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![]() 全体的に、「アドア」でもなく「サイアミーズ・ドリーム」でもなく、過去の曲調に戻った、というよりはむしろ「アドア」の洗練と「サイアミーズ」の混沌とが盛り込まれている感じ。決してその2つを合わせて2で割ったとか、過去の美味しいスマパンを最大公約数的に抽出したとかそういうわけではなく、どのアルバムと似ても似つかない感じでありながら一聴してパンプキンズだと分からせる説得力を持つ作品になっていて、陳腐な物言いだけれど改めてスマパンの音楽的懐の広さを思い知らせる、そんなアルバムになっている。 アルバム全体を通してまず感じたことがビリー・コーガンのボーカリゼーション。前作「アドア」の流れそのままに優しく澄み渡る声だが、曲調がどんなにハードになろうともそれは一向に変わらない。ビリーの「むぎゃ〜」という潰れた声も悪くないが、個人的にはこっちのほうが好感度大。 ・・・なのだが、自分が覚えていることってそれぐらいなのである(笑)。っていうか何言ってるかさっぱりわからないっすよね? う〜ん・・・・あとは、ファーストシングル候補になっている「The Everlasting Gaze」と「Standing Inside Your Love」だけれども、どちらかと言えば「Standing〜」の方がポップで洗練されたイメージがあるといったことや、その他にこれまでのスマパンの曲調とは似ても似つかない軽快で爽快なナンバーがあったり、「アドア」の流れを汲むような壮大かつ流麗な曲があったり、出戻りドラマー=ジミー・チェンバレンは意外と地味だなといった感じとか、そんなもんである。 分かった。このアルバムについてひとつだけ確信を持って言えることは、これってスマパン史上最高のポップアルバムだということ、かな。 前作「アドア」はよく「癒し系のアルバム」とかって言われていたけど、どちらかと言えばこの「マシーナ〜」のほうが癒し系っぽい。昔からのスマパンファンの「アドア」で持ったフラストレーションを癒しただけではなく、そのフラストレーションが自身のものともなってしまっていたバンドメンバー自身に対しても癒し効果を持つこのアルバム。 一方で「アドア」の洗練がスマパン独特のヘヴィネスにうまく溶け込んでいて、きっと「アドア」でスマパンを知った人にとっても聴きやすいアルバムであろうし、「サイアミーズ・ドリーム」でスマパンを好きになった人の期待も裏切らないだろうし、昨今のヘヴィロックやUKロック好きな人が聴いても全然オッケーな、そういった意味で最高級にポップなアルバムだと思う。 というわけで半分ぐらい意識が朦朧としていた自分でもこのぐらいの感想は書けるぐらいのアルバムなのでみなさんも絶対に聴くべし。そして来日を待つべし。 ![]()
Last updated: 1/16/00 |