塩けを保て

マルコ9:43〜50

  1. この箇所は、「ゲヘナの消えぬ火」「火によって塩けをつけられる」「塩けを保ちなさい」という具合に、言葉の連想によって、イエス様の教えが配列されていて、前後の関係が、やや不明ですが、三つの主題を読みとることが出来る。
  2. 人生の優先順位(42〜48);ここでは、どんな犠牲を払っても、禁欲生活を維持せよと命じているのではない。対比されているのは、「片手(片足・片目)でいのち(神の国)に入る」ことと、「両手(両足・両目)そろっていてゲヘナに投げ入れられる」事です。永遠のいのちを得るために、捨てなければならないものがある。第一のものを第一として生きる事の大切さ、人生の優先順位をよく考えて生きることが教えられている。
  3. 苦難の価値(49);新改訳聖書は、「すべて」と訳すが、口語訳聖書は、「人はすべて」と訳す。人は、「火」即ち、苦しみ、試練、迫害によって塩づけられる必要があるというのです。私たちが、神に受け入れられるきよい供え物となるためには、苦しみや試練をくぐり抜けて、きよくされる必要があるのです。ここに、苦難の意味や、価値が明らかにされている。
  4. 塩けを保て(50);粗悪な岩塩は不純物が多く、雨などに当たって、塩分が流れ出て、塩けを失うものがある。キリストの弟子も、人生の優先順位を見失い、きよさを失っていったら、弟子としての価値がない。塩けを保つためには、上からの知恵に満たされ(ヤコブ3:13〜18)、キリスト様の支配の中を歩む必要がある。言葉が、いつも親切で塩味のきいたものであるように祈ろう(コロサイ4:6)。