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![]() Original Release Date: 1984 Producer: George Michael Wham!: George Michael, Andrew Ridgeley ■ Track Listing 1. Wake Me Up Before You Go-Go 2. Everything She Wants 3. Heartbeat 4. Like A Baby 5. Freedom 6. If You Were There 7. Credit Card Baby 8. Careless Whisper ■ Review - うきうき抱きしめてジョージ - 今となっては笑いの種にしかならないのが、この「ワム!」である。別にグループ名の最後にビックリマークが付いているからではない。ましてやアンドリューはどこへ行ってしまったのか、とかそんなことで笑えるわけでもない。別に「ケアレス・ウィスパー」を、西城秀樹が「抱きしめてジルバ」というタイトルでカバーしたからとかそういう理由でもない。いや、そういうのも笑いの要素としては十分すぎるものだけれども、なにせジョージ・マイケルである。偏愛の変態である。そしてこのアルバムタイトルの「Make It Big」だって、そういう意味で考えればかなり意味深である。 それはともかくとしてアルバム発表当時、リアルタイムで洋楽というものに触れ始めていた自分を最初に捕らえまくったのが、この「ワム!」でありこの大傑作アルバム「メイク・イット・ビッグ」なのである。もちろん当時中学校1年生の自分に2,800円のLPレコードを買うなんていう余裕はなかったから、自動車の修理工場屋の息子で、自分よりもはるかに裕福であった加藤クン(実名)にそのアルバムをカセットテープにダビングしてもらうことになった。とにかくワム!を好きになったきっかけは忘れてしまったが、そのテープにかける私の意気込みたるもの並々ならぬものがあったのは確かだ。ダビング用にと加藤クンに渡したカセットテープにはすでに「FM STATION」誌から切り取った写真、ラベルがべたべた張り付けてあり、なおかつ曲名までがタイムテーブルとともにすでに克明に刻み込まれてあったのだ。そしてそんな気合いの入った自分の気持ちを13歳の加藤クンは察してくれたのであろう。彼はそのアルバムを極上の最高級の音質でカセットテープに落としてくれたのだ。自分の持っていた(いや、我が家に1台しかなかった)安物のラジカセを通して聴いてみても、ダイナミックレンジの広いそのマジックとも言える超高音質サウンドは、自分をまるで別世界へといざなってくれるかのような気分にすらなった。そしてそのマジカルな音に、13歳の青い私は見事にハマってしまったのだ。 まず1曲目で初の全米ナンバーワンヒットともなった「Wake Me Up Before You Go-Go (邦題:うきうきウェイクミーアップ(爆))」。こんなに素晴らしい曲がこの世にあったのか!!とマジでのたうちまわった。アンドリューは相変わらず影が薄かったが、ジョージ・マイケルのスウィートボイスはまるで天使のささやきかなんかのように自分の耳を捕らえた。「ウェイク・ミー・アップ!」とジョージが歌うとほんとに目を覚まさせられた。それほど衝撃的な曲だった。 46分テープ(・・・ちなみに種類はマクセルのUD-II。ハイポジション。金と赤のコーディネーションが絶妙に高級感を煽っていた。)B面へと聴き進めるとそこにはあの「Freedom」が待っていた! そしてここで私は「freedom」が日本語で「自由」という意味であることを知るのであった。(・・・・ちなみに「Wake up」が「起きる」で「Wake me up」が「私を起こす」という意味だということもこの時に知った。) 自由って素晴らしい。マジでそう思った。私はジョージ・マイケルと一緒に「ウォウ・ウォウ・イェ〜イ!」と遠吠えしていた。 ちなみに私はこのアルバムをCDで所有していない。持っているのは加藤クンからダビングしてもらったそのカセットテープのみである。そしてそのテープはあの時の超高音質そのままに現在も鳴り続けている。ちょっと恥ずかしい、でもちょっと懐かしい、そしてちょっとほろ苦い、そんな思い出がこのアルバムとテープには詰まっている。しかしジョージ・マイケルはそんなことを知る由もあるまいが。
■ Short Biography of Wham! ジョージ・マイケル(vo)とアンドリュー・リッジリー(g)による80年代英国発最大のポップデュオは、82年に「ワム・ラップ!」でシングルデビュー。続く「ヤング・ガンズ」がイギリスのヒットチャート入りして一躍脚光を集めることになる。軽快なディスコチューンを持ち味としたファーストアルバム「ファンタスティック」を発表した後、上でも紹介している「うきうきウェイクミーアップ」 が英米のチャートでナンバーワンを獲得。さらに「フリーダム」、そして今やクリスマス期には欠かせない「ラスト・クリスマス」などのヒットがその人気に拍車をかけた。中国でのコンサートなどを成功させ、アルバム「エッジ・オヴ・ヘヴン」も好評に向かえられたが、86年に突如デュオの解散を発表。ウェンブリースタジアムでのコンサートと、「ザ・ファイナル」というベストアルバムをファンの前に残して、ワム!はその短い役割を終えた。ジョージ・マイケルはその後ソロとしても大活躍。アンドリューも1枚のアルバムを発表し、レーサーなどとしても奮闘中。
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Last updated: 1/3/99 |