ペットっていうものは、アホであればあるほど愛嬌があって かわいいもんで、そんなわたしもずっと前に、手乗りの桜文鳥を 飼っていた。名前はキヨ。 それはそれはアホな文鳥で、しょっちゅう狭いところにみずから はまり込んでしまい身動きとれなくなったり、水浴びに失敗して ズブ濡れになって風邪をひいてしまったりとか、見てて可哀想になるぐらい。 文鳥を手乗りにするためには、ひなの頃から朝昼晩夜中と餌を 与え続けねばならない。 毎日餌をやってるときに、ふと悪魔の囁き(本名:佐々木さん)が 聞こえてきた。 「おい、すぺいんぢんよ、このままこの文鳥を普通に育ててしまって よいのか!?」 その時私はとんでもない、悪魔の計画(ちょっと大げさ)を思いついて しまった。 この文鳥をウグイスとして育てよう! それからというもの、彼の前で毎日毎日私は 「おまえはウグイスじゃ!ほーホケキョ!」と言って聞かせた。 「ほーホケキョ!」と来る日も来る日も、彼の前で言い続け、 つっついに、世界でたった一匹の 「ほーほぎょぎょ」と囀(さえず)る文鳥となったのであった。 PS.しばらくほっておくと、普通の文鳥にもどりました。めでたしめでたし。 | |