V.すれ違う会話


【例2】病院に入院している患者Aさんは、昨夜、同じ病室の人が取り込んでいたり、家庭のことで、悩んでいることがあったり、色々なことが重なって、眠れませんでした。

看護師 ; 「いかがですか?」
患者A ; 「夕べ寝られませんでしてね。」(つらそうに)
看護師 ; 「それじゃ、先生に言って睡眠剤を増やしてもらいましょう。」
患者A ; 「はぁ。」

 

【例3】ホスピスに入院している患者Bさんは、ここへ移ってきて3ヶ月になりますが、最近、体調が思わしくないため、少し弱気になっています。医師の回診の時、そんな不安を口にしました。

医師  ; 「いかがですか?」
患者B ; 「先生、私もうダメなんじゃないでしょうか?」(とても不安そうに)
医師  ; 「そんな弱音を吐いてはダメですよ。もっと頑張りましょう。」
患者B ; 「はぁ。」

 

【例4】背が小さいことで悩んでいる小学6年生のC君が、お母さんに、訴えます。

子C  ; 「おかあさん。ぼく、背、このままだよね。」
母   ; 「そんなことないわよ。男の子は、中学、高校で背が伸びるんだから、大丈夫よ。」
子C  ; 「でも、今、小さいんだから、伸びっこないよ。」
母   ; 「だってパパだって普通だし、お母さんも小さい方ではないし、大丈夫よ。ほら、おじさんだって、170pあるけど、小学校の時は小さかったわよ。」
子C  ; 「だからって、ぼくが伸びるとは限らないじゃないか!」
母   ; 「・・・・・」

 

【演習1】
三人一組になり、上記の三つの会話を、ロールプレイしてみましょう。一人は、二人の会話を第三者として聞きます。気持を訴える役、聞く役、第三者として観察する役を、必ず、1回ずつ演じるようにします。A,B,Cの気持を訴える役になった人は、その時、自分の内側にどんな感情が生じるかを味わいながら、役を演じてみましょう。