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![]() 一般人には、あまりなじみがないかも知れないが、最近では タレントとしても活動しているので、TVとかで見た事もある人が いるはずだ。 最近では、メジャー団体である新日本プロレスにも参戦しており、 そこで色々な話題を振りまいている。 彼は決して、強いプロレスラーではない。 本来なら、プロレスラーと呼ぶのもおこがましい人物である。 華麗な技を繰り出すわけでもなく、ド迫力の大技で勝ち誇るわけでもなく、 流れるようなサブミッションを極め、ギブアップを奪うわけでもない。 しかし、彼には一部に熱狂的なファンがいる。 『邪道』といわれる彼のスタイルは、確かにファンを熱くさせる何かを持っている。 試合後、勝敗に関係なく(これがすごい) リングサイドにモッシュしてくるファンに向けて、全身から鮮血を垂れ流し、 泣きながら彼は叫ぶ。 「邪道がなんじゃ〜〜〜!」 「クソと言われようが、俺はプロレスが好きなんだよぉ〜〜〜(泣)」 こんな『バカな熱さ』が、ファンを虜にしているのかも知れない。 『涙のカリスマ』とも呼ばれる所以だ。 さて、Buckcherryの話だ。 最初に彼らの音を聞いた時、笑いが止まらなかった。 「こいつら、バカだなぁ〜(~_~;)」 それからよく歌詞を聞き取る様にして、また聞いた。 「おいおい、今の時代にSex, Drug & Rock'n'Rollかよぉ〜(爆)」 それでも、笑いながら聞き続けた。ずっと、何回も。 そのうち、だんだん笑いの質が変わっているのがわかった。 明らかに興奮してきている。 そうか、オレは歓んでいるんだ。 「なんてイサギヨイんだろう」 今の時代、なんて時代論を掲げたくはないが、やっぱりハヤリに基づいた音作りをして行かないと、メジャーにはなれない。 それは確かだ。 彼らがこの99年に提示してきた音は、もうアナクロとも思われる コテコテの、LAメタルとも、グラムとも、パンクとも取れる音であった。 ハード・ドライヴィン・ロック?カッコつけ過ぎだよ。 なんの演出もないギターロック−バカ・ロック−で十分。 聞こえてくるのだ、彼らの叫び声が。 「俺たちはこのスタイルが好きなんだよぉ〜」 素直に喜んでやろうじゃないか。 『バカ・ロック』を好きで好きでたまらない『ロック・バカ』を。 『涙のカリスマ』を。 そして、そんな『バカ』が大好きな自分を。 (text by れいく)
あちらこちらで大絶賛の声が聞こえていた Buckcherry.いや〜いや〜! 以前 Reef のレビューで Kats さんが指摘していたように,音楽を聴くにあたって「音の大きさ」という要素は非常に大きい.で,このアルバムもご多分にもれず大きな音で聴いた場合の印象はそうでない場合と比較して全く違う. まずは控えめの音量で聴いた場合の印象である. この音は長年ロックン・ロールを聴いてきた者にとっては思わずニヤリとするようなものであろう.具体的には... 古くは Sex Pistols (あ,Steve Jones がプロデュースに関わっている...)や AC/DC,そして80年代のバンドでは Motley Crue,Guns 'N Roses や Poison などを彷彿させる伝統的なロックン・ロールである.ボーカリスト Joshua Todd の声質は Axl Rose を強く彷彿させることもあり,特に "Lit Up", "Check Your Head"の地声の部分では笑ってしまうくらいイメージがダブる. これまでそのような音楽に接してきたことがない者でも,このとてつもない音塊に心が動かされることは間違いないだろう."Lit Up", "Dead Again" "Dirty Mind" などのカッコ良さは一体何なんだか! これを聴いて盛り上がらない人がいるならば是非お目にかかりたいような疾走感,ぶっちぎれ加減である.その一方で "Check Your Head" "For the Movies" のようなベタベタのバラードにおいては,「今時こんなくさい曲やる人いないよ」と思うリスナーの気持ちなどお構いなくグングンと心のツボを押してくる.これがツボピッタシでまた気持ちいいのだ. 個人的にはもう少しボーカル以外の個性があれば嬉しいのだが... ギター,ベース,ドラム,いずれも適切なプレイは行っているしソツはないのだが,基本的なプレイに終始しているためワン・パターンな印象は否めない.例えば Guns 'N Roses で Slash がギブソン・レスポールを弾きまくったように,Nirvana で Dave Grohl が親の仇をとるかのようなドラムを叩いていたように,今後このバンドにおいて演奏面での強烈な個性が発揮されたならば鬼に金棒状態だろう. まあ,"Borderline" のように一瞬 Rolling Stones の "Beast of Burden"を思い出させるようなヴァリエーションに富んでいる曲があることなどは彼らの将来に対して期待できる点である.作曲面でもアレンジ面でもより一層の進歩が見こまれる今後まで楽しみになってくるアルバムである. あ,そうだ,大音量で聴いた場合の印象を忘れていた. 「はやくライブ行きたい!!!」 (text by しげやん)
----- おまけ -----
・・・・・・・・まだアルバムを聴いていない自分がレビューをしてもいいのだろうか? という疑問はさておき、何はともあれみなさんの熱い要望にお応えして、というか、「購入直前レビュー」っていうジャンルをここで確立しよう、なんていう呆れた意図ももちろんないのだけれども、トリを飾るレビューとしては最低、と思いつつも、やっぱりバックチェリー最高!!ってことでオールオッケーにしましょう。 もう一度繰り返すが、自分はこのバックチェリーのアルバムを聴いてないし、買っていない。 「そんな威張るな!」という方のためにに、いちおう自分はcdnowで試聴はしている、ということをお伝えしておきましょう。 試聴した印象・・・・・これがかなりヤバイ。 ヤバイって何が? 20代の半ば頃からどういうわけだかプロディジーとかケミカルブラザーズとか聴いて、「おおすげえ!」とか言っている自分がいる。 最近でも、ブンブンサテライツはぁ!ドラゴンアッシュもぉ!コーンってぇ!サードアイブラインドにぃ!ブラーっとぉ! って感じで盛り上がってたりもしていて、suzukiくんのイベントでも、「最近、テクノもいいなあと思い始めてます」などと言い放ったりして、結構アップトゥデートなロックンロールに結構高い理解を示しているような自分がいたりする。 でもそれらの音ってのは、確かに素晴らしいし、自分をロックしてロールさせる楽しいものなんだけれども、ひょっとしてなんか理性の殻に守られているというか、「俺はほんとにそういう音が好きなのか? 好きなつもりでいるだけじゃないのか?」、という気持ちにさせられることが時々、ほんのちょっとだけあったり。 「好き好き!」と叫んで止まない、ストーンズのベガーズ・バンケットとか、ビートルズのサージェント・ペパーズなんかの名作と呼ばれている盤も然り。 そんで、「俺が本当に好きなのは・・・・」と言い掛けたところで口を塞いでしまうのが、こういう音なんです実は。 バックチェリーの音っていうのは、なんか自分をムラムラっとさせるというか、「いや待て、俺はこういう音は過去に葬り去ったはずだよなぁ〜〜。暗い青春のロックンロールな俺は今ここにいないはずだよなぁ〜〜。」、 という妙に鬱がかった気持ちにさせられるから困ってしまう。 いや、困らなくてもいいのか。 いや、やっぱり困る。「ロック」ってなんなんだ? 俺の生き方ってなんなんだ? つまりこのバックチェリーのアルバムを買うとマジでヤバイんだこれが。 マジでヤバイってことが、容易に想像できてしまうから。 なんか都落ちでもしたような、そんな自分を思い浮かべてしまうし。 というかすでにそうなっているのかも。 自分は絶対にこういう音が好き。 それも思いっきり本能のレベルで。 バックチェリーのCDを手にした瞬間、本当の自分が理性の殻を破って表に出てきていしまいそうな気がちょっと。 ここ数年、敢えて避けてきた感のある、ギターがガーンとなって、しゃがれ声のシャウトが「オゥ、イェーア!」と決まりきった台詞をなぞって、サビでは必ずシンバル連打!みたいなドラムの音。「こういう音は時代遅れってことで片付けなければならぬ」みたいに、ケミカル、コーンあたりが受け入れやすくなるように勝手にバリアを張ってきたような気がするが、実のところ、すげえ、すげえ、すげえ好きなんだこういうの。 そのことがcdnowで試聴しただけで分かっちゃったぐらいだもの。 でもここに戻っていいのか自分? これを聴きまくっちゃったら、ブラーとかスウェードとかアンクルとかアタリとかに反応できるのか自分? 怖いです。怖すぎます。 んでもって、買うか買わないか、まだ迷っている自分。 でも買わないとこのアルバムジャケを見るたびにドキっとすることになるんだろうなあ。 だけど買っちゃうとこれまたうらぶれた気持ちになっちゃうんだろうなあ。 頼むよバックチェリ〜〜〜。 この時代にこんな音出さないでくれよ〜〜〜。 (text by Kats)
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or Jun Shigemura or Katsuhiro Ishizaki. Last updated: 5/12/99 |