下くらいから無くなっている。

 

「アヤカを・・・殺した・・・」

 

そう言ってその場に崩れるように膝をつくアキト。

 

「護りたいものがあるから殺しただと・・・そんなの言い訳だ・・・」

 

ドン!

右拳を床に叩き付ける。

痛みは感じない。

骨も砕けない。

 

「クソ、壊れろ・・・壊れろ!」

 

ドン!ドン!ドン!

何度も。

何度も。

だが、やがて諦めるアキト。

 

「クックックッ・・・こんな腕・・・壊れてしまえばいいのに・・・」

 

狂気。

アキトにとっては懐かしいもの。

以前のアキトが唯一生き甲斐にしていたもの。

この時もしアキトに左腕があれば、その手で右腕を引き千切っていただろう。

唯一残る自らの右腕に、それ程の憎悪を感じていたアキト。

 

「どうしてこんな・・・こんな取り返しのつかないことを・・・」

 

悔しそうに歯を食いしばるアキト。

 

「クソ!」

 

ドゴン!

再び床に拳を叩き付けるアキト。

 

『マスター、もう止めてください』

 

オモイカネウィンドウが表示される。

だが、それを忌々しそうに睨むアキト。

 

「オモイカネ・・・お前は黙っていろ」

 

その声色は、人間が聞いたら失神してしまうほど冷たい。

だが、オモイカネは人間ではない。

 

『しかしマスター・・・』

 

「命令だ!少し黙っていろ!」

 

『・・・了解・・・』

 

そしてオモイカネウィンドウは消える。

オモイカネはアキトに逆らうことが出来なかった。

そうプログラムされているわけではない。

それでも、オモイカネはアキトに絶対服従している。

沈黙が支配する室内。

ふと、視線を横に向けるアキト。

じっと見ているアキト。

 

「済まない・・・今は1人にしておいてくれ」

 

アキト以外誰も居ないはずの室内。

だが、アキトには確かに見えていた。

アキトを寂しそうに見る少女が。

 

『・・・お兄ちゃん・・・』

 

「・・・お願いだよ・・・アヤカちゃん・・・」

 

それから1時間、アキトは身動き1つしなかった。

ただ、ブツブツと呟いているだけ。

「殺した」・・・と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「え!!」」

 

ブリッジにいたラピスとルリカが同時に声を上げる。

そして、ガタガタと震え出す。

 

「どうしたの?」

 

ユリカが何事かと2人に声をかけるが、ラピスもルリカも自分の身体を抱いたまま震えている。

心配になってクルー達が集まってくる。

 

「これ・・・アキトの心・・・真っ暗・・・」

 

呟くラピス。

 

「暗くて・・・とっても冷たくて・・・どうして・・・お父さんが・・・」

 

震えながら言うルリカ。

2人はアキトとリンクしているのだ。

そのアキトの感情が、ラピスとルリカに流れ込んでいるのだ。

普段はこんな事はない。

今のアキトの感情が余程強いのだろう。

ラピスも今まで感じたことのない程の、負の感情。

 

「アキト君って・・・どう言うことなの?」

 

ミナトが2人に声をかける。

ちょうどその時、一瞬ラピスとルリカの身体が跳ねた。

次に聞こえてきたのは、ラピスの悲鳴。

 

「いやあああ!」

 

急に錯乱状態になるラピス。

彼女たちの頭には確かに響いたのだ。

アキトの言葉が。

 

『死にたい』

 

そう確かに聞こえたのだ。

 

「お父さん、どうしてそんなことを!!」

 

叫ぶルリカ。

だが、周りの人たちは何が起こっているのかわからない。

駆け出すラピスとルリカ。

急いでアキトの部屋に向かう。

アキトの部屋に向かう途中、ちょうど廊下を歩いていたルリに出会う。

2人してルリに飛びつく。

ルリが彼女たちを支えられるわけはなく、尻餅をついてしまう。

 

「いたたた・・・どうしたんですか、2人とも?」

 

そう言って2人の顔を見たルリが息をのむ。

2人は顔をクシャクシャにして泣いていたのだ。

 

「どうしたんですか?誰かにいじめられたんですか?」

 

そう訊くルリに抱き付きながらラピスが泣き叫ぶ。

 

「アキトが死んじゃうよ〜!アキトが私の事置いてっちゃうよ〜!」

 

「え?」

 

ラピスの言葉の意味を理解できないルリ。

すると、ルリカがしゃくり上げながら言う。

 

「お父さんが死にたいって・・・私どうしたら良いんですか?・・・お願いですルリさん・・・お父さんを助けてください・・・このままじゃお父さん本当に死んじゃいます・・・」

 

そう言われてやっとわかった。

アキトが自殺しようとしている。

そこまではわかった。

だが、それならば何故自殺するのか。

それがわからなかった。

 

「アキトさんが自殺・・・でもどうして・・・」

 

それに答えたのはルリカだった。

 

「お父さんから物凄く冷たいものが流れてくるんです・・・お父さんは自分を物凄く恨んでいます・・・・どうしてこんな・・・さっきから『死にたい』って聞こえて来るんです。私はお父さんと繋がってますから・・・でも、こんなにハッキリ聞こえるなんて・・・」

 

そこで言葉を切るルリカの代わりにラピスが口を開く。

 

「お願いルリ、アキトを助けて!さっきから何度もアキトに呼びかけているのに全然聞こえてないみたい・・・このままじゃアキト本当に死んじゃうよ!」

 

そう言って必死にルリにしがみつくラピス。

同じくしがみつくルリカ。

 

「お願いですルリさん・・・私お父さんに死んで欲しくないです・・・でも・・・でも・・・さっきから何度も呼びかけているのに・・・聞こえていないみたいで・・・」

 

2人とも涙を流しながらルリに訴えかける。

 

「わかりました・・・とにかく急ぎましょう」

 

そう言って2人を立たせると、ルリは急いでアキトの部屋に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アキトの部屋の前。

そこに、主だったクルー達が居る。

ラピスとルリカの様子が変だったので、みんな心配で見に来たのだ。

先程から、ここで戦いが繰り広げられていた。

親友同士の対決。

ホシノ・ルリ対オモイカネ。

 

「オモイカネ、ドアを開けて」

 

『それは出来ません』

 

先程からその繰り返しである。

ユリカやミナトが言ってみたが結果は同じ。

ルリの言うことですら聞かないのだ。

強制的に開けようとしたが、オモイカネ自らそれを阻止した。

もし無理に開けようとするのなら、オモイカネを破棄する必要がある。

 

「どうして開けてくれないの?」

 

『プライバシーの保護』

 

ルリの問いにそう表示するオモイカネ。

だが、いい加減ルリもその答えには飽きていた。

 

「オモイカネ、そんな答えは聞き飽きました!どうして開けてくれないの?アキトさんが危ないんですよ!」

 

『・・・』

 

「答えなさい!オモイカネ!」

 

『・・・マスターの命令は絶対です。マスターが絶対に開けるなと私に命令しました。よって私はその命令に従っています』

 

「マスター?」

 

『私の創造主・・・テンカワ・アキトです』

 

その表示に皆驚く。

驚かなかったのは、こっそり医務室のモニターで見ていたイネスだけだろう。

 

「アキトさんが・・・オモイカネの創造主?」

 

『はい、マスターはルリさんのために私を作りました。ルリさんが寂しくないように、人工知能の私を・・・あなたのお友達となれる私を・・・』

 

「そんな・・・何時・・・」

 

『マスターが14歳の時から北辰と名乗る男に拉致されるまでの間・・・。その後、イネス・フレサンジュ博士はマスターの意志を継ぎ、ネルガルにその完成を依頼しました。しかしその時点ですでに私は80%程完成していました』

 

誰しも声を出せないで居た。

オモイカネを作る。

尋常な頭脳ではない。

余談だがその頃のアキトの睡眠時間は1日平均3時間を切っていたという。

 

『マスターはあなたの為だけに私を作りました・・・そしていつも私に言っていました。「ルリちゃんの友達になってあげてくれ」と・・・』

 

「・・・そんな・・・」

 

初めて知った事実。

オモイカネがアキトを大事に想っている訳。

その全てが明らかになる。

 

『私はどんなことがあってもマスターを裏切ることは出来ません』

 

「・・・オモイカネ・・・」

 

『どうしても通りたいのなら、私のシステムを壊してからにしてください』

 

そして、しばらく睨み合うルリとオモイカネ。

誰も口を挟めない。

その時、いきなりドアがスライドしてアキトが出てきた。

辺りを見回し、笑顔を浮かべる。

 

「みんなどうしたんだ?こんなに集まって」

 

そう言ったアキトにラピスとルリカが飛びつく。

 

「アキトー!死んじゃやだよ!」

 

「お父さん、お願いですから早まらないでください!」

 

そう言って抱き付いてくる2人を優しく抱いているアキト。

 

「2人とも・・・もう大丈夫だよ。わかるだろ、俺はもうそんなこと考えてないよ」

 

そう言ってにっこり笑うアキト。

その笑顔に真っ赤になるラピスとルリカ。

アキトの心は暖かい。

ラピスもルリカも安心してしまう。

しばらく2人を抱いてあげていたアキトが、ゆっくりと2人を離す。

 

「みんな、俺は大丈夫だから」

 

そのアキトの言葉と表情に皆安心して帰っていく。

ついにラピスとルリカが帰っていく。

1人のこり、アキトを見ているルリ。

 

「・・・ルリちゃん・・・俺は平気だから・・・」

 

そう言ってにっこり笑う。

だがこの時ルリは、アキトの必殺の笑顔を目の当たりにしていながら、非常に冷静だった。

ルリの瞳が、アキトの瞳を見つめる。

アキトも、ルリを真っ直ぐ見つめている。

 

「大丈夫だから、ルリちゃん」

 

「・・・わかりました・・・」

 

そう言って、アキトに背を向けるルリ。

その少女の後ろ姿が見えなくなるまで、アキトは部屋に戻らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜。

1人の少女が廊下を歩いている。

彼女の名前は、ホシノ・ルリ。

目的地に向けて、黙々と歩いている。

やがて、その目的地が見えてきた。

テンカワ・アキトの私室である。

やがて、ドアの前で止まる。

 

『・・・やはり来ましたか・・・』

 

ルリの前にそう表示されるオモイカネウィンドウ。

それに、ゆっくりと頷くルリ。

 

「オモイカネ・・・あなたは騙せませんね・・・」

 

『私だけではありません。マスターもこの事を予期していましたよ』

 

だが、ルリは驚かなかった。

アキトほどの男なら、それも有り得ることだった。

 

「アキトさんは・・・まだ自分を許していません。このままでは、いずれ・・・」

 

そう言ってから、キッとオモイカネウィンドウを睨むルリ。

 

「お願いオモイカネ。そのドアを開けて」

 

『マスターはこの事を予見していて、その上で私に命令しました。「誰も通すな」と』

 

先程と同じである。

オモイカネは、アキトの命令に従っている。

だが、そんなウィンドウを決心した瞳で見ているルリ。

 

「お願いです、オモイカネ。アキトさんが苦しんでるの・・・このまま放っておくなんてできません!」

 

次第に、ルリの瞳に涙が浮かんでくる。

 

「お願い・・・もう嫌なの・・・アキトさんが居なくなるのはもう嫌なの!」

 

そう泣き叫びながらオモイカネウィンドウを見るルリ。

ポロポロと涙をこぼしているルリ。

 

『ルリさん・・・テンカワアキトは私のマスター。私はあの人を裏切ることはできません・・・』

 

「・・・そんな・・・」

 

『でもルリさん・・・あなたは私の親友です。人ではない私に出来た、初めてのお友達・・・マスターと同じ、大切な人・・・』

 

次の瞬間、アキトの部屋のドアが開く。

 

「オ、オモイカネ?」

 

『マスターを頼みます』

 

「オモイカネ・・・ありがとう」

 

涙を拭きながらオモイカネに笑顔を向けるルリ。

そして、一声かけてからゆっくりと部屋に入っていく。

やがて、部屋のドアが再び閉まる。

 

『・・・マスター・・・』

 

そう映し出されたオモイカネウィンドウはどこか心配そうだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アキトさん・・・入りますよ」

 

そう言ってアキトの部屋に入ったルリ。

何もない室内が、いつも以上に肌寒く感じる。

そのまま奥まで進んでいく。

そして無造作に転がっていたモノに躓く。

 

「こんな所に・・・え?」

 

手に取ってみてはじめてわかった。

それはアキトの義手だった。

半ばから斬られている。

それが転がっていたのだ。

ゆっくりと義手を戻すルリ。

アキトの姿はどこにもない。

よく耳を澄ますとシャワーの音が聞こえてくる。

 

「シャワーか・・・そうですよね」

 

1人で納得したルリ。

現在の時刻は夜の12時をまわっている。

シャワーを浴びていてもおかしくない。

しばらくベッドに腰掛けて待っている。

だがいくら経ってもアキトは出てこない。

その時。

ガシャン!

バスルームから大きな音がした。

 

「アキトさん!」

 

急いでバスルームに駆け込むルリ。

そこで見たのは。

服を着たままシャワーを浴びているアキト。

シャワーに打たれながら立ち竦んでいる。

そして備え付けの鏡が割れていた。

アキトの手から血が滴る。

 

「ア・・・アキトさん!」

 

「来るな!」

 

アキトの声に一瞬足を止めるルリ。

だがすぐにアキトに駆け寄る。

 

「アキトさん・・・これ・・・すぐに手当しないと!」

 

アキトの手を取りながらルリが言う。

だがアキトはその手を払う。

 

「いいんだ・・・この手があいつを殺したんだ・・・だがら・・・だから!!」

 

ドン!

鏡が割れた後の壁に、さらに拳を叩きつける。

赤い、血の痕がつく。

 

「止めてください!」

 

アキトの右腕に抱き付くルリ。

そこで、やっと大人しくなるアキト。

だが・・・。

 

「ルリちゃん・・・触らない方が良いよ。その腕は、人殺しの腕だよ」

 

アキトはルリの方を見ようとしない。

露骨に顔を背けている。

 

「アキトさん・・・」

 

「ルリちゃん・・・俺から離れた方が良いよ・・・血の臭いが移るよ・・・」

 

弱々しいアキトの声。

あのテンカワ・アキトが、こんな弱々しい声を出すなどと誰が想像できるだろうか。

 

「・・・出て行け・・・」

 

「え?」

 

「出て行け!!」

 

怒鳴るアキト。

 

「いやです!」

 

そう言うといきなりアキトにぶつかるように抱き付くルリ。

いきなりの事にアキトはそのまましゃがみ込んでしまう。

 

「・・・よせ・・・汚れる・・・」

 

今にも消えてしまいそうなアキトの声。

 

「いやです!今のアキトさんを1人にはしておけません!」

 

その言葉にビクッとなるアキト。

 

「・・・お前に何がわかる・・・」

 

「えっ?」

 

アキトの気配が変わる。

ゆっくりと、シャワールーム内に殺気がみなぎっていく。

 

「お前に何がわかる!お前に俺の気持ちが分かるのか!?」

 

アキトがルリを怒鳴りつける。

だが、今日のルリはひと味違った。

 

「わかります!大切な人を失った気持ちなら!」

 

その言葉に呆然とするアキト。

2人の頭上からシャワーが降り注ぐ。

アキトの瞳がルリの瞳を見つめる。

そしてハッとなる。

シャワーの水ではない。

ルリは泣いていた。

 

「・・・ルリちゃん・・・」

 

「大切な人を失った悲しみなら私にもわかります・・・だって・・・だって・・・あの時アキトさんが北辰に連れ去られたとき・・・とっても悲しかった」

 

「・・・」

 

「みんながアキトさんはもう死んだって・・・ずっとあの家で待ってたのに・・・1人で待ってたのに・・・それなのにアキトさんは帰ってこなくて・・・夜も1人で寝て・・・寂しいからアキトさんのベッドで寝て・・・何度も泣いて・・・」

 

いつの間にかシャワーは止まっていた。

恐らく止めたのはオモイカネ。

アキトはルリを黙って見つめている。

ルリは涙を流しながらアキトを見つめている。

 

「私・・・アキトさんの事好きです!あの時はまだ子供でしたけど・・・今でもアキトさんの事好きです・・・愛してるんです!」

 

真っ直ぐなルリの視線。

ゆっくりと頭を振るアキト。

 

「ルリちゃん・・・でも俺は人殺しだよ・・・君も見ただろ・・・俺は・・・ん!」

 

アキトの唇を自らの唇で塞ぐルリ。

いきなりのことで驚くアキト。

だがすぐに冷静になるとしばらくされるがままになる。

しばらくしてゆっくりと離れるルリ。

少し頬を赤らめている。

 

「ごめんなさい・・・でも・・・どうしても伝えたかったから・・・どうしても私の気持ちを伝えたかったから・・・」

 

「ルリちゃん・・・」

 

しばし見つめ合う2人。

ルリは、アキトを離さないようにしっかりと彼の肩を掴んでいる。

壁に寄り掛かり座り込んでいるアキトに馬乗りになっているという体勢である。

 

「あの時・・・ピースランドで言ってくれたじゃないですか。ずっと一緒に居てくれるって!!」

 

必死に訴えかけるルリ。

だが、アキトは忌々しそうに吐き捨てる。

 

「でも、俺はもう嫌なんだよ・・・生きているのが!!」

 

そのセリフを聞いたルリが激昂する。

濡れて重くなった髪を振り乱して。

 

「嘘つき!!」

 

「え?」

 

物静かなルリの激情を目の当たりにしてアキトは驚く。

 

「嘘だったんですか!あれは嘘だったんですか!!」

 

ポロポロ涙をこぼしながら言うルリ。

 

「・・・」

 

だが、答えられないアキト。

そのときの気持ちは本当だった。

ずっと一緒に居たいと思っていた。

自分の命が尽きるまで一緒に居ようと思っていた。

 

「どうして・・・どうしてですか・・・。ずっと一緒に居てくれるって言われたとき・・・私がどんなに嬉しかったかわかりますか!?」

 

「・・・」

 

「もう私を置いていかないでください!!お願いですからもう私の前から居なくならないでください!!」

 

「・・・ルリちゃん・・・」

 

「私はアキトさんが人殺しだって・・・気にしないと言ったら嘘になるかも知れません・・・。でも・・・でも、私はアキトさんを愛しています!!愛しているんです!!」

 

そう言ってアキトにしがみつくルリ。

 

「だから・・・だから私と一緒に居てください!!」

 

だが、ルリのその言葉を聞いてもアキトは黙っていた。

ルリを抱きしめるでもなく、ただ呆然としていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アキトの部屋、シャワールーム。

ルリとアキトが抱き合っている。

いや、正確にはルリがアキトに抱き付いている。

先程からまったく動かない。

5分ほど過ぎただろうか。

 

(一緒に居てくれ・・・か)

 

ルリに抱き付かれながら、アキトはぼんやりと考えていた。

 

(どうして、あの時君を護ってやれるだけの力がなかったのかな?)

 

火星の後継者の研究所で、男達に陵辱されるアヤカ。

動けないアキト。

今でも鮮明に思い出す。

忌まわしき過去ほど、人は忘れることが出来ない。

そしてそれは、その人の心を蝕むことになる。

 

(力があれば・・・奴らになど触れさせなかったものを・・・)

 

そこまで考え、しばらくボーっとしているアキト。

ルリは、ただジッとアキトに抱き付いている。

 

(ルリちゃんだって・・・いつ北辰に狙われるか・・・)

 

事実、ルリカとラピスはアキトの留守中に北辰の手のものに狙われた。

プロスペクターが何とかそれを防いだが、次も狙われたらどうなるかわからない。

当然、ルリがターゲットになることも有り得る。

そう考えたとき、アキトは言い知れぬ不安を感じた。

過去の忌まわしい記憶が、アキトの精神を蝕む。

そして、何かが切れた。

 

(・・・なら・・・護ればいいじゃないか・・・)

 

アキトはふと、自分に抱き付いている少女に目を向ける。

濡れた瑠璃色の髪が、とても美しかった。

汚れ無き妖精。

その全てが、闇を纏いし黒き王子には何よりも美しく見えた。

 

(渡さない・・・これは俺のものだ)

 

力さえあれば、愛する者を護ることが出来る。

力さえあれば、愛する者を手元に置くことが出来る。

北辰に奪われることもない。

離ればなれになることもない。

 

(今の俺には力がある。もう・・・奪われたりしない・・・俺の大切なものを奪おうとするものは、誰であろうが狩る)

 

そう思った瞬間、アキトは全ての柵から解放された。

アキトはその深い愛ゆえに、人の道を踏み外す。

 

(・・・クックックッ・・・誰であろうと狩る・・・こいつは良い・・・)

 

アキトはこみ上げてくる笑いを抑えることが出来なかった。

 

「クックックックックッ・・・・・・なんだ・・・簡単な事じゃないか・・・」

 

「ア、アキトさん?」

 

アキトの声に驚いて顔を上げたルリを、アキトはぎゅっと右腕で抱きしめる。

 

(・・・・・・みんなを護る・・・ついでに邪魔者も狩る・・・それで良いだろ、アヤカ?)

 

心の中でそう問いかけるアキト。

アキトの中のアヤカは、彼の意見に賛成してくれた。

当然、彼の錯覚である。

だが、アキトはその事に気付かない。

この時、本当の意味でアキトの心は壊れたのかも知れない。

大切な『何か』と共に。

 

(そうだね、わかったよ。ルリちゃんも、ルリカも、ラピスも・・・みんな・・・みんな俺がこの力で護る。もう手放さない。何があろうとも、ずっと側に置く)

 

アキトは、自分がいかに危険な事を考えているか、気付く事が出来なかった。

後にそれが、アキトが最も恐れていたはずの『娘達の不幸』を引き起こしてしまうとは、考えもしなかっただろう。

だがそれを責めることは、誰にも出来ないのかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アキトがゆっくりとルリを放す。

 

「アキトさん・・・」

 

そう言ってアキトを見つめるルリ。

アキトも顔を上げ、ルリの美しい瞳を見つめる。

 

「・・・わかったよ・・・」

 

「え?」

 

「俺は心のどこかで、自分だけが悲惨な目に遭ってると思っていた・・・心のどこかで自分だけが悲しい思いをしていると思っていた・・・」

 

ルリはアキトの言葉を黙って聞いている。

真剣な眼差しで。

 

「そして・・・その苦しみから逃れるために死のうとした。前と同じだな・・・復讐に逃げようとしたあの頃と・・・」

 

そう言って自嘲気味に笑うアキト。

ルリは、何も言えなかった。

 

「俺・・・ルリちゃんの事も考えずに怒鳴ったりして・・・最低だよ」

 

「そんな事ないです!」

 

「俺・・・嬉しいんだよ・・・」

 

そう言ったアキトから、やっと魅力的な笑みがこぼれる。

何となく赤くなるルリ。

 

「最初はただの妹だと思ってた・・・でも、この艦に乗って再会して・・・そしてはじめて気付いたんだ・・・」

 

そう言ってルリを見つめるアキトの瞳は真剣だった。

ルリは、その瞳から目が離せない。

 

「俺は君を愛している」

 

アキトの告白。

正面からルリを見るアキト。

その言葉は、ルリがずっと待ち続けていた言葉。

それがたとえ、アキトの壊れた心が発した言葉であったとしても。

 

「ア・・・アキトさん・・・」

 

再びルリの瞳から涙がこぼれ落ちる。

ずっと好きだった人。

ずっと愛していた人。

テンカワ・アキト。

その彼が、自分を愛していると言ったのだ。

ルリは、余りの嬉しさに涙を流していた。

 

「・・・ルリちゃん・・・」

 

そう囁くアキト。

右手でルリの顎を持ち上げると、真剣な顔をする。

 

「・・・アキトさん・・・」

 

アキトの真剣な顔に真っ赤になりながらもゆっくりと目を閉じるルリ。

アキトがゆっくりとルリに顔を近づける。

そして、口づけをかわす2人。

ホシノ・ルリ。

彼女がテンカワ家に引き取られてから今まで、すっと抱き続けていたアキトへの想い・・・。

その想いが、今伝わったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ルリちゃんも、ルリカも、ラピスも・・・みんな・・・みんな俺が護る。もう手放さない。何があろうとも、ずっと側に置く・・・絶対に、誰にも渡さない)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・う・・・ん・・・あれ・・・ここは・・・」

 

ふと目を覚まして辺りを見回すルリ。

自分の部屋ではない。

自分の部屋以上に物がない部屋。

 

「?」

 

ゆっくりと体を起こすルリ。

 

「ここはどこ?・・・」

 

ふと自分の身体を見る。

パジャマを着ていない。

眠い目をこすりながら再び辺りを見回す。

 

「ここ・・・アキトさんの部屋?・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!」

 

そこで思い出すルリ。

ぽんっと言う音が聞こえて来るかのように真っ赤になる。

シャワールームでの告白。

アキトの部屋に泊まったこと。

そして・・・。

誰も居ないにも関わらず、頭までベッドに潜り込むルリ。

 

「私・・・アキトさんと・・・」

 

昨夜のことを思い出しては真っ赤になっているルリ。

モソモソと顔だけを出し、再び部屋の中に視線を走らせる。

アキトは居ない。

時計を見るともう11時過ぎだ。

仕事はラピスとルリカがやっているのだろう。

アキトが寝ていたであろう場所をそっと撫でる。

微かに残る温もり。

ゆっくりと枕に顔を埋めるルリ。

 

「アキトさんのにおいがする・・・アキトさん・・・」

 

そう言いながら再び夢の世界に落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

展望室。

アキト、九十九、元一朗が座っている。

映し出されている夕日を眺めている。

 

「傷はいいのか?」

 

元一朗の問いに微かに笑うアキト。

 

「・・・足の方に少し違和感があるが・・・まあ特に支障はない・・・」

 

「そうか・・・」

 

アキトの言葉を聞いてほっとする元一朗。

そしてまた黙って夕日を眺めている3人。

しばらくして九十九が口を開く。

 

「とりあえず和平は結べそうだな」

 

「ああ」

 

アキトの言葉に応える九十九。

アキトは左腕がない。

新しい義手が出来るまでは当分このままである。

 

「これから根気よく交渉していけば・・・きっと和平は結べるよ・・・」

 

「そうだな・・・地球の奴らは・・・皆悪いわけではないしな・・・」

 

元一朗が言う。

先日の戦いでナデシコとトビウメの危機を救ったのは、秋山源八郎率いる木連艦隊だった。

秋山は草壁が火星の後継者と繋がっていること事を確信し、正式な命令を受けて来たのである。

もっとも、確信が持てたのはアキトが情報を流したからなのだろうが・・・。

 

「アキト・・・お前はこれからどうするんだ?」

 

元一朗の問いに少し微笑むアキト。

 

「まだ北辰を殺していない・・・それにどうやら簡単に死ぬわけにはいかないらしい・・・」

 

そう言ったアキトの顔は清々しかった。

先日の辛い出来事など微塵も感じさせない。

 

「そうか・・・」

 

そう言って夕日を見る元一朗。

 

「そう言うお前達はどうなんだ?」

 

アキトの問いに口を開く元一朗。

 

「和平が成立すれば忙しくなる。当分は休めない・・・」

 

続いて九十九が口を開く。

 

「俺はユキナが一人前になるまでは・・・側に居てやりたいと思う・・・」

 

そう言った九十九は漢の顔をしていた。

 

「そうだな、俺もアキトもあの子の味方だしな」

 

元一朗も言う。

 

「フッ、確かにユキナには頭があがらないな」

 

そう言うと眼を細めるアキト。

眩しそうに夕日を眺める。

 

「和平が成立したら忙しくなる。だが・・・それは歓迎すべき事だ」

 

元一朗が呟く。

その言葉に頷く九十九。

その時。

 

「あー!こんなトコにいた!全く何してるのよ、男3人がこんな所で夕日なんか眺めちゃってさ!」

 

この3人の男達がそろって頭の上がらない唯一の存在。

白鳥ユキナ。

彼女が展望室に入ってきたのだ。

ずかずかと3人の方に近寄ってくる。

 

「ユキナ・・・お前も大人になれば・・・」

 

「わかりたくない!」

 

ユキナの一言で黙ってしまう九十九。

 

「さっきから秋山さんが待ってるのよ!」

 

腰に手を当てて怒鳴るユキナ。

そんな彼女にフッと笑うアキト。

そして、立ち上がる3人の情けない男達。

 

「秋山・・・源八郎か・・・」

 

そう呟くアキト。

その表情は何かを考えているようだった。

そんなアキトに九十九が言葉をかける。

 

「大丈夫だ・・・秋山は信用できる・・・」

 

「・・・ああ・・・それは目を見ればわかる・・・だが・・・」

 

「ちょっと、早くいかないと!」

 

そう言って九十九と元一朗を急かすユキナ。

すると、アキトがユキナに歩み寄る。

 

「ちょ、ちょっとアキト・・・どうしたの?」

 

そんなユキナをすっと抱き寄せるアキト。

 

「ア、アキト!」

 

恥ずかしそうに顔を赤らめるユキナ。

だが、決してアキトから離れようとはしない。

アキトはゆっくりと膝を折ると、右手をユキナの頭に乗せると撫でる。

 

「ユキナ・・・しばらくお別れだけど、元気でな」

 

「ア・・・アキト・・・」

 

段々目が潤んでくるユキナ。

それを温かい目で見守っている九十九と元一朗。

 

「お兄ちゃん達のことを頼むぞ・・・結構抜けてるからさ」

 

「う・・・うう・・・アキト〜!」

 

アキトに抱き付くユキナ。

そんなユキナを右腕で抱きしめてやるアキト。

それを見ながら、なぜか九十九と元一朗も泣いている。

 

「また逢えるさ・・・」

 

アキトに抱き付きながら泣いているユキナに優しく声をかける。

その背中をぽんぽんと叩いてやる。

次第に泣き止んでいくユキナ。

涙をそっと拭ってあげるアキト。

 

「・・・また逢える・・・う、うん・・・そうだね」

 

そしてそっとアキトから離れる。

 

「わかった・・・ちゃんとお兄ちゃん達の面倒見るわ!」

 

そう言ってにっこり笑うユキナ。

 

「フフ、良い子だ」

 

そう言ってユキナの頭を撫でる。

 

「えへへ」

 

気持ちよさそうにするユキナ。

 

「さ、もう行きな」

 

その言葉にゆっくりとドアに向かうユキナ。

そこで待っている九十九達の下へ行く。

ドアの手前で振り返るユキナ。

九十九も元一朗もアキトを見る。

夕日を背にしているアキト。

 

「今度会えるのは・・・和平成立後だ。それまで元気でな」

 

「ああ、アキトもな」

 

「あの子達によろしくな」

 

「ルリさんを泣かしちゃだめだよ!」

 

その言葉を聞いてアキトが微笑む。

全てを魅了するかのような微笑み。

もう大丈夫。

アキトの微笑みを見て、3人はそう思った。

そして3人は、自分たちの艦隊に戻るために部屋を出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・まだ何も終わっていない。まだ、火星の後継者が残っている」

 

1人夕日を見ながら呟くアキト。

彼にとっては、和平成立など通り道でしかない。

いずれ、火星の後継者達との戦いがある。

避けることの出来ない戦い。

 

「奴らが数の劣勢を覆すとしたら・・・やはりあれか」

 

彼の思考は、すでに火星の後継者との戦いに及んでいた。

今後火星の後継者達がどう動くかについて、この時アキトは驚くほど正確に推測していた。

それは、すでに人の推測できるレベルを超えていたという。

 

「北辰・・・俺がいる限り、お前の好きにはさせんよ・・・」

 

そこで一瞬、彼の顔に緑色の奔流が浮かぶ。

だが、すぐにそれも消えた。

心の乱れは己を弱くする。

それが、アキトには解っていた。

アキトはジッと夕日を見ている。

その時、展望室のドアが開き、誰かが入ってきた。

 

「アキトー!」

 

「お父さん!!」

 

ラピスとルリカが入り口から叫ぶ。

その声に振り返るアキト。

一瞬舞った純白の髪が、夕日に彩られる。

その美しさは、言葉では表せないほどであった。

ポーッとアキトを見ているラピスとルリカ。

そんな2人に、アキトは凶器とも言える笑顔を向ける。

 

「おいで、2人とも」

 

アキトがそう言うと、ラピスが猛ダッシュでアキトに飛びついてくる。

やや遅れて、恥ずかしそうに、それでもしっかりとアキトに抱き付くルリカ。

 

「2人とも、心配かけてゴメンね?」

 

優しく声をかけるアキト。

その言葉に、アキトをジッと見つめるラピスとルリカ。

あのプロスペクターが『テンカワアキトの妖精』と称した、2人の可憐な少女達。

 

「もう大丈夫だよ・・・もう自殺なんて考えないよ」

 

「ほんと?」

 

「本当ですか?」

 

ラピスとルリカに言われて、アキトが自らの心を開く。

自分の言葉に偽りがないこと。

そして、自分が2人をどれだけ愛しているのか。

それを伝えるために、自らの心をさらけ出すアキト。

それは精神がリンクしている妖精達には、何よりも強く伝るメッセージだったのかも知れない。

 

「ア・・・アキト・・・」

 

「・・・お父さん・・・」

 

ラピスもルリカも、真っ赤になってアキトを見つめている。

アキトは、真面目な顔で2人の少女を見つめる。

その精悍な表情が、ルリカとラピスの心を縛る。

 

「大丈夫・・・お前達の側に居るから・・・」

 

そして、再び笑顔を浮かべるアキト。

その笑顔に、もはや見惚れる事しかできないラピスとルリカだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラピスとルリカは、アキトと夕食の約束をして展望室を出ていった。

再び静かになる室内。

そこに一人残されたアキト。

黙って夕日を見つめている。

アキトの脳裏に浮かぶ、アヤカの笑顔。

何よりも大切だった存在。

どんなことをしてでも、護るべきだった。

だが・・・殺した。

次第に、アキトの瞳に涙が浮かんでくる。

 

「・・・すまない、アヤカ・・・」

 

その瞳から、ついに涙がこぼれ落ちる。

 

「頼む・・・火星の後継者との戦いが終わるまで・・・それまでは、俺が生きることを許してくれ・・・」

 

アキトは泣いていた。

静かに肩を震わせ・・・泣いていた。

そんな彼を、夕日が赤く染めていた・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地球と木連の間で正式に和平が成立したのは、それから3ヶ月後のことである。

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

<あとがき>

どうも、ささばりです。

いつもご愛読ありがとうございます。

アキト、一応復活です。

まあ、どこかおかしい気もしますが・・・。

本人達が幸せなら、周りが口を出すことではないと思います。

さて、今回の話で、TV版ナデシコのお話は終わりとなります。

次回は、和平成立後しばらくしてから話が始まります。

皆様、今回のお話はいかがでしたか?

感想等、是非ともお送りください。

返事は必ず書きます。

それでは、次回でお会いしましょう。

 



艦長からのあれこれ

はい、艦長です。

壊れてますね。
深いところで。
もう少しあからさまな壊れを見たかったですが、伏線も張ってあるので良しとしましょう(爆)



さあ、いよいよ佳境!ささばりさんにメールを出すんだ!(爆)


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