練 習 問 題


 問題1〜7の悪循環(問題→偽解決→問題)や二重縛りを見つけ、その連鎖を断ち切るための介入課題を考えてみましょう。問題7は、今はやりの「冬のソナタ」のあらすじです。ドラマを観察すると、典型的な二重縛りがいくつも登場します。

【問題1】デパートでおもちゃをねだられる若夫婦

デパートの玩具売場で、子どもがおもちゃを買ってとだだをこね、床に寝転がって足をバタバタさせている。
  母 : 「デパートへ来る前に、今日はおねだりをしないと約束したでしょう。」
  子 : 「いやだ。買って!買って!買って!」
      (回りの人ジロジロ見る)
  父 : 「何か安い物でも買っておけ。家に帰ってから叱るから。」
  母 : 「もう!・・(あなたが甘いからわがままになるのよ)」と言いつつ財布を出す。

【問題2】不眠症に悩む会社員

 酒を飲んでも、運動をしても、羊の数を数えても、自己催眠など、あらゆる事を試してみたけれども眠れない。

【問題3】洗浄癖のある女性

 洗浄癖があり、何をするにもいちいち手を洗わなければ、何もできない。OLでもあり、仕事にも差し支え、困っている。

【問題4】ピアノのテスト不安

 ピアノのテストがあると思うと不安で、練習をしなければならない時間になると、じっとしていられない。つい、本を読みたくなったり、掃除をしたくなったり、結局、テストギリギリにならないと練習を始められない。当然、練習は出来ず、単位を落とすということの繰り返し。

【問題5】ひとみしり

 ひとみしりが激しく、友達の中に入っていけない女子学生が相談に来た。なぜだと思うかを聞くと、「他人に知らん顔をされるのがこわいから」と答える。

【問題6】継母への反抗

 中学入学直前の女子の反抗・虚言・怠学を問題として、その継母が相談に来た。この問題を解決するために、継母は、彼女とは血縁関係がないため、実の子以上に気を遣い、彼女との関係が良くなるように、あらゆる努力をしてきた。しかし、最近では、手に余って、可愛くないし、昔のように抱いてやることもできないと訴える。父親は、妻の努力を認めている。自分としては、もう少し、そーっとしておいてやりたいと言う。

【問題7】冬のソナタ

母と妹と3人で暮らすチョン・ユジンは明るい女子高生。幼なじみのキム・サンヒョクとは家族ぐるみの付き合いでまるで兄妹のよう。そんなある日、ユジンはソウルからの転校生カン・ジュンサンと恋に落ちた。しかし、突然の悲劇が2人の初恋に終止符を打つ。自分の出生の秘密(ユジンと異母兄妹かも知れない?)を知ったチュンサンは、交通事故に遭い、記憶を失ってしまう。
10年後、建築デザイナーとして活躍するユジンの前に、記憶を失ったチュンサンことイ・ミニョンが現われた。チュンサンが死んだとばかり思っていたユジンは、幼なじみのサンヒョクと婚約していた。・・・

 


偽解決の6パターンとそれに有効な介入の方法

1. 自然に起きること(眠気など)を、意図的に起こそうと努力する。
   効果的介入パターン ; @過重課題。A症状指示。

2. 心にある不安・恐怖を防衛するために、延期や回避を繰り返す。
   効果的介入パターン ; @免疫法。A研究指示。B連結法。C時間の意味転換。

3. 相手より一段上の地位を取ることを主張して解決しようと努力する。
   効果的介入パターン ; @ワンダウン販売。A解除劇。

4. 相手が自らの非に気づく、あるいは自発的に行動するまで待つ。
   効果的介入パターン ; @直接要求の間接指示。A戯画化。B択一法。Cスプリット劇。

5. 否定して疑いを晴らそうとする。
   効果的介入パターン ; @ゲームつぶし(Jamming)。非難ごっこを事実のあてっこに変える。A権威者による裁定。B証拠打診。

6. 論理的に説得して、納得してもらおうとする。
   効果的介入パターン ; @パラドキシカルな論理療法。Aラショナル・ユーモア・ソング