すぺいんぢん、先輩づらを断念する

すぺいんぢんは昔から肝心なときに、かなり大胆なチョンボをしでかしてしまう。

高校時代、友人と初日の出を見に行った時なんか、新年最初の太陽

まさに出ようとする瞬間、私は冷たい石の上に座って、眠り込んでしまった。

友人から起こされた時には既におそしで全部出てもた後。それ以来その友人に会う度に、

冷たい石の上に3年野郎とか、ずううっと10年以上言われ続けている。

あと肝心なときにチョンボと言えば先日、資格試験を無理矢理受けさせられるハメになり

(会社が受けろ受けろとやたらうるさい)、勉強をする以外は(それが一番大事やけど)

準備万端バッチリのつもりであった。、前日の夜中になって受験票に貼る写真を

撮っていないことに気づく。朝早くから開いている写真屋なんてないし、最寄りの駅には

自動写真撮影機もないし、てなわけで資格試験は、あっさり断念。

げげ、そういえば、あんなこともやったし、こんなこともしでかしたし、わたしの人生チョンボ

ばっかりや。

でまたまた前置きが長くなってしまったが、後輩H君と二人である仕事をした時の事である。

H君は入社間もない、まだまだ初心者。で、先輩すぺいんぢんはあーだこーだ偉そうにH君に

指示してた。偉そうに色々言ったかいあって仕事は順調にすすみ、いよいよ明日終わりだ

というところまできた。ほんで、またまた偉そうにH君に向かって、

「明日は大事な日だから、早く会社に来るように!」と言ったのだ。

偉そうに言った手前、自分も絶対早く行かなくてはと思い、いつもよりだいぶ早めに目覚まし

をセットし、翌日は無事起きることが出来た。いつものように、チャリで駅まで向かった。

チャリを自転車置き場に置いて、歩き出したのだが、なんか違和感がある

いつもとなんか違う。なんなんや、このへんな感じは?と思い、ふと、胸に手をあてると

ネクタイが無い。よりによってこんな大事な日に。

どうしよう?困ったもんだ。ホントに困った。キオスクで買おうか。いや、ちょっと待て!

ネクタイをせずにスーツを着たサラリーマンが、キオスクでネクタイを買うことほど

恥ずかしい事はない。そんな恥ずかしい事出来るわけがない。なわけで、あきらめて

家まで取りに帰る事にした。家まで往復すると約30分のロス。

約束の時間に30分遅れ、H君には平謝り。正直に遅れた事情を説明すると、

「へっ」って鼻で笑われてしまった。

その事件以来、私はよっぽどの事が無い限り先輩づらして偉そうにするのはやめにした。

(写真は98年6月27日の、おフランス)